おかしな仲間しかいないJK。
「わたくしはただ……お二人ともっと仲良くなりたいだけですわ」
キャロちゃんはそんな事を言いながらほっぺたを膨らませている。可愛い。
「仲良くなるって言ったって別にそういう意味でってのは違うんじゃないのか?」
アーニャは若干呆れ気味でキャロちゃんに釘を刺すんだけど、本人はあまり気にしてないんだよね。
「わたくし、正直恋愛対象として……とかそういうのはよく分からないんですの。でもお二人を見てると本当に羨ましくなっちゃいますし、こじこじも含めてですけど皆さん以上に好きになれる相手が居るとは思えないんですわ」
だからそれは恋愛とは違うでしょうよ。どっちかっていうと愛だよ愛。
やだ私ってば愛されてるの? 純粋に嬉しいよねそういうのはさ。
だって父親は妙な義務感みたいな感じで私を育ててきただけだと思うし、爺さんは私の事なんて道具としか思ってなかったし。
きっとアーニャもいろいろな事があったからなぁ……愛に餓えてるんだと思う。
だけどキャロちゃんにはお母さんが居る。
「キャロちゃん、もしキャロちゃんがそっちの道に走っちゃうとさ、私もいろいろ責任感じちゃうんだよね」
「お、まさかお嬢がまともな事を言い出すとは思わなかったな。据え膳食わねばなんとやらかと思ってたが」
アーニャは私の事をなんだと思ってるんだ。……当たってるけど。
「いや、さすがにさ……ちょっと悪いかなって思うよ」
「では家族の了承があればいいんですの?」
えっ、了承ってどうする気なのさ。
「わたくし聞いてみますわ。もしそれで、オッケー♪ ってなったらわたくしもお仲間に入れて下さいまし」
いやいや、普通の親ならそこでオッケー♪ はないだろ……。
あ、よく考えたらあの人まともじゃなかったわ……。平気でオッケー出しそうだなぁ。
「ま、焦んなくていいんじゃねぇの? 私だってまだお嬢に好き勝手させる気はないしな」
「ちょっと待ってそれ初耳なんだけど」
「馬鹿かお前は。調子乗んな」
そんなぁ……。
「ひどい。私がどれだけ楽しみにしてたか知らないの?
「知らんし知りたくない」
「……いいもん。隙を見て無理矢理押し倒すから」
「本当にやってみろ。その瞬間私とお嬢の関係は終了だ。二度と口をきいてやらんからな」
おわぁ……めっちゃ鋭い視線が飛んでくる。そういうアーニャが好きなんだよ。
やっと本調子な感じ。
「おねぇちゃん、ママ、洞窟見えてきたのにゃ」
こじこじは今までの会話を聞いてて一切おかしいと思わなかったんだろうか?
そういう倫理観がぶっ壊れてる所もこの子のいいところである。
お嬢はその言動からおかしな奴と思われがちですがこのメンツの中ではおそらく常識人な方です(;´∀`)






