前章 創世
最初に生まれたのは今は“始祖”と呼ばれた存在だった。
始祖は何でも出来た、だから何にも出来なかった。
だから始祖は“六体の精霊”を生み出した、彼らは“始原の精霊”と呼ばれていた。
彼らはそれぞれ火、水、土、風、光、闇の属性を持っていた。
土は基盤となる世界を作り、水は生物の基礎を作り、火は生物が育つのに必要な温もりを与え、風はその温もりを伝えた。
こうして世界が出来上がった。
光はその世界を照らして美しいものをより一層輝かせ、闇はその世界の汚いもの、駄目なものを隠し、消し去った。
こうして世界は完璧になった。
世界は気が付くとどんどんに増えていった、いつの間にかに完璧な世界に生物が生まれていた。
世界が増えると始原の精霊たちの間に亀裂が入り始めた。
始祖はこれを大変悲しみ、始祖は長い眠りについた。
始祖が眠りについたことで始原の精霊たちの亀裂はさらに大きくなった。
始原の精霊たちは互いに争い、離れ離れになった。
あるものは自分が作った世界に閉じこもり、あるものは当てもなく彷徨い、あるものは始祖を起こそうとした。
増えた世界は管理者を失い歪み始めた。
完璧な世界の住人達はその世界に移り、管理し始めた。
彼らは“神”と名乗った。
こうして今の世界が出来上がった。