真実を知るJK。
「ふふふ……いい顔をするじゃないか。やはり君には素質があるよ」
「ああそうだ、気になってたんだけど、貴女は何者なの? 人間? それとも神様?」
ダンジョンマスターなんて訳の分からないものが人間だとは思わないけれど。
「私かい? 私は一応神様かな。まずはこのダンジョンの成り立ちを教えようか」
自称神様が教えてくれた内容はざっとこんな感じだ。
この世には沢山神様が居て、異世界っていうのも存在するらしい。
確か異世界へ転生だか転移だかしたサヤカって人が居たらしいけど、その人も実在した人物らしい。
彼女は異世界を救い、その後は神として抱えあげられた。
そして目の前の彼女はそのサヤカの血を引いているのだそうだ。
だから一応は神様だけど、ただの人間と変わらないんだってさ。サヤカから受け継いだ妙なチート性能はあるけど、それは私達に目覚めた才能とそこまで変わらない物らしい。
異世界には入るたびに内容の変わるダンジョンっていう物が存在して、神様達はその仕組みが面白いってなったらしくいろいろ調べたんだって。
そして似たような物を神様達が作り上げたのがこのダンジョン。
だけどこちらの世界にそんなものをただ作った所で意味がないから、この世を少しでも良くするために利用しようって事になったんだとか。
「そこで出てきた案が人間を進化させようって事だね。あくまでも自発的な進化を促す為に、過去に捕らわれている人々を救済する措置を取ったわけだね」
「でもさ、それ固有ダンジョンの話でしょ? じゃあ世の中にあふれてるフリーダンジョンはどうなるの? あれは何か意味あるのかな?」
「無いね」
「……は?」
「あんな物に意味は無いと言ったのさ。強いていうならば文明の発展を人間達がつかみ取る為の手段を用意したというだけだね」
いやいや、話聞く限りそっちの方が重要じゃない?
個人の話より文明の発展の方が世の中変わるでしょ?
実際問題回復薬や蘇生薬で私達の生活は一変した訳だし……。
「君が不思議がるのも分るよ。でも神様達はさ、その他大勢とか世の中の動きなんて大して興味ないんだよ。だから私がダンジョンマスターを引き継ぐって話になった時にワガママを言ってフリーダンジョンを作ったのさ。他の人々にも何か恩恵を用意すべきだってね」
なるほど。じゃあこの人はやっぱり人間にとっては害ではないし悪ではないのだろう。
「でもさ、ダンジョンに挑んで死んだ人達だって沢山いるよ……? 私も何度も死んだし」
殺すための装置だと勘違いされても仕方ないレベルだよアレは。
だんだんと真相に近付いてきています。
お嬢は生き返った代償として何を求められるのでしょう?






