ねこみみと腹巻とJK。
『ではまずランダム宝箱四つをお受け取り下さい』
ぴかっと部屋の中が光ったと思ったら目の前に宝箱が四つ現れた。
最初に大虐殺バールが入ってたのと同じ赤い宝箱が一つと、木製のちょっとボロい感じの宝箱三つ。
「……こりゃ三つは外れか? お嬢が最初に手に入れた宝箱は結構レア度高かったのかもしれないな」
「俺の無限リボルバーも赤い奴からでしたよ」
なるほどなー。
じゃあ赤い宝箱からは武器が出てくるのかな?
それか、それなりにいい物が出てくるってだけかもだけど。
「とりあえず木の箱から開けていこう。ちなみに、誰だか知らないがこれ見てるんだろう? わざわざ私達に宝箱与えておいて罠が仕掛けられたりしてないだろうな?」
『あ、私はナビゲーターのナビ・ゲタ子と申します。以後気軽にナビ子と呼んでいただけると幸いです♪ それと勿論罠などはありませんので安心してくださいね☆』
ナビ・ゲタ子って……ネーミングセンス尖ってるなぁ……。
「ナビ子さんはいつでも私達の事見てるの? 声掛けたら返事してくれるのかな?」
『そうですね。その辺の説明もしておきましょうか。基本的に私はこのダンジョン専属ですので貴方達の事は見ています。ただ、ルール上自由なやり取りに関してはこの部屋でしか出来ませんのでご了承下さい。それと答えられる事と無理な事もあります』
「まぁ聞きたい事はいろいろあるがとりあえず今は宝箱だ。お嬢、一個ずつ開けていこう」
「あいよっ♪ じゃあひとつ目っ!」
ぱかっと勢いよく宝箱が開き、ぴろりろりん♪ と例の音がして、軽く光った後中からカチューシャが現れた。
「……カチューシャ? おい何だこれふざけてるのか?」
出て来たカチューシャは白いふわふわの猫耳がついていた。
『おめでとうございます♪ ふわねこカチューシャをゲットしました☆ ……それと、ふざけてなんていませんよ。基本的にダンジョン内で手に入る装備品、及び装飾品は何かしら特別な物になります。特殊な効果が付与されていたり特定の攻撃に対し耐性を持っている物など様々です』
「それを私達はどうやって知る事ができるんだよ。こんなカチューシャ手に入れても普通いいもんだとは思えないだろ」
えー? アーニャが言う事も分らなくはないけど、可愛いしそれだけで十分良い物だと思うんだけどな。
『それについては心配いりません。一通り宝箱を開けたら詳しく説明いたしますので今はちゃちゃっと開けちゃってください♪』
アーニャは納得はしてないようで眉間に皺を寄せながら次の宝箱を開ける。
ぴろりろりん♪
『おめでとうございます! 仁義のデラックス腹巻を手に入れました♪』
アーニャはその腹巻をバっと掴みイル君に投げつけた。
「あんたが持っとけ」
「愛菜が俺にプレゼントを……!」
「私らは腹巻なんかしたくないからあんたに渡しただけって事も分からないのか?」
やだなぁ。イル君だってそれくらい分かってるよ。分かっててアーニャからのプレゼントが嬉しいんじゃんか。






