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宿命の隣  作者: スプレー妖怪
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8話 一度きりの過去への扉

8話 一度きりの過去への扉


「これは私には無理だ。誰に言っても同じ言葉が返って来るだろう」

「どういう事だよ!何とかならないのか!?」

「…す、すまない。矢が刺さっていたそのものは死ぬ原因じゃないんだ。心を破壊されている。この破壊のされ方は恐らく儀式級魔法、ソウルブレイクだろう。しかしこの魔法はとてもばれやすい魔法なんだ。本来そんなものが発動できるやつも存在していないはずだ」

「でも確かにソウルブレイクなんだろ?どうしてなんだ。信頼できる先生はお前しかいないんだよ!どうにか…どうにかしてくれよ!」


クレスは怒りを込めた言葉ですがる。


「もう諦めよう。そんなことをしてたって喜ばない」

「お前は冷たいやつだな!なんでだよ!なんでヘンゼなんだよ!」


醜い。だけどクレスはこういう時それをするしか方法がない。


「僕だって助けられるなら助けたいさ!でも無理だ。文献で見たことがあるけどそんなもの治しようがないんだ!」


レイも冷たいと言われて火が着く。しかしそれを冷たい怒りの言葉一つで制す。


「やめて」


ミカゲはあれからまともに喋ってはいない。何故こんなことになったか、全くわからないからだ。何故こんなことが起きたのか…現実の理解を拒んでいる。


「ヘンゼはどうする?私の方で一応当たってみるが」

「頼みます」


その一言だけを言い残し医療室から出ようとする。


「まて…。お前、何をする気だ?」

「復讐だ」

「それをしてなんになる」

「は?なんになる?しるか、そんなもん!」

「クレス、友達として一言だけ言わせてもらう。本来言うつもりは無かったが。治せ?ふざけるな。お前が守れなかったんだろ?復讐?お前が守れなかったのに?当事者としてそこにたっていて。それに関しては僕も同じだよ。でもね、クレス。今の状態じゃ復讐なんて出来ない。なすすべもなくヘンゼはやられたんだよ?僕たちもその場にいたのに!そんな差がある中でどうやって復讐するんだ!死んで終わりだ!ヘンゼだってそんなことは望まない!だから…、死にに行くようなことはしないでくれ」

「お前に俺の何がわかる!ヘンゼの何がわかる!」

「わかるさ!つらい!苦しい!その中でもがくのが今の僕たちがすることだろ!?死ににいくのはおかしいじゃないか!」

「ならお前なら復讐を出来るって言うのかよ!」

「僕には出来ない。だからもっと強くなる!それで僕も復讐の手伝いをする!」

「それじゃあ遅いじゃねーか!きっと復讐してもらえることを願ってるだろ!ヘンゼだって!」

「君だってわかってないだろ!?いい加減にしろよ?ヘンゼだってそう思ってる?なら僕を殺せよ。邪魔をするやつ全員殺してでも復讐に行けよ!」

「くそっ!決闘だ。それで俺が勝ったら二度と邪魔するな」

「わかった」


それを承諾した瞬間にミカゲが止めにはいる


「勝てっこないって!」

「大丈夫。今のクレスになら負ける気がしない。目の前が見えてないクレスになら」






「はぁ、クレス!君を止める!」

「どうでもいい。さっさと始めようぜ?」

「…始め!」

「はぁ!!」


クレスは先手必勝と言わんばかりのソニックスラッシュを放つ。


「クレスの剣はそんなんじゃない!見失うな!」


ガギンッ!


「どうしてお前が邪魔するんだよ!好きだったんだろ?ヘンゼの事!だったらお前は俺よりも復讐の決断を早くすべきだった!」


ガギンッ!


「確かに好きだったさ!でも、クレスはなんで焦ってるんだ!」


ガキンッ!


「焦ってる?俺はいつも通りだよ!直情的に動く獣のようなもんだ!」


ガキンッ!


「違う。クレスは優しいやつだ!感情は出てもそんな行動はしない!」


ガギィン!


「俺はそんなにいいやつじゃないんだよ!」


ガギンッ!


「クレスは人を叱りはするけど責めたりはしない!責めるのは自分だ!」


「勝手な事を!」


ガンッ!ガガンッ!


「それならどうして僕たちを責めないんだ!全て自分のせいだといっているんじゃないのか!?」

「…そうだよ!全て俺のせいなんだ!」

「そんなわけが!」

「俺は欠落していた記憶が戻ったんだ!未来の記憶だ!」


未来?


「俺はこの結末を知っていたんだ!」

「何を言って?」

「俺は、この結末を変えるために全てを捨てて来た」

「どういう事?」

「そのままの意味さ、俺はもう二十回も回っている。それなのに解決出来なかった。記憶が戻ったのはいつもこの瞬間だ」

「それを僕には話した?」


「話してない。信用できない話だからな」

「それならチャンスはあるかも」

「は?どういう事だ?」

「僕はこの作戦を提案するよ」

「提案?」


僕の予測が正しければ、


「その傷、周回の中で出来たものなんじゃないかな?」

「そうだな」

「そしてクレスは不思議な事に無駄な追及をしたがる」

「確かに気になることに走っていく傾向があるな。あくまでも俺主点だが」

「大丈夫。僕もそう思っているから。つまりはその体にヒントを隠すんだ」

「どういう事だ?」

「この周回の中で作った傷は残る。何かをした跡は残る。つまり石筆で肌に書けばいい。クレスはつらい思いをするかもしれないけどこれをするしか方法がない」

「それですむなら。どうすればいい?」

「肌に僕個人が暗号として使っているものを使って肌に文字をつける」

「俺の肌に文字を書くのか。でもこの石は後一度しか使えない。勝算はあるのか?」

「ある!とは言えないかな。でも違いは生まれるはず。きっとその記憶を思い出すキーがヘンゼが死んだことだ。確実にクレスの脳は反応する」

「それで、いくのか?」

「それしかない」

「ごめん。もっと早く相談していれば…」

「そんなことはいいよ。どうせ自分で背負い込むのがクレスなんだから」

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