第79話 稼ぎ時、来る
「そうだ、それでいい……隠し立てなどしても、貴様らのためにならんからな」
「たかだかスラム上がりが、少し事業をうまくいったからと言って富を手にするなどということが間違っているのだ……ふん、最初から、自発的にこうすればよかったものを」
僕らの目の前にいるのは、貴族……ではないけど、その末端に割と近い権力を持つ、商人の一団である。護衛も一緒だけど……傭兵だろうか? 何か粗暴っぽい雰囲気だ。
この商人たちは、かなり成功している部類に入る者達であり……同時に、あんまり大きな声では言えないような、グレーゾーンの商売をやっている者達でもある。
しかし、それなりに稼いでいて立場もそこそこあるだけあり、普段であれば、こんなスラムに近づくようなことはしない。見下す対象だし、商売の場として見てないし。
そんな連中が、なぜここ――スラムの一角に設けている僕らの拠点の1つ――にきているのか……というか、この状況は何なのかと言えば、簡単に言うと、金の匂いを嗅ぎつけてきたわけだ。
スラムではちょっと不自然なくらいの品質のものが売り出され、それらを扱う店が徐々に増えてきている。それを、単に復興が進んだだけとは見ずに、いい仕入先か何かを見つけた奴がいる、と勘繰った連中が、かなり強引にスラムをがさ入れしようとしていたわけだ。
買収したのか、正規軍の軍人まで何人か引き連れて、逆らえばどうなるかわからんぞ、みたいな感じで。脅しじゃなく、ホントに暴行でも略奪でも何でもやりそうだったな。あいつら、スラムの住人を人間として見てないから。
仕方がないというか、皆の命には代えられない。
僕らも観念し、彼らをアジトに招き入れて、これまで蓄えてきたものを泣く泣く引き渡す………………わけがない。
ニヤニヤと笑いながら、アジトだって嘘ついて誘い込んだ家の奥の方に消えていく彼ら。
閉じる扉。
――悲鳴。
はい、始末完了。
外で待機してる連中も、残さず始末。
後ろ暗い連中だから、まあ、こんな方法でもOKなわけだ。
スラムなんて危険(という一般共通認識)なところに入っていって、戻ってきませんでした。どう思われるか……まあ、自業自得である。
さすがに何度も何度も繰り返せば、ちょっと強めに突かれたりするかもしれないけど……それまでには何とか、計画も次の段階に行くだろう。
……しかし、だ。
こういう連中が出てきたってことは、いよいよ僕らも、一端を超えて、存在を隠し切れないレベルの力を、組織として持ち始めてる……っていう認識でいいのかもしれないな。
隠し切れなかった上澄みだけをみて、しかし金の気配と読んで群がってきた連中。
しかし実際には……僕らは、そういう連中が予想している数千倍の規模の裏取引その他を、現在進行形で進めている。こんな、スラムの中の……現地民との交流用、兼、見つかるの前提の囮拠点で満足してる時点で、その脅威度もたかが知れる、ってもんだ。
ま、それは内輪のことだからともかくとして……だ。
今日ちょっとこの後……タイムリーながら、『今後の方針』について、幹部全員が頭揃えての会議があるんだよね。
下準備は、もう十分。そろそろ……動き出すってことかね。
そのあたりの見極めは、ボスことビーチェと、その側近であるレガートともう1人に任せてあるから、僕はわからんけど……なんとなく、もうそろそろだ、って感じはするんだよね。
根拠? ないよ……勘だけ。
☆☆☆
「おじゃまー……あら、もしかして僕一番遅かった?」
「いや、時間には間に合ってるから気にしなくていいわよ……仕事だったんでしょ? お疲れさん」
「ん、でもまあ……そんなに面倒でもなかったよ。接客は担当の『男衆』に任せてたし、あとはいつも通り処理しただけだから。しかし、最近ちょいちょい増えて来たなー……」
「そのへんについても議題にする予定だから、座って。時間前だけど、そろったし始めよう」
場所は……リートアス郊外の山林の中に設けられた、秘密基地的なアジト。その会議室。
