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後先考えてないJK。


「おーいナビ子ー? きたよー?」


 私は入ったらとりあえずナビ子がいて、新しいフロアに案内してくれるもんだと思ってたんだけど全然そんな事なくて、普通に知らない場所に放り出された。


「あれ、こじこじが来た時はナビ子いたんだよね?」


「うーんとね、どうしようかな~ってうろうろしてたらナビ子が話しかけてきてくれたのにゃ」


 だったら私達が来たのだって分ってるでしょうになんで無視するかなぁ。


「おーいナビ子? いないなら勝手に進むよー?」


『あっ、ちょっと待って下さいね。今お風呂入ってましたーっ!』


 ……ナビ子ってお風呂入るの?

 てっきり案内用のAIか何かだと思ってたんだけど……。


『な、なんですかその顔! 私だってお風呂くらい入りますよ!? レディなんですからね?』


「別にそんな事はどうでもいいから準備出来てるかどうか教えてくれよ」


『アーニャさんは相変わらず辛辣ですねぇ。勿論準備は出来てますよ~? むしろ皆さんが思ったより遅いから暇を持て余してお風呂入ってきたんですからね?』


「ごめんごめん。それで、準備出来てるって事はまた進んで行けばいいの?」


『それがですね、今回はマスターといろいろ相談しまして、ちょっと変わった趣向を凝らしてありますので。とにかく進めばいろいろ分かりますから成り行き任せに頑張ってみてくださいね♪ あ、私はこれから夕食食べるところなのでこれくらいでアデュー♪』


「おいこらちょっと待て!」


 ……アーニャが空に向かって怒鳴るけど、返事は返ってこなかった。


「……行っちゃったみたいですわね? とにかく先に進んでみましょう」


 アーニャはまだイライラしてたけど、諦めたらしく「行くぞ」って私達を先導し始めた。


 だからアーニャが先頭歩くのはどうかと思うんだけど……まぁここは遠くに見える門みたいなところまでただの草原だから大丈夫かな?


「あの門はなんなんですの? あそこからがダンジョンなんでしょうか?」


「行ってみなきゃわかんないねー。なんかナビ子の言い方だとめんどくさい事になってる気がするよ」


 段々門が近付いてくると、どうやら門を中心にぐるっと大きく壁で囲まれている空間があるみたい。


 そして、門の前には……。


「おい……人が居るぞ」


 確かに門の前に二人ほど男の人が見えた。

 誰かが知らないうちにこのダンジョンに入った……?


「アレは多分NPCにゃ」


「NPCってなんだ?」


 こじこじの言葉にアーニャが不思議そうに返す。


 ノンプレイヤーキャラ。ゲームで言う所の勝手に動くキャラ達の事だよね。


「じゃああの人達はこのダンジョン用に作られた人間なのかもしれないよ」


 アーニャに説明してあげると、「そりゃ面白い事になって来たな。殺しても平気なのか?」と物騒な事を言い出した。


 もう少し後先考えて発言してほしい。




RPGにおいて村人を殺害する方法があり、それを実行したとして、殺された村人の家族達はそれでもプログラム通りに決まった台詞を吐くのでしょうか?

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