呆然自失なJK。
「アーニャさん! お嬢が、お嬢がいませんわ!!」
「……そんな馬鹿な事あるか。どこかに隠れてるんだろう? おいお嬢……どこだ? どこにいる!?」
そんな馬鹿な事があってたまるか。
帰還の石はいつも通りに作動した。私とお嬢とキャロとこじこじを無事にここへ連れ帰れる筈なんだ。
それなのにお嬢だけが取り残されるなんて普通に考えておかしい。今までだってこんな事は一度も無かった。
あの場所に特別な何かがあったんだとしても、お嬢だけが取り残される理由が分からない。
「ふざけるなよっ!! もう一回だ! すぐに迎えに行くぞ!!」
「落ち着いて下さいアーニャさん! 私達が行ってもすぐにやられてしまいますわ!」
「だとしてもすぐに行かないと! 万が一あのままお嬢が殺されていたら……二十四時間以内になんとかしないと……二度と……」
そんなの認めない。絶対に認めない。
ずっと私のわがままに付き合わせてきたっていうのに、私じゃなく、付き合わされてきたお嬢がこんな事になっていいはずが無い。
「確かに……そうですけれども……ほかに何か方法はないんですの!?」
「あったらとっくにやってんだよ!!」
「ひっ……ご、ごめんなさい……」
馬鹿野郎。馬鹿野郎は私。
キャロだってお嬢の事を心配してるのは分かってる。
それなのにムキになって当たり散らしてるのは私の責任だって思ってるからだろう。
「とにかく、私は一人でも行くぞ!」
「アーニャおねえちゃんが行くなら私も行く」
「そ、それならわたくしだって行きますわ! 大事な人を見捨てたとあってはレディがすたるのですわ!」
「……死ぬかもしれないぞ」
私のその言葉に、こじこじは無表情で頷き、キャロは怯えながらだけど拳をぎゅっと握って、「そ、それでもですわ!」と気持ちを吐き出した。
「こじこじ、キャロ……本当に、ありがとう」
なんとしても、お嬢と取り返さなければ。
いったいどうしてお嬢だけがあの場に取り残されたのかは分からないけれど、理由や原因なんてどうだっていい。
お嬢がここに居ないという事実と結果だけが全てだ。
私はその結果を否定したい。
こんな現実を受け入れてたまるか。
今度は、私がお嬢を助けるんだ。
私はあの子に沢山助けてもらった。
戦いだってそうだし、何より……過去に捕らわれていた私を救ってくれた。
恩返しをするなら今しかない。
何より、お嬢を失いたくない。
「あぁ……そんな……アーニャさん……」
「……どうした?」
キャロの声は、か細く、そして……震えていた。
私はその理由を知って絶望した。
そんな事ってないじゃないか。
こんな事があっていい筈ないじゃないか。
どうして?
どうして押し入れの中に【押し入れ】があるんだ……。
初のアーニャサイド。
今回だけの予定ですが、もしかしたら今後節目にはこういう事もあるかもしれません。






