なぜ、なぜ、なぜに?
ルナリアーナは自室のベッドでアルディオスのことを思い浮かべながら……。
食事を済ませ自分の部屋へ入るなり着替えた後ベッドの方へ向かった。
今日は良いことがあったわ。こんなにもアルディオス様と、お話ができるなんて思いもよりませんでしたもの。
ですがもっと……ううん、いえ……これ以上多く望んではいけない。
余韻に浸りながらベッドの上に腰掛ける。
明日また逢えます。今のままで十分、逢えなくなる方がツライ。何時もの通り遠くから眺めていられれば……それでいいのよ。
ベッドにのり寝転がった。再びアルディオス様のことを脳裏に浮かべる。
もし……もしアルディオス様と添い遂げられることができるのなら……ううん無理ね。妄想だけに、とどめておきましょう。
そういえば……どうして、あの時アルディオス様が通りかかったのかしら? 間に合ったと言っていたようなぁ。
もしそうだとして襲って来た男たちって……誰かに雇われたってことよね。
そのことを知ってアルディオス様は駆け付けてくれた……。
だけど誰がワタシなんかを?
ワタシを狙ったって……なんの利益にもならないと思うのよね。……考えても意味が分からないわ。
理解できないため寝ることにした。
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翌日になりワタシは、ハルロック城の敷地内に設置されている訓練施設で稽古をしている。
剣の握りが変だわ。昨日……手首を捻ったのかしら? でも痛い訳じゃなくて違和感があるだけ……用心のため素振りは、このぐらいにしておきましょう。
持っていた稽古用の木の剣を近くに置かれている木箱へと入れた。
アルディオス様は何ををされているのかしら……。
何時ものようにコッソリとみるためアルディオス様を探し歩く。
今日は稽古場にはいらっしゃらなかったわ。会議や集まりがあるとも聞いていませんし……何処にいるのかしら?
城の外まわりを探し歩いてみる。
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城の北西にある小屋が立ち並ぶ場所までくると建物の間からアルディオス様の声が聞こえてきた。
ここに居たのね。ですが、もう一人聞き覚えのある声が……。
そう思い小屋との間から、そっと覗きみる。
「いいな! 今回は見逃してやる。彼女には近づかないでほしい」
「オレの勝手だ! 他人の色恋に首を突っ込むな!!」
「そうかもしれないが見過ごす訳にはいかない!!」
アルディオス様と話をしているのって……ダイゼムなの? だけど、どうして揉めているのかしら……。
「英雄にでもなったつもりか?」
「そんなんじゃない!! 彼女が心配なんだ」
「まさか……好きだっていわないよな!」
心配をするという事は……その女性に好意を抱いている。羨ましいですわ〜……いったい何処の御令嬢なのかしら。
アルディオス様の心配する者が自分だったらと思いツラくなってきた。
ここに居ると胸が苦しくなりそうです。
そう思いワタシは、この場を離れて城の中へと入る。
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城内にある魔法騎士第三部隊の女性用控室で休憩をすることにした。
やはり好きな人がいたのね。これでは余計にワタシの入る隙なんてないわ。いえ……そう、そもそもみているだけでいいのですもの。今まで通りでいいのです。
そう思いながら壁付近に設置されている白い長椅子に腰掛ける。
ダイゼムは何をしたのでしょう。あれほどの剣幕でアルディオス様が怒っていましたし。
確か彼女に近づくなとも。ダイゼムがアルディオス様の好きな人に何かしたってことなの? いったい何をしたのでしょうか……。
冷静になるため目を閉じて軽く息を吐き吸い再び考え始めた。
ダイゼムはワタシを好きと言っていたのに他の女性にも求婚をしていた。まあ、それはそれで良いと思うわ。
ですが……アルディオス様を怒らせるほど、その女性に……何をしたというの?
