19話 賭けの作戦
今回も短いです。
いつもいつも短くてすいません
19話 賭けの作戦
戦況は硬直していた。
攻めていたのに攻めきれなかった。
そのせいで完全に油断が消えた。相手はまともに喋ることもなく視線で刺す。
「重要な場面で決めきれなかった私の責任ね」
もう相手に取り巻きは居ないがそれでも勝てる気がしなかった。
「反省は後、魔力はまだ余裕ある?」
「余裕ね。魔力が尽きたことがなかったから分からなかったけどいざここまで余裕があると自分が怖いくらい」
僕の何倍あるんだろう?
「魔力をもらってもいい?」
熱い、けど…
レイは胸を叩き、押さえる。
ふぅ、何とかなったかな。
「左腕大丈夫?何か変なものを感じる気がするけど」
「大丈夫、気のせいだよ。それよりも今、相手が無策に来るとは思えない。だからこれを使う」
取り出したのは一枚の紙。でもただの紙じゃない。吸血鬼が直々に作った魔術、魔震。この中では魔力調整がうまくいかなくなるもの。
「確かに嘘をついている可能性もあるけどもうこれにかけるしかない二人で突撃後アイラルがこれを使って。そうすれば一瞬だけでも身体強化が切れるはず。きっとすぐに持ち直すだろうけどそれまでに決める」
「でもどうやって決めるの?」
「初撃を全力で弾いてその弾きを利用しながらさっきの技を使い全力で下がる。その瞬間に使ってそうすればあれが使える」
「ぶっつけ本番だけど頑張ろう」
「はぁ!」
レイは走り出して相手から来る斬撃を弾く。
ガィィィィン!
そのまま全力で後ろに飛ぶ。
今だ!
「お願い、発動して!」
その一枚の紙は魔力を乱す。魔力を揺さぶられることはないと思っていたから隙ができた。
「なにっ!」
「推進力に魔力を使った力作、マジックバレット!」
鉄の塊を全力で弾く。そしてその鉄の塊は頭に飛んでいき見事に撃ち抜く。
「なんて、速さ…だ」
バタッ、
危なかったあれにも改良はたくさん必要だ。相手が動いた方向に飛んでいったからよかったものの下手すればアイラルを撃ち抜いていた。
「すごい魔法ね。誰から教わったの?」
「一応自分で発見した魔法」
といってから気付く。説明してわからなかったらどうしよう。実際、自分でも100%は分かっていない。
通常弾いたとき、魔法とはいえ弾いて飛ばす場合には衝撃が来る。衝撃は一方向から来るわけではない。それを調節して魔力で筒を作りこっち側には少しだけ穴が開いた蓋をしていることによる衝撃一点化。これが自作魔法マジックバレット。
っていう説明をしたら何とか理解してくれた。
「でも全力で撃ったからげん…かい」
ん?ここは…。
「あ、起きた。二回目にしてもうなれたよ」
「え?あ、そういえば戦って倒れたのか」
「それで?体の調子はどう?魔力を吸収したことによる後遺症はない?」
「いや、特には変なところは無いかな」
足がものすごく痛いけど。
「転移はまだ出来ないしどうやって過ごそう」
「そうね。私は取り敢えず尽くして欲しいかな?」
「それは無理そうだね。他にないの?」
「尽くしてくれそ…」
「無理」
何故か楽がしたい姫様は尽くしてくれそうな人を探している。
「今日は狩りに来たわけですけど?」
アイラルは姫どころか女の子とは思えない。デカイ切り株の上で大股を開いて転がっている。
「いいじゃ~ん。私だって頑張ったんだよ?」
「足引っ張ってごめんっていうのはどうしたのさ?」
そんな感じの事をいっていた人とは思えない。
案の定凄い顔をひきつらせたがそれでも諦めない。
「足手まといでごめんだし~」
「…アイラルってさ、めんどくさいね」
「え?何処がよ。私を見たら尽くしたくなっちゃうのが男なのよ?なのに回りの人と来たら奢ってくれない。こき使われる。挙げ句の果てには魔族退治ぃ~?めんどくさいのよ。何で私が~」
「あーハイハイ。もうわかったから。今日だけ休んでていいよ。明日からは働かないと飯抜きね」
「わかったよ~」
僕は今のままでいいのか。本来、魔族でも結局は人だ。何故デミヒューマン、魔族、人間。そんな境目があるのか。人は人じゃないのか?アイラルは悟られないようにしているのかも知れないが結局人殺しに加担したようなもの。なにも感じない訳がない。人を斬った僕は今日を生きていることに喜んでいる。斬ったのにも関わらず落ち着いている。僕は…。
…
…
…
「壊れてるのかもしれない」
「どうしたの?」
「いや、何でもない。それじゃあそこで待ってて」
僕は僕が分からないよ。
これにて一章?の話を終わりにします。
今度からは自分思ったように動いていきます。
ここまで見てくださった人、ボロクソなご感想をよろしくお願い致します。




