ダンジョン的要注意JK。
アーニャがちょっとだけキャロちゃんを睨んだ。仕方ないよ、これはアーニャが言っておかなかったのが悪いって。
多分アーニャはあっちのナビ子が言った事がどこまで本当か、こっちのナビ子で確かめる気だったんだろう。
だから敢えてあっちで何を聞いたのかは言わず、おバカだからベラベラ喋ったぞ、と伝えた。
こっちのナビ子から新しい情報を引き出す為に。
『あー、はいはい。なるほど……これはそこまであの子もお馬鹿では無かったという事ですね』
「その反応していいのか?」
すかさずアーニャが反応した。
それにしてもナビ子と話す時って私達どこを見ていいか分からないから手持無沙汰なんだよね。
アーニャは空を睨んでるけど。
『構いませんよ。どうせ聡明な貴女の事ですから大して信じていないのでしょう?』
「話が早くて助かるな。でもダンジョン攻略者にあんな適当な嘘ついていいと思ってるのか?」
『それは知りません。だって私の担当はここですし、あちらの担当がそう言ったのであれば私が口出す事じゃないですねー』
「話す気はないって事か」
『こちらにも事情がありますし、そう思って下さって構いません。それと……お嬢さん。貴女、何をしたんです?』
そのお嬢さんっていうのやめない?
「私が何かしたって? 全然心当たり無いんだけどどういう事?」
『んー。今湖島邸固有ダンジョンの報告書に目を通しているんですけれどね、確かに貴女方がクリアした旨が記してあります。それと、こうも書いてありますね。百鬼ノ城美麗に気をつけろ……と』
「は? 私に気をつけろ??」
『それ以上は何も書いてないので私にも分かりかねますが、あちらのナビ子はお嬢さんに何か警戒すべき要素を見出していたようですね~♪』
「お嬢が……?」
アーニャはあっちのダンジョンで私が何かしてたかどうかを必死に思い出そうとしてるみたい。
それがきっと何かのヒントになってるんだろう。
そして、私にはなんとなく検討が付いてる。
「もしそれがどうしてなのか分かったらナビ子は教えてくれるの?」
『……おそらく……いえ、まず話しませんね。適当な言葉で濁して会話を終了させるでしょう』
「なるほどね。よく分かったよ」
『それと忠告です。貴女が何かに気付いて疑問を抱えていたとして、それを他の人には言わない事をおススメします。他の方もお嬢さんにしつこく聞かないように』
「そんなに知られちゃ困る事なのかよ」
アーニャは空を睨んだ。
その目つきの悪いアーニャが好きですよ私は。
「分かった。とりあえず言わないようにするよ……今はね。でも他の子達が自分で気付いちゃったらさすがに責任持てないかな」
『それで構いません。万が一の場合には貴女のお宅からダンジョンの撤去も検討しなければいけませんからね』
ナビ子は固有ダンジョン全てに存在していますが、微妙にそれぞれ性格が違います。






