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第60話 無双! シェイアーガー!!

2日連続投稿です。

自分はやっぱりこういうバトルをかくのが好きなようで……休日ってこともあいまって、筆が進む進む……


いつもこのくらいの速さで書ければいいんですけど……

ともあれ、どうぞ。



……いや、うん。

勢いそのままにこうしてスキル発動したけども……えらいことになったなコレ。


見下ろせば……なんだか、視点が変な位置にある。

そこにあるのは、身長2m以上は確実にあろう、長身+甲冑のボディ……いや、甲冑ってより、ロボットの装甲か?


さらに、両手が何かすごい。

右手は……なんか、随所に箱デザインが取り入れられた、ごついロボットっぽい腕。

左手は……右手よりは丸みのある感じの、けどやっぱりロボットっぽい腕。


……改めて、フォルテとリィラと『合体』したんだなぁ、と思う。


『……何というか、貴重な経験だな』


『ですね。壊されるというか、バラバラになるようなことはあるかもと思わないでもなかったですが……逆に他者とくっつくことになるとは思わかなったのです』


フォルテとリィラからは、そんな感想。まあ、同意見である。

あとリィラ、怖い想像やめい。なんて嫌な未来予想してんだよ。


『少し前までステータス1桁だった私が、両名共に攻撃力10倍オーバーの方々2人に遊んでいただいていたことを鑑みればご理解いただけるかと』


すんませんした。

そうだった、つい最近までそんな感じだった……てか、戦いの中でじゃなくて日常でかよ。どっちにしろヤだよそんな悲壮な覚悟決めて遊びに赴くの。


話がそれた……ともかく、僕たちは合体に成功したわけだ。

これで、さっきまでよりはマシに戦えるだろう。


で、僕ら以外の面々はというと……唖然としている。まあ、当然か。


「な、なぁああっ!? が、合体ロボット!? いや魔物か!? ど、どっちにしろ……そんなんありかよッ!? あんのかよ異世界でッ!?」


「ほほぅ……これは面白い! 長年生きてきたが、このようなものを見るのは初めてだ……先程までよりも、余程楽しませてくれそうだな?」


驚くと同時に、絶対こいつ日本人だな、と確信できるセリフをつぶやく勇者と、合体して強くなった感じの僕らに興味を持ち始めた悪魔。


慌てつつも、威厳を保とうとしている?『殿下』に……その他兵士たち。


口をぽかんと開けて絶句しているレガート以下、こっちチーム。

そして……


「「……かっこいい、かも」」


レーネ、ビーチェのお2人からはそんな評価。OK、それ聞けただけで十分!


とか思っていると、再起動した勇者が、


「はっ、ちょっとびっくりしたぜ……面白いもん見せてくれてありがとよ。でも、だからって……そんな風にでかくなったところで、何も変わらねえんだよっ!!」


と、叫びながら突っ込んでくる。剣を2本構えて……本気モードで。


僕『ら』はレーネ達に下がるように言うと、襲ってくる勇者を迎え撃つ。

袈裟懸けに、大剣とは思えない速さで剣を振り下ろしてくる勇者に、僕は……


――バキィ!!


「ぼぐっ、がぁぁあああああ――――!?」


(うえっ!?)


その場で飛び跳ね、体を勢いよくひねって3回転半ほどする勢いで回りながら、腕を振り回してその勢いをさらにのせた飛び後ろ回し蹴りをカウンターキックとしてクリーンヒットさせた。


飛んでった!? 水平に、木々とか直撃してへし折りながらぶっ飛んでった!?

え、ちょ、今僕、ちょっとその辺の地面に転がってもらえればって感じでやったんだけど……威力出すぎじゃないか? 何だ今の……


っていうか、待て、ちょっと待て、そこじゃない!

そこ……威力も大事っていうか、気になるところだけど……それ以上に、今からだ動かした時にちょっと気になる点が!