万が一を考えて待機していた『邪魔者処理』から戻ると……どうやら僕が一番最後だったらしい。
他の『幹部』メンバーは、もうすでに全員集まっていた。
僕と同じ『最高幹部』の、フォルテとリィラ。
それに一歩劣る、普通の『幹部』格……『男衆』統括のバート、生産部門統括のナーディア、非戦闘員統括のシスター・ライラ。その他、各部門の代表や副代表といった面々。
そのほとんどは、僕らが『本気』になる以前からの付き合いの面々だ。
信頼度や身内びいきもなくはないけど……彼らは、僕らとの付き合いが長くて深い分、『黙示録』の恩恵もあってかなりレベルが上なのだ。当然、強い。他のメンバーよりも。
で、そんな幹部・最高幹部の元締めである『ボス』ことビーチェが一番奥、上座に座っていて……その隣には、腹違いどころか種族違いだが、正真正銘の実の妹にして、『ボスの右腕』のレーネが座っている。
そしてそのさらに両脇には……ボスの側近兼参謀、という立ち位置にいる2人が。
1人は、レガートである。頭いいし、色々博識だし、ぴったりだと思う。
そしてもう1人は……つい最近加入した新入りであり、しかし一部のメンバーにとっては、ずっと前からの付き合いがあるベテラン、という、特殊な立ち位置のメンバーだ。
「お疲れ様です、シャープ君。お仕事の後みたいですし、会議の前にお菓子でもいかがですか? フルフォンフ産のいいのが入ったんです」
「あ、じゃあもらおうかな。ありがと、フェル」
そう僕が答えると……位置取り的に、僕の斜め前に座っている彼女……フェルこと、フェルミアーテ・ミュートは、にっこりと笑って、マカロンに似たお菓子をいくつか取って、取り皿に乗せて渡してくれた。
お礼を言って受け取ると、またにっこりと微笑み返してくれる。
長い茶髪を頭の後ろで束ねてポニーテールにしている。瞳はおなじく茶色。背は高く、180近くある。レガートよりも上だ……その体は、頭以外の全体が騎士鎧で包まれている。
この人がどういう人かというと……その前に、この名前自体に見覚えがある人もいると思う。
そう、『『栄都の残骸』の最下層の『隠し部屋』にあった鎧の持ち主……つまり、お家騒動のごたごたの中で死んだはずの、レガートのかつての同僚であり、ビーチェにとっての家臣だ。
それがなぜ生きているのかというと……こういうことである。
★名 前:フェルミアーテ・ミュート
種 族:虚騎士鎧
レベル:47
攻撃力:443 防御力:476
敏捷性:348 魔法力:151
能 力:通常能力『重装騎士適正』
希少能力『守護の盾』
希少能力『統率』
希少能力『暗黒魔法適正』
固有能力『偽装体』
特殊能力『杯』
かつては人間だったフェルだが……今はこの通り、人間ではない。魔物である。
その名も……『虚騎士鎧』。
僕やフォルテ、リィラと同じく、魔法生物系の魔物であり……中身なしでひとりでに動く鎧『リビングアーマー』の系統である。
その本体は……今、彼女が身に着けている騎士鎧である。
頭の部分は、一見すると生身の肉体に見えるんだけど……スキルで作っている偽物だ。飲食とかはできるけど、所詮は魔力で構成されている張りぼてのため、傷ついても即座に復元できる。
コレがさらにどういうことかというと……一言で言えば、リィラと同じことが起こったのだ。
事の起こりは1か月くらい前、このへんからちょっと離れたところにある、とあるダンジョンを探索していた時……というか、そのダンジョンをクリアした直後のことだ。
クリア報酬として手に入れたアイテムの中に、レア度8の、無機物に使うとそれを魔物に変化させるアイテムがあって……複数手に入ったので、ためしに使ってみたんだよね。
『栄都の残骸』で手に入れた、あの鎧に。
遺品にそんなことするの、どうかとも思ったんだけど……何だかあの時は、こうした方がいいような気がしたのだ。直感的に。
そしたら……リィラの時と同じく、鎧が魔物化した。
