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もやもやドMJK。


 学校に到着すると、アーニャはいつもの感じに戻った。

 他の生徒たちに対して近寄らせないオーラをガンガンに出してる。


 おかしい。

 私の知ってるアーニャだ。


「やればできるじゃん」


「……何が?」


 ちょっと待てよ。

 なんで目つきがちょっと柔らかくなったんだ?

 さっきまでと違うじゃんよ。


「どうした? お嬢やっぱり熱でもあるんじゃないか?」


 どうかしてるのはアーニャだろうが!!

 ヤバいちょっとイライラしてきたぞ。


「まぁいいや。今日学校終わったらキャロと三人でダンジョンショップ行くぞ」


「……うん」


 そうだった。今日はキャロちゃんのダークマターを換金しに行くんだった。

 あと備品の買い出し。


「それに最近だんじょん屋の近くにタピオカミルクティの店ができたらしいから行こうぜ。キャロにも奢ってやろうよ」


「お前マジで誰なんだよ……」


「あぁん? いい加減にしろよてめえぶん殴るぞ」


 そう! それだよ……。


「アーニャはそのままでいてね……」


「訳がわからん。まぁあんたが要らないなら私とキャロで飲むからいい。むしろ買い物も二人だけで行ってこようかな」


「私も行くってば!!」


「……そう? まぁお嬢が居なきゃつまらんしな」


 うおぉぉぉぉぉっ!!

 なんだこのもやもや!!

 めっちゃもやもや!!


 アーニャはこんな事言わないんですけどぉ!?


 私のアーニャはこんなのじゃない。

 どうしちゃったんだよ……。


 でも、少し分かって来た事がある。

 アーニャが別人になった訳じゃなさそう。


 どっちかっていうと私やキャロちゃんに対して基本的な対応が少し柔らかくなってる。


 距離が近くなってるって言うのかな……。

 なんか違和感。


 私に優しいアーニャがアーニャとは思えないんだけど……。


 私はこの変化を喜ぶべきなんだろう。

 アーニャが優しくしてくれるんだから嬉しい筈じゃん?


 嬉しい筈なんだけど……。


 この寂しさはなんだろう。


 私ってドMだったのかなぁ……。

 違うと思うけど……。


 え、私ドMなの? 嘘でしょ?


「ねぇアーニャ、私ってSとMどっちだと思う?」


「とうとう頭おかしくなったのか? どっちかは知らんけど変態なのは間違いないだろうな」


「……あっ、私ドMかも」


「……お前本当に大丈夫か……?」


「その本気で心配ですって顔やめて。傷付く」


 ほんとに、結構凹みますので……。


「いや、私の親友がどこか遠くへ行っちゃいそうになったら心配もするだろ……」


 以前のアーニャはその【親友】って言葉を皮肉以外で使う事は無かったんだよ。


ドMと気付いてしまったお嬢の明日はどっちだ。

刑務所の方向じゃないといいですね。

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