『『………………』』


どうやら……フォルテとリィラも気づいたらしい。

まずいことが起こっている、と。


『……2人とも、今、どう動こうとした?』


『……剣の腹を蹴っ飛ばして、防御と同時に攻撃しようとした』


『一歩後ろに跳んで退いて、体をひねって回避しようとしたです……』


『僕は……剣を横から殴ってはじいて、そこから体をひねって反撃しようとしたよ』


『『『…………』』』


それら3つが同時に起きた結果が……今の流れるようなスピンキックか。


やばい……複数人数が融合ないし合体したときにお決まりのギャグ展開が起こっている。

複数の人格が一つの体にあるが故の混線、という展開が……っ!


合体しているAさんとBさんのうち、Aさんは右足を出そうとしたけどBさんは左足を出そうとして結果すっ転ぶ的な展開が起ころうとしているッ!?


このままだと、ハプニング大賞ばりの珍プレーを連発したり、よくありがちな一人喧嘩とか起こしたりする可能性がッ!


『おい、格闘戦に自信のあるやつ挙手!』


『辞退するです! できないとは言いませんが射撃の方が得意ですし、経験も浅いのです!』


『僕も辞退! 武器として使われる側の方が集中できて得意!』


『よし、じゃあ体動かすのは俺に任せろ! お前ら2人はそれぞれ武器の管理と奇襲の警戒!』


『『了解!』』


よかったあ、意外と早く解決した。こういう時迅速な対応って大事だよね! がんばフォルテ。


じゃ、気を取り直して……っと、その前に鑑定しとこ。

今の手ごたえからして、能力上がってると思うし……どうにかあの悪魔や、すぐ戻ってきて怒り心頭で逆襲してくるであろう勇者の相手をする程度の力があればこの際文句は……



★名 前:無機物合体シェイアーガー

 種 族:NO DATA

 レベル:ERROR

 攻撃力:1694  防御力:1909

 敏捷性:1108  魔法力:2221

 能 力:固有能力『特殊進化・合体』

     固有能力『可変魔の右腕』

     固有能力『魔傀儡の左腕』

     固有能力『銀魔像の鎧』

     固有能力『???(未覚醒)』



……文句ないどころじゃないことになってますよ!?

え、何この数値!? 何この超チート性能!? 自分で言うのもなんだけど!


全能力1000超え!? しかも大半が1000代後半で、魔法力に至っては2000超えとるよ!

何だホントにこのとんでもないインフレは!? 骨ドラゴンが強敵だった頃はいずこへ!?


こんな能力で蹴ったらそら飛ぶわ! てか、生きてるかあの勇者!?


いや待て、ツッコんでも仕方ない……頼もしい、と思うことにしよう。うん、そうしよう。


『よし、任せたフォルテ!』


『おう!』

 

言うが早いか、地を蹴って駆ける――ように体を動かすフォルテ。

足の裏が地面を蹴り砕く感触がしたが、それに驚くよりも前に、眼前に悪魔の姿があった。


数十mあった距離を一瞬で詰める速度に、グレーターデーモンも驚いている。


それでも反応してきたのはさすがというべきか、一歩下がって、来るであろう攻撃の直撃を避けつつ、正面に魔力の障壁を展開して防御面も固めてきた。


が……僕らは、それを突進の勢い『だけ』で簡単に食い破る。


――ばりん!


頭から突っ込んでおいて、怯みも、減速すらせずに突っ込んできた僕らに、さらに驚いた表情を見せたグレーターデーモンは、その表情のまま、次の瞬間みぞおちに拳をめり込まされていた。


強靭な筋肉に覆われ、それこそ剣が通らないんじゃないかってくらいの――いや、生半可なものなら実際通らないだろう――防御力を誇る肉体に、大きな鉄の拳が完全にめり込んでいる。