しかも、生前の使用者……『フェルミアーテ・ミュート』の人格というか、魂を宿して。
そして生まれたのが、『動鎧魔』のフェル、だったわけだ。それが一か月前の話。
それ以降、まあ、なんやかんやあったわけだけど、今出はこうして、再びビーチェに忠誠を誓う形で仲間になってくれて……レガートと共に、ビーチェをそばで支える『側近』として活躍してくれている。
レガートと比べると、その能力は一長一短。
戦闘面において、魔法力と敏捷性を武器にするレガートと、単純な攻撃力と防御力で真正面から戦うフェルは、互いの欠点を補う意味で相性がかなりいい。
それだけでなく、人間として生まれ、人間社会の中で育ったという経歴もあり、一応常識人ながらも、エルフであるがゆえにどうしても知識が足りないレガートの不足を補ってくれたりもする。
おまけに、種族の性質上、身を挺して『守る』ということが得意な存在なので……ビーチェの護衛にはちょうどいいのだ。そのビーチェもまあ、めっちゃ強いんだけどね?
具体的には、防御力以外の全部の能力で上回ってるくらいには。
ただ、レガートもそうなんだけど……長い間の研鑽と実戦で培われてきた経験っていうのは、フェルも同様にかなり大きいものらしい。模擬戦においては、ビーチェもレーネも、レガート同様にまだ1回も勝てたことはない。
スキルとか全部解禁して、ホントの殺し合いと同じ条件下で戦えばまた違うんだろうけどね。
ちなみに、彼女は今言った通り、最初は『動鎧魔』という魔物だったわけだけども、その当初のレベルは、当然のように1だった。能力も全然低かった。
これじゃ何の役にも立たない、ってことで……リィラの時と同じく、パワーレベリングを行った。今や僕らのダンジョンとして支配下にある、『カレアデラ鉱山』を使って。
際限なくわいて出てくるゴーレム軍団を前に、最初はトロッコ戦車でひたすら撃って経験値を稼ぎ、1回進化し、また経験値を稼ぎ、ある程度のところまでレベルを上げる。
あと、もちろんきっちりビーチェと『杯』もかわしておいて、能力UP補正もつける。
この辺でどうにか魔物としての強さがある程度確立するので、そしたら今度は自力でのバトルに切り替える。装備は、『リビングアーマー』としての能力で、自分で、自分の体の一部である武器を用意できるようだけど、折角なので僕が用意した魔剣を使ってもらった。効率さらにUP。
そんな感じでひたすらレベル上げを行って……まあ、こんな感じのステータスまで鍛え上げたわけだ。彼女は元々優秀な騎士だったから、それに伴った戦闘技術を元々持っていて、ただ能力だけに絞っての強化でよかった点も助かったな。
……さて、話がそれたけど……ともあれ、これで『幹部』以上のファミリーは全員そろった。
ビーチェの言う通り……会議を始めよう。
「それじゃ、会議を始める前に……まず、ちょっと皆に知っておいてもらいたいことがあるから、その報告からね。フェル、お願い」
「心得ました……ボス」
返事と共に、すっくと立ちあがるフェル。
「では皆さん……お手元の資料を適宜参照しつつお聞きください。まず結論から簡潔に……トリエッタ王国が、また他国への侵略を開始するようです」
さて、ここで、フェルの報告を聞きつつ……地理の勉強というか、この辺の政治情勢その他の確認でも進めてみようか。
現在、『トリエッタ王国』と『ゲルゼリア帝国』は、戦争状態にある。
双方ともに国力が疲弊し、自然に小康状態になっているが……何かきっかけ1つで、また争いが始まるだろう。
というか、始まる。
王国と帝国の間でじゃないけど、この国……王国が、またバカ始めようとしてる。
さて、王国と国境を接している国は、今現在、大小合わせていくつもあるが……そのうちの1つ、北部に広がる準大国級の国、『ウィントロナ連合国』に、ちょっかいをかけて制圧、あるいは領地や資源をむしり取ろうとしている気配があるのだ。
