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清めの湖  作者: 源雪風
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謁見!目玉男爵

いざなぎは、宝のヒントを得るべく目玉男爵の家へ向かうことした。

屋敷で自転車を借りて、女中に書いてもらった地図を頼りに走る。

急な坂や沼地、壊れかけのつり橋を通る。

目玉男爵は、随分辺鄙なところに住んでいるようだ。


目玉男爵の家に到着したときには、空は紅に染まっていた。

小さな木造の家は、心細そうにぽつりとそこにあった。

ドアをノックすると、男爵が出てきた。

「ここが分かったということは、宝を随分集めたんだね。やはり任せてよかった。まぁお入り」

家の中は田舎の親戚のうちのような雰囲気だ。

いざなぎは先ほど気になったことを早速尋ねる。

「任せるって、どういうことですか」

「清めの湖の魔力に逆らえるような強い心を持った人に、宝探しを手伝ってもらった」

「びっくりTVでいう、仕掛け人だったわけか」

「君の言っていることはよく分からないが、おそらくそうだと思う」

「10日以内に宝が見つけられなかったら、清めの湖に飛び込まされるというのはどうしてですか」

「私は気が短くてね。ちょっとせかしてみたのだ」

目玉男爵は、にこにこした。

「宝を集めさせても、僕に横取りされるかもしれないのでは」

「横取りできなそうな奴に任せたから、心配ない。もし、横取りするようなら、清めの湖に落とせばいい」

目玉男爵は変で、怖い。

早く帰りたいといざなぎは思った。

「十個宝を集めないといけないので、夜霧のマントを貸してください」

「あっ、それならいい。最後の一つは、私が格好をつけて登場して、格好をつけて渡す」

「格好をつけたいだけですか」

「そうだが。それで今、いくつ宝を持っているんだ」

「あと二つで十個です。夜霧のマントと、月のしずくだけです」

「なにっ、私が数十年かけても見つけられなかったのに、君は数日で8つも見つけたというのか」

目玉男爵は、ショックでぐったりした。

「えっ、どこで見つけたのか教えてくれ!くやしい」

いざなぎは、宝を見つけた場所を教えた。

「まさかそんなところに・・・。初めから一つ宝を持っているのはずるい。

河童とはケンカしているからな・・・。

仲良くしておけばよかった」

男爵は、ぶつぶつ呟いた。

「ま、ともかくあと一つがんばってくれ。私はもう心が折れた」

この人は本当に妹を助ける気があるのだろうかと、いざなぎは思った。



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