あまりの衝撃に、そのまま体が浮き上がった。


そして降下が始まるよりも早く、今度はその勢いを殺すことなく、体をひねって加速させた回し蹴りで吹き飛ばされていた。


「ッ……くはははっ!」


そこでようやく思考が戻ってきたかのように、グレーターデーモンは高笑いをする。

そして、自前で空を飛べる奴は、空中で軽々と体勢を立て直し、こちらに向き直ったかと思えば……もはやお決まりのように、その手に炎が収束していく。


「予想以上だ、素晴らしい! 命の危機を覚えたことなど、いつ振りであろうか!」


攻撃力1600オーバー。自身の防御力の倍以上で打ち込まれたその一撃は、けっこう洒落にならないレベルのダメージになってると思うんだけど……しかしながら、悪魔は心底楽しそう、あるいは嬉しそうだった。


アークデーモンの時は、同じようなことしたらブチ切れてきたけど、こっちはこっちでどうも……もしかして戦闘狂か? 厄介だな……


「さあ、どう防ぐ!? 避ければ守るべき者が灰燼と化すぞ!」


そう言って放たれた火炎。

見れば……なるほど、確かに僕らの後ろには、レーネ、ビーチェ他の仲間たちがいる。回避すれば彼女たちが死ぬ……ということか。考えたな。


ただ……これで僕を確実に仕留めるための卑怯な手、ってよりは……あの悪魔、この攻撃を僕らがどうやってしのいで見せるか、楽しみにしてるような気もする。


これもバトルジャンキーの症例の1つ何だろうか?

つくづくよくわからないけども……まあそれなら、ご希望にお答えしよう。


『おい、何か手とかあるか?』


『まかして』


言うが早いか、ちょっとばかり体の操作権を拝借。

拳を突き出す感じで、右腕を前に出す。そして変形させる。


腕の内部の一部を空洞にし……そこにつなげて、注射器のピストンみたいなパーツを設置。

その反対側……拳の、ちょうど手の甲の部分に、噴射口とも呼ぶべき穴をいくつか作る。


ピストンのパーツを引き絞りながら……内部の空洞に、フォルテに頼んで、風属性の魔法で、魔力を含んだ風を大量に送り込んでもらい……圧縮する。

送風口に、換気扇みたいな風車をつけて後押ししたので、素早く膨大な量の空気が集まった。


以前から考えてた武器なんだけど……いい機会だ、お披露目しよう。


『空気砲!!』


正に僕らめがけて、悪魔が放った炎の津波が襲い掛かろうとしたその瞬間……3つのピストンが一気に押し込まれ、その勢いで、膨大な空気が弾丸となって拳頭部から噴射。


炎をすべて消し飛ばし、その向こうで歓喜と驚愕が入り混じった不思議な表情になっている悪魔を吹っ飛ばし、そのさらに向こうにいた帝国軍のお偉いさんたちを吹き飛ばし――全員手足が変な方向を向いて飛んでったような……――地面を大きくえぐる発射痕を最終的に作り出した。


……思ったより威力出たな……てっきり火炎を散らす程度かと。

残ったのはフォルテのバリアで防ぐつもりだったんだけど。まあ、結果オーライ。


後方の損害に目もくれず、気にもせず、悪魔は再びこちらに、飛んで向かってくる。

いつの間にかその手には、黒光りする剣が握られていた。多分、いや確実に……『魔剣』とか呼ばれる類のアレだと思う。


それを今度は僕は、腕から大剣を出して受け止める。手に持つんじゃなく、スライドしてせり出す形になってるので、ちょっと姿勢が独特だけど……フォルテに頑張ってもらおう。


