つい出来心的JK。
「アーニャさん助けて下さいまし!」
キャロちゃんが自分の貞操の危機を感じたらしくアーニャの元へ助けを求めに行ってしまった。
なんと可愛い事だろう。相変わらずミニミニなスカートをヒラヒラさせてパンツ丸出しなのに最近はあまり恥ずかしがってくれなくて寂しかったんだよね。
これはいい弄りかたを覚えたぞ。
「どうした? お嬢にセクハラでもされたか?」
「それどころじゃありませんの! わたくし犯されてしまいますわ!」
ちょっと待て。それは話が飛躍しすぎというもんじゃないかね?
「おか……っ? 待ってくれ、キャロは一体何を言ってるんだ?」
一瞬アーニャがこちらをチラリと見てくるので、よく外国の人がwhy? ってやるようなポーズで返事。
「お、お嬢! とぼけても無駄ですわ! さきほどわたくしを凌辱する宣言をしたではありませんか! わたくしちゃんとこの耳かっぽじって聞いておりましたわよ!」
「んー? ちょっと何言ってるか分からないな」
「お嬢! お前キャロちゃんに何言ったんだよ。まさか……」
アーニャの目に怒りの色が宿る。これはちょっとまずいかもしれない。
早めに手を打っておこう。
「アーニャちゃんとキャロちゃんが一緒にうちに泊まりにきたら話が盛り上がって朝まで寝られないよって話をしたら勘違いしちゃってさ」
「……そうなのか?」
「ち、違いますわ! 絶対さっきの発言はそういう意味じゃありませんでしたもの! わたくし分ってるんですわよ!?」
キャロちゃんは涙目で必死にアーニャに訴える。
「キャロちゃん、よく考えてみて」
「……な、なにをですの……?」
「君は今何に怯えてるんだね。何を怖がってるの?」
キャロちゃんは一瞬ぽかんとして、首をかしげる。
「何をって……それは……わたくし、まだ心の準備が……」
「心の準備が出来てないだけで嫌じゃないんだ? だったら大丈夫。想像してごらん。私だけじゃなくアーニャも居るんだよ?」
「うっ、それは……妙な安心感はありますけれども……いやしかし……」
「お前らは一体なんの話をしてるんだ」
アーニャは不思議そうにキャロちゃんと私の顔を見比べて眉をひそめた。
「キャロちゃんが私達ともっと仲良くなれるかどうかって話」
「アーニャさんはそれでいいんですの!? さすがに嫌ですわよね!?」
「よ、よく分からんが、仲良くて困る事はないだろう?」
「まさかの肯定っ!? あれ、もしかしてわたくしの常識がおかしいんですの? 女子高生ってこういうのが当然なんですの?」
キャロちゃんの常識が壊れようとしている。
これはもう一押しだ。
「ママもアーニャおねえちゃんとお嬢おねぇちゃんを愛してるのにゃね! 三角関係に発展してしまうのにゃ~」
突如こじこじが乱入して変な事を言うもんだからアーニャが全てを悟って私を殺さんばかりの殺意を放ってる。
「あー、出来心ってやつだから、許して」
「殺す」
普通のJKとはいったい何を考えているものなのでしょう?






