ぶっ壊れるJK。
「なんかどうでもいい情報多くない?」
確かに詳しく知れるのは面白いんだけどさ、なんか世界樹の葉っていう物に対する幻想がぶち殺された。
「そうか? 私からしたらかなり面白い情報なんだが。とりあえず一通り見てみよう」
私達は一度落ち着くために私の部屋のちゃぶ台を囲み、おやつをぽりぽり食べながら一通りの戦利品をチェックしていく。
【ふわねこカチューシャ】
レア度:☆
攻撃力:‐
属性:‐
追加効果:極稀に魅了
耐性:氷を若干軽減
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なんだかとても可愛い猫耳のカチューシャ。
その真っ白いふわふわは時にモンスターすらも魅了する。
しかし勘違いしてはいけない。よく魅了と言うと行動不能に陥らせる物のように描かれがちだが、自分に対して異常な好意、興味を持つようになる状態の事であり、対象がモンスターの場合装着者に危険が無いとは限らない。
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魅了されたモンスターが自分に襲い掛かってくる可能性があるって事?
それかなりヤバい状態なのでは……?
てか、モンスターすらもって書いてあるけど人間にも効くの? いきなりこれ装備したらイル君とかが襲い掛かってきたらマジ怖い。
多分本気でバール振り回すと思う。
【ディメンションポケット】
レア度:☆☆
攻撃力:‐
属性:‐
追加効果:‐
耐性:‐
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某、猫ではなくなった猫型のアレがもっているポケットを限りなくインスパイアなアレで作られた特殊なポケット。
中は特別な異空間に繋がっており、どんな物でも質量を無視していくらでも収納しておく事が可能。
場合によっては魔物をこの中に閉じ込める事も可能。この場合ポケットに手を入れた際齧られないように注意が必要。
尚、この異空間に収納されている間、収納された物は劣化しない。
たとえば生ものをここに収納し、ダンジョン内で食べたり、数か月後に思い出したように取り出して食べる事も可能である。
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え、これめちゃくちゃ便利じゃない?
アイテムが増えてきたらしまっておけばいいんだし、やっぱりドラえ……えーっと、あのポケットっぽい感じだ。
そして、魔物を閉じ込める事も出来るっていう説明でピンときた。
「アーニャ、これってさ、普段ポケットの中にイル君放り込んでおけばいいんじゃない?」
「あぁ……なるほど。あいつは便利な道具扱いで必要な時に取り出して戦わせればいいって事か。それは悪くないな」
……そういう意味じゃなかったんだけど……。
アーニャがにやにやとご満悦のようなのでそういう事にしておこうお。
「あとはイル君がもってっちゃったかな? リボルバーと腹巻」
「おいおい。まだ一つあっただろ」
何かあったっけ? あ、このおやつおいし。
アーニャも気に入ったようで二人でポリポリとほとんど食べてしまった。
「あと何があったっけ」
「種だよ種。才能がどうとかいうやつ」
「あぁ、ちょうどこんなやつだったよね」
おやつの一つを摘まみ上げると、アーニャと私の視線がそれに集中する。
「おい、お嬢……」
「……何かねアーニャ君」
「このおやつどこから用意した?」
「さて、この事件は迷宮入りだぞアーニャ君」
「馬鹿野郎! ほとんど食っちまったじゃないか! あと二つくらいしかないぞ!?」
「お、おちついて! ね? とにかくこれできっと私達の才能が開花したんだよ!」
「……まぁいい。さっさと説明を見せろ」
全部食べ切る前でよかった。一粒は後でイル君にあげよう。
てかこれ食べたら何がどうなるんだろう? とりあえず説明を見てみたけれど、困った事に読み終わった頃……。
「ひぃぃぃやぁっほぉぉぉぉぉぅ!!」
アーニャが壊れた。