ウィントロナは、もともとは小さな民族や小国だったものが、いくつもくっついてできた集合体型の国家である。国力としては弱く、王国や帝国に比べれば……戦争を繰り返して肥大した今よりも前、かつての2国よりもかなり下だった。
にも関わらず、今までこの国は、王国から攻め込まれていない。
理由は、自然条件にある。
ウィントロナがある地域は、かなり自然条件的に厳しいのだ。北方にあるせいで、冬の寒さや降雪量がちょっと、いやかなりきついレベルである。
加えて、山岳地帯が多く、行軍がしづらい……簡単に言えば、攻め込まれにくい。
自然の要塞、って言ったら大げさだけど、リスクにリターンが合わないっていうことで、王国は今までこの国をスルーしてきた。
しかしこのたび、新たな進軍ルートとして目をつけられてしまった。帝国へ攻め込むために、戦略的に割とおいしい条件下にあるよね、と。
国力の疲弊が加速している現在、打開策になりうる手は何でも試したい、ということらしい。
多少の苦労は覚悟の上で、その『ウィントロナ連合国』を攻めるつもりのようだ。
完全に落とせなくても、帝国との戦いのために、軍が進軍できるだけのルートを確保できればよし、とか考えてるのかもね。
……それでも、もしそんなことになったら……大変なことになるだろうな、連合国。
進軍ルートだけで済むかどうか……戦場になんてされれば、自然とか、相当荒れるし……盗賊とか出るし、略奪も起こるし。
そして、それを恐れた政府は、各国に話を回して助けを求めてるんだけども……どこもまきこまれたくないんだろう、返事は芳しくないそうだ。
いくら自然の要塞に近い攻め込みにくさを持っているとはいえ、王国が本気で攻めてくるとなれば……敗北は免れないだろう。
そうなれば、国家の一部とはいえ、戦争のための経路兼資源として蹂躙されるのは確実。なんとかしないと……と、頭を振り絞ってるそうな。
「……とまあ、このあたりかと。詳しい数値情報等については、お手元の資料に記載しました」
「おーけー、ありがとうフェル、座っていいわよ。さて、聞いてのとおりよ皆……稼ぎ時だわ」
にやり、と笑うボス・ビーチェ。
右手を前に突き出すようにして僕らに見せ……指折り数えていく。
「ポイントは3つ。一つ目……小規模の作戦になるようだけど、戦争である以上、王国はそれなりの数の軍隊を動かすはず。それに伴って物資の買い付けを行うわけだから……そっちに、表舞台用に用意してあるペーパーカンパニーいくつかを介して物資を売りつけるわ」
開いた状態から、まず親指を折りながら。
なるほど、わかりやすい。戦争をするんだから、物資は欲しいわな。
武器しかり、防具しかり、食料しかり、その他の消耗品しかり。
ちなみに、『ペーパーカンパニー』ってのは僕がビーチェに教えた単語である。
『うまいこと言うね』って感心された。僕が考えた造語じゃないんだけどね。
「売りつける物品は、工場の生産ラインをフル稼働して行う。ナーディア、責任者に話を通しておいて。ああ、あと……武器とか防具は、デザインはもちろん材料の素材や合金の組成なんかも変えて、生産元の足がつかないようにね」
「はっ……承知しました」
「うん、お願い。次、二つ目だけど……これで勝たせたんじゃ、王国の力が大きくなって私たちには不都合だし、面白くない。なので、邪魔します。シャープ、地図出して」
「? はいよ」
言われた通り、この国……『トリエッタ王国』の地図を出す。
「見てわかる通り、私たちが今拠点にしてる『旧リスタス王国』の領域は、中央部から南部。対して今回王国軍が進むのは、北部……というか北端の国境より先ね」
「……遠いな」
「でも、我々であればさして時間をかけずに移動できる範囲なのです……特に、飛べる私やフォルテ、『バス』に変身できるシャープの力があれば。……と、いうことは?」
「シャープ、それにリィラにお願いしたいの。2、3日中に案をまとめるから、そのチームを、作戦地点まで運んでほしいのよね」
なるほど、足になれと。
それは別にいいけど……どこで何をするわけ?
