覚悟を決めたJK。
私はとにもかくにもまず解説書を取り出した。
のだが……。
「やめておきたまえ。儂の情報はそんな物では見れぬよ」
そんな言葉を信じて見るのを辞める程私はおひとよしじゃない。
龍神の言葉を無視して解説書を覗くと……。
【龍神】
レベル:unknown
属性:unknown
耐性:unknown
弱点:unknown
◆◆◆◆◆◆◆◆
あ・ん・の・う・ん・♪
◆◆◆◆◆◆◆◆
何があ・ん・の・う・ん・♪ だふざけやがって……。
「な? 意味が無かったであろ?」
龍神はファイティングポーズのまま「ふふふ」と笑った。
腹立つ……。
「やるしかねぇぞお嬢。覚悟を決めろ!」
「わかっ……」
ぼんっ。
「……えっ?」
目の前から龍神が消えた。
そう思った瞬間、私の斜め後ろに龍神が立っていた。
そこには、アーニャが居た筈だ。
恐る恐る龍神の向こう側を見ると、アーニャが。
外壁にアーニャがめり込んでいた。
意識があるようには見えない。
そんな事より。
そんな事より、アーニャが。
壁にめり込んだアーニャは、お腹から上しかなかった。
「……は? ……は?」
「何を呆けておるか。あっさりと一人死んでしまったぞ? まさかこの程度ではあるまいな?」
そう言って龍神は拳に付着したアーニャの血を舐める。
私はもう何も考えられなくなって、すたすたと龍神の隣を通過しアーニャの元まで向かう。
回復薬と蘇生薬を使ってアーニャを元通りの姿に戻して生き返らせた。
「ふむ……豪胆なのかただの馬鹿なのか判断しかねるな」
「うるせぇよ」
「ふふふ……本気になったかね?」
「黙れ」
私は怒りに任せて闇雲にバールを振り回す。
あっさりと受け止められてしまった。
そのまま炎をまき散らすと、龍神は少し驚いたように距離を取ったのでそのまま追いかけて追撃。
「なかなか面白い武器じゃないか。今のは少し驚いたぞ」
ダメだこれは。
まったく効いてない。勝てる気がしない。
だけど私はもう止まれなかった。
「キャロちゃん! こじこじ! アーニャを連れて帰って!!」
「そんな……! お嬢はどうするつもりですの!?」
「私は……せめてこいつ一回ぶん殴るまで帰れない」
このまま逃げ帰るなんてまっぴらごめんだ。
キャロちゃんも恐怖のあまり身動き取れなくなってたし、こじこじも初めて見る人の死に呆然としていた。
だから、今動けるのは私だけ……。
の、はずだったんだけど……。
「どういうつもり?」
私の目の前に、キャロちゃんとこじこじが立っていた。
「こ、このままお嬢だけを残して帰るなんて……出来るわけありませんわ!」
「ませんわ! なのにゃ!」
そして……。
「おいおい……私を忘れるなよ?」
「アーニャ……」
「このまま終わりになんかしねぇよな?」
……勿論!
今までとは桁違いに強力な相手です。
人語を喋るやりにくさも相まって、間違いなく過去最大のピンチ!






