私が聞きたい、が止まらないJK。
さてダンジョンをクリアした訳ですがこれからどうなってしまうのか。
ごめん、私が聞きたい。
「なんだ!? 何故止める!? キャロには悪いが今なら……」
「大丈夫だから! ……ほら、よく見て」
「……?」
「ふにゃぁぁぁん♪ ごろごろ……」
こじこじと思われる白髪の少女は、キャロちゃんに抱き着き、押し倒したような状態で、ただただ身をくねらせて転がっていた。
「……なんだあれは」
ごめん、私が聞きたい。
「ふ、二人とも……これは、いったいどういう事なんですのぉ~?」
ごめん、私が聞きたい。
アーニャと二人でおそるおそる近付いてみると、なんというか……。
こじこじはキャロちゃんに甘えてゴロゴロしてるだけのようだった。
「ふにゃぁぁ……」
「えっと、これはどうしたら……」
ベタベタに甘えてくるこじこじに対してどうしていいか分からず困惑するキャロちゃん。
しかしこの絵面は犯罪的だな。いいぞもっとやれ!
むしろ混ぜてくれ!
「あ、あの……こじこじさん?」
キャロちゃんが優しく問いかけながらその頭を撫でてあげると、「うみゃ……」と小さく声をあげて目を閉じてしまった。
「……ね、寝てしまいましたわ」
「おいおいこれどーすんだよ」
ごめん、私が聞きたい。
……だめだ、私これしか頭に浮かんでこないぞ。
予定外過ぎて頭がおいついてこない。
そもそもなんで白髪? なんで猫? なんでキャロちゃんにめちゃくちゃ懐いた??
「も、もしかしてこれでしょうか……?」
キャロちゃんがおそるおそる自分の頭を指さした。
……あぁ、そういう可能性もあるか。
つまり、この子は魅了されたのだ。
キャロちゃんが装備してるふわねこカチューシャの効果で……。
さらに言えば、同族の猫と勘違いした可能性だってある。
だけど、だからなんで猫なの?
いろいろ気になる事はあるけれど、今はそれよりも……なんか疲れてしまった。
早く帰りたい。
『ぱ、ぱんぱかぱーん……もう、いいですよね? 私出てもいいですよね?』
あぁ、ナビ子かぁ……そっかぁ……まだそれがあったか。
「お、待ってたぞ。早く次連れてけ」
アーニャはこれを待っていたみたい。
じゃあ仕方ないから付き合うか。
『あーよかった。じゃあ転送しまーっす♪』
そんなお気楽な言葉と共に私達は光に包まれ、あっという間に別の空間に移動した。
そこは今までの洞窟めいた場所とは違って白い清潔感のある小部屋。窓の無い病室みたいな雰囲気が広がる。
「あ、あの……私、これどうしたら……」
「ふみゃぁ……」
キャロちゃんが何か言ってるけど、我慢して。私はもう知らん。
『ダンジョンクリアおめでとうございます♪ その子がそれだけ懐いたという事はパーティの一員として皆様がクリアしたという事でよろしいですね?』
よろしいのかそれで?
「よろしいから早く要点を話せ」
おーアーニャさんったらそんなに目を輝かせちゃって……。よっぽどダンジョンクリアって響きが嬉しいらしい。
ともかく、本当にこれでこのダンジョンは全階層クリアらしい。やったね!
……はぁ、なんだろう。あまり嬉しくない。






