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宿命の隣  作者: スプレー妖怪
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9話 チャンス

今回はタイムリープ後なので殆ど同じ話ですが最後のほうに少し違う話が入ります。

9話 チャンス


「…お前らで行こう」


その言葉に手を上げて質問をするミカゲ。


「なんでいつも同じ?」

「それはな。お前らの通常の戦闘技術はあっても協力が足りてないと思うからだ」

「なぬぅ~、確かにその通りだけど。なんか納得がいかない」


その後、クレスに少しだけ相談をされた。






「そこだ!」


今までは考えてこなかったから気にならなかったけど確かに協力が足りてないみたい。折角剣を弾いたのにその瞬間にミカゲが突撃することが出来ない。それはクレスの技術もあるけど場の空気を完全にクレスに奪われてしまっていることにある。


「ミカゲ!そこで行って!」

「無理、胸、邪魔。立ち位置悪すぎ」


うわー、完全に怒ってる。でも別に普通くらい?だと思うんだけど。


「私はでか乳じゃないし!ペチャ…。いやとにかく!それに二人相手にしてるのに位置取りを正確に行える訳がないじゃん!」


ガギッ、


「本当に防ぐのうまいね。性格的にはガンガンいこう的な感じなのに」

「そうだろ?俺もそこだけは不思議なんだよな」


でも、ぎりぎりでなんだよね。何か仕掛けでもあるのか?






「お前ら、全然ダメじゃんか」

「そんなこと言われてもミカゲが!」

「何を、タイミングが合わせられないのはヘンゼのせい」


そう言うとミカゲはヘンゼの後ろに回り頬を引っ張る。


「いあいいあい!」


ヘンゼは瞬時に振りほどきすぐにやり返すがやがて取っ組み合いに。


「なんで普段は仲がいいのにこの話になると急にケンカが始まるんだ?」

「そこで僕に振らないでよ。僕だって考えてるんだから」



「しょうがない。今からもう一度やるけど今度は条件をつけよう、負けたときだけだけど。お前らは負けたらスイーツ一日抜き」

「「え?」」


顔が急に青ざめる。


「横暴」

「そうだよ!」


そこで更に悪役顔で攻め立てる。


「横暴?財布を握っているのは俺、つまり管理のために仕方なく…」

「嘘!なんで、そんなの酷い!それにそんなに高いのは買ってないじゃん!」

「私の癒しが取り上げられるなんて」


ヘンゼは文句を言い、ミカゲは膝から崩れ落ちる。


「それじゃあやるぞ!」

「その前にちょっと作戦をたてる時間を…」

「しょうがないな~。十分な」






「タイミングがわからない。カバーするタイミング。退くタイミング。順位は私の方が上なのに戦うとレイの方が強い。その理由がわからない」

「そんなの私にわかるわけないでしょ?大体知能は私に期待しないでよ」

「作戦を組みようがない」


ミカゲは頭を抱えながら必死に考える。

考え始め五分。


「じゃあこれで」

「デザート抜きだけは阻止しないとね」


ミカゲが考えたのはクレスを攻め立てる事。レイはミカゲにとって未知数。戦えば戦うほど負ける可能性が高まる気がする。そう思ったのだ。




「やぁ!」

「甘いな!」


ガンッ!


突進しながらの突き。


「今だよ!」


「わかってる!」


ミカゲは後ろに回り込むように走る。ここで重要なのはレイがいるほうにいくこと。そうする事で自分に来るかもと一瞬でも思わせることが出来るためクレスを攻め立てる時間を稼げる。


「そこ!」


「詰めが甘いな」


クレスは吹き飛ばされた剣をそのまま後ろに回していた。そしてきれいにミカゲに会わせていたのだ。


「まあ、及第点かな」

「つまり、こう来るのは知ってた?」

「うん。それは簡単に予測できた、だから逆にその穴を開けておいたんだ。そうすれば確実に誘いに乗ってくれると思ったから。でも予想以上のキレだったからカバーに入ろうかと思ったよ」

「だから平気だって言ったろ?ほとんどなにもしなくていいって」

「私達の完敗。これでデザート抜き!やだ!!!」


ヘンゼは予想以上にショックだったようで錯乱していた。


「なにいってんだよ。合格だろ?デザートはありなままでいいさ」

「それじゃあ取り敢えずこのままスタートするぞ?」


レイはミカゲに突撃技を仕掛ける。それに対してギリギリでしゃがみ腹に刃を突き立てるがその瞬間にジャンプをしてスレスレで回避をする。


「む、今のを避ける」


「危なかったよ。流石に駄目かと思った」


だんだんこっちの動きに対応されてる?まさかね。分析を逆手にとられてるってことは無いだろうから。だとすると進化でもしようとしてる?


