第六話 夢での教え
設定説明回
ぶっちゃけここは読み飛ばしてくれても問題なかったり。
「それじゃあ魔力や気について教えるよ、準備はいい?」
私はまた白い何もない世界に立っていた。
目の前には“私”、コクが立っているのも同じ。
「ちょっと待って、ここは何なの?私の夢の中なの?」
「…そこからか、まあ大体それであってるよ。ここは夢の中、それはあってるよ」
夢の中はあっている…でも私のじゃない?
どういうことなのかちょっとわからない。
「それじゃあ魔力と気について説明するから、よーく聞いておくように」
「はーい」
「いい返事、それじゃあまずは魔力について話をしようか」
ちょっと返事をしたら褒められた。
適当だったのに。
不満。
「魔力っていうのはそれ単体の事を表すよりも他のものと混ぜた物を表すことが多い。混ぜるものは色々種類があるれど私が使っているのは“生命力”。生命力は魔力に混ぜられる物の中でも一番力が強い、しかし一歩使い方を間違えれば使用者を即刻死に至らしめる諸刃の剣だよ」
「他の物は一体なに?」
怖いですしそんなもの使いたくない。
できれば他の物がいいなー、なんて。
「“知力”“精神力”“気力”あとさっき言った“生命力”。この四つが主だね」
「それぞれの特徴とかある?」
「知力は使い過ぎると周りのことか知覚出来なくなって単純なら生命力の次に強い力。精神力は使いすぎると鬱になって最終的には気絶、最悪死ぬ可能性もあるけれどコストの割に力が出せるから使い勝手がいい。気力は使うと段々体が動かなくなっていって最終的には無気力、何も出来なくなるんだよ。これはちょっとばかり使いづらいからおすすめは出来ない」
ほわぁ、色々種類があるんだねぇ。
ちょっと憶えきれない、後でもう一度言ってもらおう。
「まあ基本的には精神力か生命力かの二択だと思ってくれればいいよ、他は使いづらいし」
「じゃあ精神力の方でお願いします……」
生命力は嫌だし、だとすると精神力しかないし……。
そんな私の考えをわかっているのかコクは確認してきた。
「本当にいいの?」
「う、だ、大丈夫です」
「そう、ならいい、か。じゃあ次は“気”について話そうか」
「それはあの変な男たちがコクを追ってきた時に使ってたってやつだよね?」
確かあの時コクがそう言っていた気がする。
それは合っていたようでコクが肯定してくれる。
「そう、良く憶えていたね。“気”っていうのは純粋な魔力、自分の周りに漂っている魔力のことだよ」
「純粋な、魔力」
「さっき言った魔術を使うための魔力とは別のもの。殆どの人は無意識に垂れ流しにしているからあの機械みたいに気で人を追うっていうのは有効な手段なんだよ」
よくわからなくなってきちゃった。
魔力と気は違くて、でも気は純粋な魔力で……あれ?
「今は理解はしなくてもいい、理解は後でも出来るからね。大切なのは記憶しておくこと、そうすれば後々幾らでもそうだったのかと思い出して納得できるから」
そうなのかな?
ちょっとコクの言っていることは難しいことが多くて理解しづらい。
「…今日はここまでにしておこうか、ちょっとキャパオーバーみたいだから」
きゃぱおーばー?
また難しい言葉を……
「それじゃあそろそろ起きる時間だから、そのうちまたここで会いましょう」
私の体は上へ上へと浮かんでいき、コクが見えなくなるぐらいのところまで上がってから静かに消えていった。