17話 経験不足
今回は話の関係で少しだけ短いですが一話にさせていただきました。
17話 経験不足
一番嫌なことは相手から一方的に知られてしまうことだが心配は杞憂だったみたい。
名前はアーク。ちょくちょく過激な事を言う。しかしなぜか村の人達は寛容なようだ。これは村の人達は逆らえないのか?それとも洗脳を受けているか。
「取り敢えず捜しにいこうか」
「ばれないようにね」
アイラルは行かない気満々のようだ。
「何を言ってるの?行くんだよ?」
「へ?」
「何で私まで…」
「そんな事は決まってるでしょ?顔を見ておかないとね。その時に見られはするだろうけど後は流れさえ作れればどうにかなる」
実際体験をしたことが無い領域に入ってしまってよく分からない。いい経験になれるよう頑張んないと。
「む、まあいいわ。でも基本はあまり先頭に出ないわよ?」
「それでいいよ。話すのは僕の仕事だしね」
ここがアークとか言う奴のよく来る場所なの?これ、公園じゃない?
「言ってたのってあの人よね」
「うん。間違ってなければいいけど」
「魔力検査をすればわかるでしょ?外れだったらそれはそれだってね」
「意外と前向きなんだね」
ただの怠惰な奴かと思ってたけどこうやって一緒に行動していくと一生懸命な所が見える。きっと面倒なのもあるけどそれ以上に優しさもあるのかな。
「私だってこんなに前向きに動けるなんて思ってなかったわよ」
「ここで座って相手を待とうか」
「そうね」
「来た」
「あれがアーク?見た感じあまり強くなさそう」
「だね、でも無策な突撃は避けたい。あいつの強さは未知数。あの吸血鬼なら知っているんでしょうけど今後の為にあえて教えなかったはず」
それに対して伸びをしながらめんどくさそうな顔をする。
「何事も経験って奴?結果よければって言葉もあるんだから別にいいよ~」
「そこはサボりたいのね」
すると胸をはって答える。
「当然じゃない?」
「当然じゃないけど」
あはは…、はぁ。
夜になり今日もテントを用意する。
「見た感じ回りに魔族もいない。たまにあいつは夜に何処かに行くらしいからそれを狙おう」
「わかった。じゃあ明日から宿にした方がよさそうね。そっちのほうが目を付けられにくいし」
毎日の監視が始まった。
「とはいっても今日は無理そうだ、間が悪いと思う。確実に見られたから少なくても警戒はされているはず」
サッ、サッ、
「誰か、きた?」
「見てくる。合図が出るまでテントから出ず音もたてないでね」
何がいるか分からない。
そう言い残してレイはテントをゆっくり出る。
「こんにちは」
テントの上だと!?
反射的に腰にかけてある鞘を後ろに回し防ぐ。
「流石に危なかった」
「そうか。それならこれはどうだい?」
キャッツアイ!
じっくり見るとテントの後ろの方から魔族が来ている?こうなったら何とかあのテントの上にいる魔族を下ろしその瞬間に出てもらおう。
レイは走り出す。
「これは滑稽だ。まさか力量の差をわきまえずに突撃してくるとは」
「はぁ!!」
レイは上に跳びジャンプ斬りをする。
「初激を防いだ奴とは思えない無策さだ」
相手は剣を上に振る。
グラビティ!
グラビティは一定の空間の重力を上げる魔法。レイはまだ二度しか使うことが出来ず、自身と持っている物を重くすることが出来ない。余剰魔力が大量に出てしまいやすい使うのは簡単だが使いこなすのが難しい魔法。
グラビティを使い自分の重力を一瞬だけ上げて剣を振り戻す。そしてそのまま流れるように突きの姿勢に変える。
「はぁ!」
「ぬっ!」
避けるために魔族は後ろに飛ぶ。
その瞬間にアイラルが外にでる。
そのまま剣先に魔力を集中。
レイは魔力の球を作る。
ファイヤ!
相手の勢いが上がる。
「グフッ、」
魔力の球はあくまでも吹き飛ばすくらいの力しかない。
「今だ!」
「オッケー!」
アイラルは横で発動準備をしていた紅蓮灼火の魔術を放つ。
紅蓮灼火はいわばファイヤーボールと言う魔法の規模が大きい版になる。
体勢を崩している上に死角からの攻撃にそのまま食らう。
ブスブスッ、
「くそッ、こんな強い奴なんて聞いてないぞ!」
もろに受けたのにまともに傷がない。
「…ぜんぜん効いてないじゃない」
「でもこれで少しは魔力が削れたはず」
魔族の後ろから大男が現れる。
「それは俺も想定外だったぜ。まさかここまでだったとはな」
「二人、目?」
「しかもあの人は…」
現れたのは酒場の大男だった。しかしその形はどんどん変わっていく。
「デス、ラピア?」
「知ってるの?」
「あれは全にして個。デスラピアは視界に収めたもの全てをデスラピアに情報として共有できる奴だ」
何でこんなところに…
「どうする?これじゃあ二対ボス二に加えて取り巻きがいる。逃げるにも色々手を打たないと逃げられないんじゃない?」
よくない流れだ。このままじゃ圧される。でも逃げることも叶わない。