「だんだん合ってきたな。見えないところからの突き、いいセンス」

「いつまでも上から目線でいられちゃ困るからね!」

「そう。もっと高みを目指すために」


二人の意志がよく伝わってくる。でも、


「僕だってまだまだ頑張らなくちゃ!」


全力の一振りに小太刀で正面から受け止める。


「ナイスだレイ!」


クレスは上に大きく振りかぶるがそれを槍で弾こうとする。しかし弾けない。そもそも剣がないから。


「せいやぁ!」


クレスはミカゲに飛び膝蹴りをかます。そこにもう一度クレスに突きをしようとするが突く直前にその槍に向かって打ち込む。


「ちょっとレイ!いいところだったのに!」

「僕を忘れるなんて酷い、そっちが悪いよ」


でも僕一人じゃ簡単には抜けない。手加減はしているもはいえクレスが簡単に抜けないんだ、何か手を加えないと…。







次の相手の攻撃を流す!


「せいッ!」


今だ!

ヘンゼは肩に向かって突きを放つ。それに対して剣の柄を槍を撫でるように当てる。


「嘘!」


これで!


シュッ


ミカゲがナイフを投げていた。ギリギリで避けたが反射的なのでのけぞりで避けてしまう。結果ヘンゼは体制を立て直す。


「サンキューミカゲ!」

「やられたらこっちが困る」


まずい。これで手が減った。防御よりにしてミカゲとの連携をとりやすい位置に移動しようとしてくる。ヘンゼにはああいったけど見ていなかったのは僕も同じか。


「頭が硬い。もっと柔らかく」


この突きを避ける。ソコッ!


「待ってたよ!」


左にステップをしながら回転で勢いを付けて振る。しかしそれを受け止めて弾く。


「今!」

「了解!」


ヤバイ。まさかそこまで流れを作られてたなんて…ってあれ?いない?


「はぁ!!」

「嘘かよ!」

「騙される方が悪い!」


後ろを警戒するのに集中していて反応が遅れる。


「くそっ!」


体をひねりどうにか突きを避けるが、地面に転ぶ。


「いくよ!」

「攻める!」

「なにやってんだよ!ここからだろ!?」


くっ、ここからの逆転。挟まれた状態。


「俺はミカゲを止めるので精一杯だ!手が回せそうにない」

「はぁ!!」


連続の突き技の対処法は一つ、初撃を跳びながら剣で受ける。そうすると相手は近づきながらになるので少し精度が落ちる。


「その対処はダメだ!」


え?


これじゃあうまくいかない?


ゴスッ、


「くっ、まさかそのタイミングを狙っていたなんて思わなかった」

「お前はもう少し直感を知ろうぜ?考えているだけじゃ身体は動かないからな」

「本当に頭でっかちな部分があるよね。レイって」

「そこしか弱点が見えていないのも事実。つまりそれをある程度克服される前に私達は強くならないと戦いで負けるだけになる」


でも本当に強い。アドリブであそこまでいくなんて…。これが理解できないのが頭の壁なのかな…ってそんなことはどうでもいい。


「そこだ!」


キャイン!


「何!?」


情報を何も持っていないミカゲは射たれた方向をみる。


「情報では一発だった。だが一発だけとは思えない。気を付けろよ」

「わかってる。でも流石に今回はないはずだよ。僕たちを警戒しているからこその特殊弾だと思う。でもどんな武器で射ってきたんだろう」

「これは、魔法の残り香?レイ、魔法であんな感じに飛ばす方法ってある?」


ヘンゼが見つけたのは残り香だった。僕にはわからないけど魔力の変質後を感じる?


「どういう事だ?」

「見えないの?」

「もしかして、クレスがいってた獲得者?ってやつ?」

「恐らくな。でも記憶は戻らないみたいだ」

「取り敢えずは成功みたいだし大丈夫だよ」

「何の話?」

「ミカゲとヘンゼには話してなかったから。不自然な動きをされると困っちゃうからね」


下手に情報を流すと誰かに聞かれている可能性も出てくるし。


「私、信用ゼロ?」

「そんなことはないって、今回はヘンゼにばれたら終わりな任務だったんだ」

「どうして?」


ミカゲはいまいちよく分かっていないようだ。


「それはヘンゼが命を狙われているのにヘンゼ自身がソワソワしない筈がない。そうするときっと違和感を感じ取られてしまうんだ。そうすると予定外な事が起こるかもしれない」

「つまり想定外を無くすため?」

「そう言うことになるな」

「つまり私はお姫様?」

「ん?ま、まあそんな感じだな」


ちょっと考えてたね。

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