おあずけをくらうJK。
「おいてめぇそれ本気で言ってるのか!?」
うっわ。ナビ子もダンジョン撤去なんて言ったらアーニャ怒るに決まってるじゃん……。
『さて、私がどこまで本気で言ってるかは秘密です♪ だってこう曖昧にしておいた方が貴方もお嬢さんに聞きにくいでしょう?』
「……クソが」
ちょっと私睨むのはやめてよ。私悪くないって。
むしろみんなが少し鈍いのが悪いんだからね?
……ってアーニャは仕方ないかもしれないけど。
キャロちゃんには気付いてほしいんだけどなぁ。
てかその怒りの目じゃなくてさ、以前の冷たい目にしてくれませんか?
「とにかく、それは理解したからさ、ダンジョンの方はまだなの?」
『こうなってしまっては仕方ありません。こちらも急いで作業を進めますので明日のこのくらいの時間までには大丈夫なようにしておきますよ♪』
「では今日はまだダメなんですのね? こじこじと一緒に冒険できるの楽しみだったんですけれど……」
「ふん。明日になれば先へ進めるようになるって話だからもうちょっと待とうぜ。私達の新しい力に関してはその時に試せばいい」
『あー。攻略したという事はそういう事でしたね。最高レアのアイテムをゲットしたんでしょう? 貴女方のお望みに近い物、というのが報酬ですが、使用には注意が必要とだけ言っておきますね?』
それは知ってるよ。だって解説が基本的に物騒だったもん。
あんなの何も気にせずほいほい使ってたら大変な事になりそうだ。
「いろいろ実験が必要かもしれないな」
『当然の事ながらダンジョンから出たら大体の才能はあまり意味がないですからね?』
それは知ってる。だってダンジョンの入り口近辺にいる時しかアーニャが魔法使えなかったもんね。
いろいろ成長してる今のアーニャならまた違うのかもしれないけど……おそらく他の才能に関しても同じで一定以上離れると意味がないのかもしれない。
『ともあれ、他所のダンジョンですがクリアおめでとうございます♪ そして今後とも是非このダンジョンとわたしナビ・ゲタ子をよろしく~よろしくお願いします♪ 清き一票を~♪』
政治家かっての。
でも知られちゃいけない事があるっていうのはかなり興味をそそる。
だってやっちゃいけないはやられたら困るって事で、要するに何か重要な事が隠れてる可能性があるって事だ。
それはダンジョンをさらに潜っていけばいつか分かる事なのかもしれないし、それだけじゃ分からないのかもしれない。
だけど、願わくば……。
あまり私の好きな人を弄らないでよ。
心の中ではお嬢もいろいろな事を思い悩んでいるのでした。
すぐに忘れちゃうけど。






