22,5話 無銘の悪魔
22,5話 無銘の悪魔
「一つだけ教えてあげよう。私は七十二柱ではないよ?なれなかったからね」
そんなこと今はどうでもいい。
「仕掛けが分からない!」
でも少しだけ感覚は掴んだ。そこだ!
ガィン!
クレスが天に舞い廊下に落ちる。
「大丈夫?」
「鉄の剣は持ってるから平気だよ」
「話の続きだけど可能性はこの領域。でもそうしたら何故変化出来ていたのかが分からないわ」
「それは簡単。領域を制御下においてる」
「自分の魔力でこの部屋を覆ってるってこと?」
「多分」
ミカゲは勉強してるな。僕も調べたけど忘れてたよ。
「でも何でこんなに早く動けてるの?」
「だとしたら可能性はある。随時魔力の波を作ってる。魔力の波を作ることにより少し歪んで見えているんだ。だから瞬間移動してるように見えてしまう。それなら何度も瞬間移動して来ている説明がつく」
だとすると、その魔力さえ感じ取れれば…、いるじゃん。
「ミカゲ、ヘンゼと代わってくれ」
「どういうこと?」
「見えるからだ」
「了解」
でも少し、頭が痛く。
「魔力酔いがおきているのね。もう少し身体強化を上げなさい。それで魔力の過剰摂取は避けられる。私には関係がないけどただの人間に過度な魔力は害なのよ。もう少し下がっておきなさい」
「大丈夫。僕にはクレスが居るからね」
「やっと出来たぜ。こんな感じでいいか?」
クレスとは話さなくなったのではなく魔力をフルに使い五秒ほどの念話をしていた。指示は簡単。風を強く起こす。これで一瞬だけでも魔法を自由に使う時間が欲しかった。すると、相手は驚く。
「まさか知性だけではなく魔法も使えるとは。これは持ち帰りですね」
「やれるもんならやってみてよ」
あの時と同じ技を!
「収縮、ファイヤ!」
レイが使用したのはデスラピアを倒した時の改良版。色々試してみた結果自分で真ん丸な鉄を用意してそれに回転を付けて射出するのが良かった。しかし、今回は奥の手が効く相手ではなかった。
キンッ、
「防がれた!?」
「魔法を射ったのではなく鉄で打つことによる超速弾、ですか。なかなかいい技ですね。私も試しに使ってみましょう」
僕の技を一回みただけで?
ピチュン、
「もう射たれた?」
レイは直ぐに気づかなかった。腹部が撃ち抜かれていることに。
「なん、で。いつの間に…」
反射的にアルテスが回復魔法をかけてくれたお陰で倒れなかったけど痛みは残ってしまった。
「レイが使っていたものよりも速い?」
「でもまだコントロールが出来てない。完璧には再現出来ていないみたいだ」
これは相手に技を教えただけになってしまった。
「でも調節するのはきっと早いだろ。俺を拾え!」
「言われなくとも!」
鉄の剣を使い。相手の攻撃を受け止めながら魔法を使う。
やっぱり少しずれる。計算が狂っちゃうな。
レイは相手の力を利用し後ろに飛ぶ。
それでも結局は僕の技だ。読む!
相手が魔法を使う瞬間を…
「今だクレス!吸え!」
「ん?あぁそう言うことか!」
この剣には魔力を貯めやすい。尚且つそれは変換されていない魔力でなくてはならない。
つまり充満し始めた魔力を吸える。
「吸えるだけは吸うけどそれでも相手はまだ余裕がある筈だ。どうするんだ?」
「目的はあれだ」
「ほう、その目的とは?」
レイはニコッとする。
「教えるわけ無いでしょ?」
何故かそれに対して反応する奴がいた。
「え?」
「何であなたが反応するのよ」
「作戦はなんだか知りませんがそろそろ決めさせていただきます」
その一言を境に充満した魔力が渦巻く。
「この動きは…埃を巻き上げてる?」
「ここは粉っぽい。もしかして本に載ってた力、粉塵爆発!?」
「でもこれは魔法よね。それが本当だとしても…」
「それは魔術じゃ無かったとしたら」
まずい。
「これで終わりです」
あー暑い。