と、その時、


「死ねええぇぇえええっ!!」


背後に回り込んでいたらしい、王国の勇者が、こちらの首を狩る軌道で剣を構えて飛びかかってきた。


が、もう少しで射程圏内というところで……僕とフォルテが悪魔に目を、意識を向けたままで……その身に宿る第3の人格、リィラが左腕を独自に動かし、勇者に向けた。

肘から先が、2連装の巨大弓バリスタに変形したそれを。


目玉が飛び出そうなほどに目を見開いた勇者は、強靭なワイヤーの弦を持つバリスタによる一撃を見切ることができず、その矢をまともに受けてしまう。


味方達に当たらないよう角度を調整して撃たれたその一撃は、残念ながら急所にあたることこそなかったものの……いい位置をとらえていた。


跳躍後で曲げられている、右の膝から入って、かかとから出る軌道。

強靭な弦と超大型の矢(もはや槍)2本が生み出す、そのバカみたいな威力ゆえに、進行方向上にあったもの……膝から下全部が、吹き飛んだ。


「ぎゃあああぁあぁあああ!!」


悲鳴を上げて墜落し、ちょうど僕らと悪魔の足元に転がる勇者。

同時に、悪魔と僕らは弾かれるように飛び退り、距離を取る。


その中心で、地面でもがいてる勇者は、涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃ、顔色は蒼白。

まあ、無理もないか、足吹っ飛んでんだし。


「痛い、痛い痛い痛いっ! 何で、こんなっ、俺は、俺は勇者だぞ! 世界を救うために、この世界に来たのに! 世界で一番偉くて、強くてっ! 何でこんな、俺が、こんな目にっ!!」


(うおーぅ、見事な踏み台っぷり。けど残念、これって戦争なのよね!)


「こんなっ、こんなの嫌だっ! こんなはずじゃ……何でこんなことにっ!?」


ふと見ると、悪魔の表情が……呆れたような、苛立つようなそれに変わっていて……その視線は、地面でのたうつ勇者に向けられていた。


「醜いな……尋常ならざる力を持った『勇者』といえど、一皮むければこれとは……戦の愉悦に水を差した罪は重い、最早時を早めるだけではあるが……償ってもらおうか」


そう言って、すぅう……と音を立てて息を吸う。

それが聞こえたのか、はっとした勇者が悪魔に視線を向けて、さらに青ざめる。


「ま、待てよお前!? 何をする気だ!? やめろ、俺は勇者なんだぞ! 魔王を倒して、世界を救う、選ばれた勇者なんだぞ!! 俺を殺したりしたら、大変なことに……ど、どうなるかわかってるのか! この……」


「その魔王の尖兵に言うことではないな……死にたまえ」


吹き付けられる火炎弾。

爆発。消し飛ぶ勇者の上半身。


身に着けていた鎧は蒸発し……その爆風で吹き飛んだ剣だけが、カランカラン、とこっちに飛んで転がってきた。


……たしか、ロニッシュ家の宝物(盗品)なんだよね? 回収。


「さて……では、続きと行こうかな? 鋼の騎士殿……そこのメッキの禿げた消し炭よりは歯ごたえがあると期待する……その実力、その真髄、とくと見せてくれたまえ!」


言うと同時に飛翔し、その周囲にいくつもの魔法陣を出現させる悪魔。

そこから出てくるのは……『グレムリン』や『レッサーデーモン』、そしてわずかながら『アークデーモン』という、グレーターデーモンよりも下位の悪魔たち。


召喚系のスキルによって呼び出された、その魔の兵卒たちは……僕らだけでなく、後ろにいるレーネやビーチェ達めがけて襲い掛かり始めた。


当然それを僕らが許すわけもなく、肩についてるバズーカ砲2つに火を噴かせ、放たれる神聖魔法の弾丸で全てを消し炭にしていく。

撃ち漏らしは、僕の刃で斬るか、リィラが狙撃。


『数に任せて、しかも非戦闘員狙いとか……らしくねえ上に面倒くせえ真似を……』


フォルテがそんな風に悪態をついた――さっき僕も帝国の皆さんを空気砲で一緒に吹き飛ばしたことを思い出してはいけない――その時。


「ふむ……それは、戦いに関して少し真面目すぎというものだな」


頭上からそんな声。

見れば、大上段に黒い魔剣を構えて振り下ろさんとしているグレーターデーモンの姿。


体重に落下の勢いまで乗ったその一撃を、僕らは長い腕を生かして遠心力を乗せ、さらに……変形してできた背中の機械翼を作動させる。魔力によって加速した勢いも載せて、僕が変形した右手の大剣を救い上げるように叩きつける。


