20話 魔族とデミと人間
20話 魔族とデミと人間
一週間が過ぎ…
吸血鬼の王が来ない。一応一週間に一度位のペースでしかこれないと言ってたのにまだ来ない。何かあったのか、それとも見知らぬ土地に流すのが目的だったのか?いや、それが目的だとは思えない。もしそれが目的なら僕達を守るためだ。その可能性は低いからきっと何かが…
「すまない」
来たのは吸血鬼の王。しかし顔はあの時と違い険しい。
「状況はあとで話す。取り敢えず戻ろう」
「うそ、だよね」
「本当だ。クレスは出血が酷く、眠っている」
レイはテーブルを叩き、抗議する。
「なんだよ!それ!安全な仕事を割り振ったんじゃないの!?助かるんだよね」
「そこは大丈夫です。血に関しては吸血鬼である私たちならなんとかできる。それで?そっちには何か無かったのかな?」
なら大丈夫?まあ頑丈だからそうそう死なないとは思うけど
「そういえば、デスラピアが来てた。こんな辺境にいた理由が分からないけど」
それを聞くなり目を見開いた。
「それは、もしや…、作戦が…、いや…」
独り言を呟き続ける吸血鬼の王。
「話は変わりますけどなんて呼べばいいんですか?」
「…ん?あぁ、私の名前はルツ・セレブレフ・ヴァンピール・ムーラス・コニャータだ」
「ルツ・セレブレフ・ヴァンピールまではわかりますけど、ムーラス・コニャータって何の意味が?」
「あぁ、吸血鬼は子供を産めるが吸血でなれることはしっているのかい?」
「はい。産めることは知りませんでしたけど」
ここで思ったこと。
話が長くなりそう。
「私はここで終わりにさせて頂きます。内容は分かりやすくレイに教えて頂きますので」
無駄に丁寧な言葉遣い。逃げる気満々。というかもう逃げてる。
「それじゃあデミヒューマンってものはどういう事だか知ってるかい?」
「人間の魔物化って聞いてますけど」
なり方もいまいち信憑性にかけるものばかり。
「それは少し違うかな。元々は人間だったっていうのは本当だがそれは一部の事なんだよ。それ以外は元から存在しているのではないか、とね」
「なら人間と位置付けるのは難しいのでは?」
「それが間違いなんだよ。人間にだって東洋の髪の色と西洋の髪の色は違うでしょ?それと同じようなものだと思っている」
つまりは環境に合った成長の違い?でも、
「思っていると言うことはここら辺は推測でしかないんですよね」
「しょうがないではないか。結局その時に暮らしていたわけではないんだからね」
まあ、確かに。
「一つだけ質問いいですか?」
情報が欲しい。
「どうぞ?」
「吸血鬼って日の下でも動けていますよね。文献では日を浴びると死ぬって読みました。どういう事ですか?」
「まぁ、その文献は間違ってはいないけど間違って伝わっちゃったのか。死ぬって言うのは比喩みたいなもんなんだよ。具体的に言うと著しく能力が低下するっていうのが正解。つまりは人が重症な風邪にやられたときなんかに似ているのかな?」
「弱点ではあるんですか」
「その通りだね。でも殆ど心配は要らない。動こうと思えば簡単ではないが動くことができる。直射日光に対して魔法で耐性をつければいいだけだからね」
「でも結局その想像が出来ないから失敗していると」
「私は原初の吸血鬼ではない。元々人間だからね。その想像が楽なのさ」
あー、そういうことなのね。
「急に話が戻って悪いけど重傷だと霊魂が傷付いてしまうことがあるためにこれに移しておいたからこの剣を使うといい」
「この剣に、ですか?」
見た目からしてあまり強くなさそう。
「強くなさそうって思っているだろ?でもそれが意外と使えるかもだぜ?」
「うぉっと、落とすところだった。で?何処がそうでもないの?」
喋れるんかい。
「この剣の芯は木なんだ」
「余計悪いじゃん!」
「そんな事はない。何故なら木は…」
そこで割り込んでくる。
「とても凄い木で俺らの知らない…、何とか大陸に生えている魔力樹らしいんだよ。その真価は魔力を貯蔵出来ることにある」
「魔力を貯蔵?」
「そうそう。まああっちの大陸には普通にあるみたいだけど」
「わざわざ剣である必要は?」
「ない」
きっぱり言いました。
「でも木だけだと燃えちゃうじゃん?だからそこに鉄でコーティング?したんだと」
「そんな技術まで持ってるのか。凄いね、その大陸って。でも脆くない?」
「それは強化魔法でどうにかしてくれってさ。まあそれは俺が基本的にやるから安心しろよ」
「クレスがそんな事を言っても、信用がね…」
「うるさいな!こういう姿になって魔法ってもんがよく分かったんだよ」
「今まではよく分からなかったんだ」
「え、あ、うん。まあそうだな。ってルツさんはどこ行ったんだ?」
見えてるんだ。
それに対して言葉を放ったのはレイではなかった。
「ルツ?それならあっちにいった」
ミカゲ?なんかテンション低い。
「どうしたの?なんか変なものでも食った?」
「…何でもない」
ミカゲは暗い表情のまま走っていった。
「いや、ミカゲはな、責任を感じてるんだよ。俺はいいっていいって言ってるんだけどこればっかしは自分の事になっちゃうからな。まあミカゲも馬鹿じゃない、きっと立ち直るさ」
「まあその責任の元をたどればクレスなんだけどね」
「それは、まあ、あれだよ。俺がポカをやっちゃったんだ」
話を聞き、もう呆れるしかなかった。
「いや、それはポカじゃないでしょ。何で最近悪い魔族の噂の話を村長に振るかな?」
「なんとなく行けると思ったんだけどな。意外と難しいな、情報集めって。しかも情報よりも敵多かったし」
「今回の場合は味方と敵の区別が難しいからしょうがないって言えばしょうがないのかもだけど大人しくミカゲに情報集めを任せようよ。敵が多かったのは僕たちの方もだよ。それはともかくもうちょっと慎重にやってね」
「次からはそうするさ」
でもタイミングよく強めの奴等が来ていることが気になるな。いくらなんでも当てずっぽうで当たってしまうほど数が少なくはないはず。だとすると何が…。
なんかハーレムみたいだな~と思う人もいるかも知れませんがちょっとお待ち下さい。
書いていて思った。展開早すぎない?