考えても分かる訳もなく……あとでダイゼムの様子を窺うことにした。
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「……――ルナリアーナ様……起きて――隊長が……」とその声に驚き目を開ける。
何時の間にか眠ってしまっていたようだ。
「な……何が――……」
一瞬大声を出そうとしたけれど、なんとかとどまる。そして眼前に居る声の主へ視線を向けた。
そこには同じ隊のセリスニア・ガーベエラが居て真剣な顔でワタシをみている。
セリスニアはワタシよりも一つ下の十九歳で男爵家の令嬢だ。
「セリスニア……隊長が、どうしたと云うのですか?」
「話があるとのことですわ」
「皆にですか?」
そう問いかけるとセリスニアは頷いた。
「そのようです。そのため直ぐに中庭に集合するようにと」
「何かしら? 直ぐに……そうなると重大なことかもしれませんね」
ワタシは頷き立ち上がる。
「一緒に同行しても構わないでしょうか?」
「構いません。そもそも、セリスニアも行かなければなりませんよね?」
「そうですが……一緒に行きたいなぁ~と」
それを聞き、それでも聞く必要はないと思い首を傾げた。
ふとセリスニアの顔をみると頬が赤い。
恥ずかしいの? でも、なぜ……。
セリスニアの不可解な仕草にワタシは困惑する。
そう思いながら遅れるので扉へと歩きだした。
「あっ! 待ってくださいませ」
そう言いセリスニアは、ワタシのあとを追いかけてくる。
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中庭にくるとアルディオス様がみえる前に並んだ。なぜか今日に限ってセリスニアが、ワタシの右側にいる。
まさか……セリスニアも、アルディオス様のことが好きなのかしら?
そう思いチラッと横目でセリスニアをみた。
ワタシをみて、ニタアっと笑みを浮かべている。それに顔も赤いようだ。
みてはいけないものを目撃してしまったように思います……気づかなかったことにしましょう。
そうしているうちにアルディオス様がこられて話を始めた。
「皆に集まってもらったのは早急に話さなければならないことができたからだ」
何かしら? まさか……婚約者の紹介!!
そう心の中で思うも必死で動揺を抑える。
「……――今まで副隊長を、ハルクス・ルンべにやってもらっていたが別の者と交代することにした。このことは団長から上層部に連絡済みで許可も得ている。それとハルクスにも確認し承諾済みだ」
それを聞き心の中で、ホッと胸を撫で下ろした。
副隊長が代わるのですのね。次の副隊長は誰になるのでしょうか? ダイゼムでないことは間違いありませんわ。
もしダイゼムだったら……天と地が逆さまになってしまいます。
「ル――……」
ル?
「ルナリアーナ・ネルテゼ……前へ」
はて?
「何を、ボーっとしている! ルナリアーナ……副隊長は君だ!!」
耳を疑った。一瞬何が起きたか分からない。そして改めて副隊長と思った瞬間に我に返り「えぇぇえええー!!!!」と思わず叫んでしまう。そのせいで周囲の注目を浴びる。
普段から奇声を張り上げるなどしないワタシがしたものだから驚いたのだろう。
自分でさえこれほど大きな声で叫ぶなどあり得なくて驚きもあり恥ずかしい。
そう思いつつも呼ばれて向かわない訳にもいかず下を向いたままアルディオス様の側まできた。
普通の人なら嬉しいと表情に出すのだろうけどワタシには到底無理だ。
みんなへの挨拶をしている間もワタシの脳内では花畑のようなアルディオス様とのあり得ない妄想を繰り広げている。
「ルナリアーナを副隊長にしてもらった経緯は女性騎士たちの管理だ。この隊も女性騎士が増えたからな」
そういう事なのね。
その後アルディオス様の話では三日後に正式な勲章をいただけるとのことだ。そのあと話は終え解散する。
ワタシはアルディオス様に一緒に隊長室にくるように言われあとを追った。
読んで頂きありがとうございますo(^_-)O
キャラの台詞を後書きに書きたくなるがやめておく……我慢だ作者( ̄▽ ̄;)
では次話もよろしくお願いします٩(^‿^)۶