位置取りの差でわずかに押し込まれるものの、単純な能力で上回るこちらが徐々に押し始める。

それに焦ることもなく、グレーターデーモンはにやりと笑って、


「戦いにおいて、確かに矜持や流儀、誇りといったものは大切だ……醜い戦いを美しいものに変える。だが、それ以上に大切なのは勝利すること……多少醜く見えるとも、それが勝利を手にするために整然と整えられた道筋たるならば、それもまた一つの形というものだ」


『あーそーかい……なら、こっちもひとつそれに習ってみようか!』


そう言ってフォルテは手首をひねり、つばぜり合いからはじくように悪魔と離れる。


そして、剣を持っていない方の……左手を悪魔に向けると、腕をバリスタに変形させて、2本の巨大矢を放つ。


しかし、悪魔はそれを悠々と回避。


「甘いな! 一度見た技、そうそう通じると……ぬ!?」


その直後、悪魔の表情がこわばる。

回避した悪魔に向けて、突如フォルテが僕の腕の大剣……の刃を射出したのだ。


一直線に、しかも予想以上の速度で飛んでくる刃を、どうにか剣ではじくグレーターデーモンだったが……致命的なまでに体制を崩してしまう。


そこに放たれたのは……


『ロケットパンチ!!』


「ぐぉ……っ!?」


僕の腕の、肘から先。

フォルテの火炎魔法で点火したそのパーツが、さっきの剣を超える速度で飛び……悪魔のみぞおちに直撃。悪魔の体を『く』の字に折り曲げる。


そしてそこからさらに……剣の代わりに素早く『換装アームドチェンジ』しておいた新たな武器が牙をむく。

腕から手の甲に向けて装着された、成人男性の腕と同じくらいの太さのある杭のようなそれ。


『パイル……バンカー!!』


射出された杭は、見事に悪魔の体を貫いて背中から突き出し、しかしそこで止まり……悪魔を串刺しにした形になった。しかも狙って……心臓の位置を。


なお、表面を銀でコーティングしてあり……効果は抜群なのだろう。刺さったところから煙が出ていて、苦しそうである。


その隙に腕(僕)は元の位置……フォルテの腕まで戻る。

実はちゃんとワイヤーでつないだ上で射出してました。片道切符じゃ怖いからね。


「ふ、ふはははは……!!」


で、まだ笑う悪魔。

……確実に心臓貫いてんだけどなー……アークデーモンといい、何で悪魔系はこう、急所破壊しても生きてられるかな……面倒くさい。


まあ、それももう終わりだけど。

今度は……確実に。


準備は整ってたりする。

僕の『ロケットパンチ』の直後から……すでにフォルテが、両肩のバズーカ砲――いや、むしろ、今更ながらこれキャノン砲だろうか?――に、エネルギーの収束を進めている。


合体前なら使いこなせなかったであろう、巨大なエネルギーが集まっていき……さらに、背中の機械翼部分からも供給されている。すさまじいまでの、神聖魔法の光エネルギー。


それが、一気に放たれた。


……折角の大技なのに、技名を叫ぶということをしないフォルテは後で指導するとして、


キャノン砲の口径に比して明らかにおかしい極太の純白のビームが、2筋重なるように放たれて悪魔を飲み込み……そのまま勢いを衰えさせることなく天へと昇っていく。

その中で、すでに体がボロボロに崩れ始めている悪魔が……


「ふぁはははは!! この私が! 魔将軍の一角たるこのバルバトスが滅びるか! 見事、見事なりシェイアーガー!! だがこれでいい気にならんことだ……私は魔将軍の中では最弱の部類! いずれ貴様らの行く手に現れる悪魔たちとの戦いに耐えられるかな? 一足先に地獄に行って待っているぞ、無機物の英雄たちよ! 貴様らの未来に、精一杯の幸あれ!!」


そんな言葉を残し、最後まで高笑いしながら……色々とツッコミどころ満載だったグレーターデーモン・バルバトスは――そういや名前あったんだっけな、色々ありすぎて忘れてた――その身を塵に変えて、今度こそ死んだ。





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