じゅるりとするJK。
「これから勇者様とお仲間達には町長に会ってもらいますが、その前に浴場の準備をしますのでこちらで少し待っていてもらえますか?」
完全に私達は勇者一行って事になったらしい。
しかも私が戦ったせいか、私が勇者で他の子達がその仲間、みたいになってる。
結構気分がいい。
門をくぐると普通の町、ちょっと中華風かな? って感じの建物がいっぱい立ってて、たくさんの人々の間を縫って私達は一つの建物前で待機する事に。
「それにしてもダンジョン内に町とは驚いたな」
「私の家のダンジョンにはこんなの無かったにゃ」
こじこじのとこには確かにこんなの無かったし、あそこはむしろ幾何学系だったからこういうとは真逆だと思う。
「それにしてもここでお風呂に入れるんですの? 見た感じ道場みたいな見た目ですわ……」
確かにキャロちゃんの言う通りで、よく中国系の映画に出てくる道場みたいな雰囲気。
だけど、しばらくするとさっきの人が戻ってきて「中へどうぞ」というので皆で警戒しながら中へ。
ガラス戸を開けて中へ入ると、そこは意外にも男女と書かれた入り口があって、中にはロッカーみたいなものがずらりと並んでいた。
更衣室……?
「ここは大衆浴場になっておりまして、現在人払いをしてありますので中には誰もおりません。どうぞゆっくりと。その間にこちらの者が衣類を洗浄しておきます。十五分もあれば乾燥できますのでお待たせする事はないかと」
十五分で洗って乾かすってめっちゃ早いんだけど大丈夫なのそれ。
「服は服誰が洗うんだ? お前が洗うって言うならお断りだぞ」
「うっ、確かにアーニャの言う通りだよ。さすがに男の人に服渡すのはちょっといろいろ問題があると思う」
「変態ですの!?」
「……変態にゃ」
私達の疑いの眼差しに耐え切れなくなったのか、その男性は「勿論女性の導師がやりますのでご安心を」と汗を垂らしながら言う。
ちょっと気持ち悪い。
「てか導師って?」
聞いた事ない言葉だ。
「導師は簡単な道術……貴女達の言う魔法のような物を使えるのです。それで服を洗浄後に乾燥させますので……」
あぁ、なるほどね。魔法で洗って魔法で乾かす。だから早く出来るんだね。
ここの人払いと導師の準備で待たされてたんだろう。
でも入り口から出て行った人誰も居なかったけど……。
もしかしてどこかに隠れて覗いてるんじゃ……?
って心配したのは取り越し苦労で、ただ単に反対側にも出入り口があるだけだった。
「覗いたり服盗まれたりしたらぶっ殺すからな」
「ゆ、勇者様方にそんな不敬な事は致しません! 私はこれで入り口の警備に行きますので、ごゆるりと!」
これ以上ここにいると更に疑われると思ったのか逃げるように去っていった。
ここは一応ダンジョンの中だからね。
警戒しておくに越した事はないよ。
さてさてさてさて。みんなでお風呂ですよじゅるり。
ゆうしゃみれいは混乱(乱心)した。しかし、もとからだった!






