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水面

作者: 猫柳美鳥
掲載日:2015/12/13

 お風呂に入っているときは、なぜだか長期スパンの物事を考えてしまう。

湯船につかり、冷えた足が燃えそうに熱いお湯に適応してきた頃、思想は始まる。

 始めは今日してしまった失言、失行動、周りの微妙なリアクション等。大概は気にしすぎで、確執が生まれるほど他人と私の距離は近くなくて眠ってしまえば泡のように記憶から消えていく、そんな。

 そのうち過去やら未来についてこねくりだす。

 同じようなことを前にもやった、こんな自分を未来永劫誰も愛してくれないなんて。一人っきり膝を丸めてヒロイン気取り。涙は出てこず、汗に汚い感情が滲み流れていく。

 昔より自由になり、孤独は深まる。一人でも平気なんかじゃない。

 部屋が広くなったのに、一人のままだったら淋しいでしょう。ソファに寄りかかって雑誌を眺めるあなたと住みたいの。私はあなたの後ろに回りこみ、首元に顔を寄せ、どうでもいい話をするの。きっとあなたは雑誌に夢中、気もそぞろで、でもきっとそれは悪いことじゃない。そうね、同じ部屋に住んでいなくてもいい。お互いの部屋で生活していて、時々あなたの、よくわからない音楽が流れている部屋に遊びに行くの。あなたも我が物顔で私の部屋に入ってきて、またこんなものを買ったのと軽口を叩けばいいわ。

 あなたが欲しい。誰でもいいけど、誰でもいいんだけれど。

 普通の幸せは、絵に描いた餅。

 私が無意識のうちに選び取ってきた道で、気が付けば誰もいないの。

 指の皮膚がふやけてきたから、もう終わりにしよう。コーヒー牛乳を飲んだり、アイスを食べたりしよう。一人の部屋で。


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