「作戦ポイントは2つ。1つは……トリエッタの軍を後ろから追いかけていく感じ。ただし、軍そのものを襲うんじゃなく……『輜重隊』を襲う。物資を届けさせないわけ」
「なるほど……国境を越えてからそんな事態になれば、食料その他を現地調達しなければならない……大打撃ですね。下手をすると、そのまま壊滅しかねないのです」
「でもそしたら……『ウィントロナ』の町とか村から、あるいは山で狩りとかして現地調達できちゃうんじゃない? まあ、狩りってそんな簡単なもんじゃないけどさ……」
「いえ、その心配はいりませんよ、レーネ様。たとえ略奪したとしても、動員するであろう大軍全体に生き渡る量の食料や資材を持ってくるなどということは無理です」
と、レーネの懸念にフェルが言葉を返し、さらにレガートが、
「加えて、その略奪という行為そのものにも労力を使うし……そもそも、敵陣で調達したものを食べて飲んで、というのは、あまり好ましくないやり方だ。どんな細工がされているかわからん」
「そう。そして、実際に細工するけどね」
しれっと言うビーチェ。
「もう片方の作戦ポイント。これを機に、『ドラミューザ・ファミリー』の影響力をウィントロナにも伸ばすわ」
そう言って、ビーチェは……『男衆』筆頭のバートを、次いで、リィラの方を見る。
「リィラ。あなたが新しく手に入れた能力を使いたいの。この手段……それなりに強力な、それなりの数の人手がいるからさ」
「……ああ、なるほど。了解したのです。ただ、私だけだと限界がありますので……シャープにも手伝ってもらいたいのです」
「もちろん許可する。シャープ、お願いできる?」
「がってん」
返事を返す。詳細は後で聞こう……予想はつくけど。
「じゃ、次、3つ目。戦争だから、国内の物資もますます搾り取られて、優先的にそっちに回される。ナーディア、周辺国からの密輸の量と種類、今回の戦争準備で高騰が予想されるものを中心にして、大幅に取扱量を増やすから、手配して」
「はい、わかりました」
「残る4つ目と5つ目は一気に行く。どっちも内容はほぼ同じだから。4つ目は、連中に先んじて、『ウィントロナ』の国境付近のエリアを軒並み盗る。シャープ……いつものメンバーで行くから、よろしくね。で、5つ目……おなじことを、王国北部のエリアと、そこにあるダンジョンでもやる」
「……そのこころは?」
「進軍してきた王国軍を、用意したエリアの魔物をけしかけてさんざっぱらひっかき回す。できればそれで撃退する。できなければ……さっき言ったように、村に毒入り食料とかトラップとかを仕掛けて奇襲で戦力を減らす。徹底的に減らして、削る」
そこで一拍置いて、
「それで、連中にウィントロナを諦めさせて帰らせる。その最中も襲撃はかけさせるけど。そして、王国内に帰ってきたら……今度は、王国内の『エリア』で襲わせるわけ」
おーぅ、容赦ないな。殲滅上等、って感じだ。
しっかし……その作戦、全部成功させれば、こっちにも洒落にならんくらいの利益が見込めそうだ。
けど、その為には……
「反対意見ある? ……ない? ないね? よし、じゃ……早速今から作戦開始ね! 軍隊が動き出すまでに時間があるとはいっても、この作戦、半分以上迅速に『準備を整えておく』ことが重要だから! ほらシャープ! 皆! 王国北エリアとウィントロナ南のエリアに行くよ!」
だってさ。やれやれ、元気な女ボスだ。
ま、楽しいからいいけどね。
じゃ、準備して行きますか……占領予定のエリアに、カチコミだ。




