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「もう戻ってこないかと思っていたよ」
先輩と真咲が家の前で待っててくれていた。
「すみません……」
すると、ハナがれん先輩の前へ行く。
「れん様、私とこの世界を作ってくださりありがとうございました!」
ハナが深々とお辞儀をする。
「そ、そんな事言うなよ〜!!!」
先輩がさっきの僕みたいに涙を流す。
うん、僕も頑張ろう。
「先輩、我儘言ってすみませんでした!もう、大丈夫です。僕帰ります」
その言葉を聞き、真咲が先輩の後ろで自分の目を隠す。
あ、珍しいものが見れた。
「本当に良いのか?」
「はい!」
「じゃあ、早速で悪いが時間がない。取り掛かるぞ」
「ハナを壊すってどうすれば良いんですか?イヤリングに戻って貰うとか?」
「いや、多分戻る事はできなくなっている筈だ」
ハナが目を閉じる。
「……本当だわ」
「つむぎという最強能力の側にずっといたから、力が暴走し始めてるんだ。ダンジョンで異様に強かった敵とかいなかったか?」
ハナがあの像……とポツリ言う。
「まあ、それほど影響力のある能力って訳だ」
じゃあ、どっちみち僕がこのままいたらこの世界が崩壊していたって事か。
……最初から帰るのが正解だったんだ。
「んじゃ、どうやってハナを壊すんです?」
真咲が先輩に聞く。
「そうだな……」
先輩が言いにくそうにする。
「ここまできたならもう言っちゃって下さい!」
「んー……グサッ!と刺すとか?思い切り殴るとか?」
……それじゃあ完全に人殺しじゃないか。
ハナがはあ、とため息をつく。
「それしか方法はないんでしょ?殴るのは原型が無くなりそうだから嫌ね。刺してちょうだい」
とんでもないセリフだなあ。
「分かった。なるべく優しくするからね」
「それじゃ中途半端に生き残って苦しむだけだろ」
真咲の言う通りだ。
僕がどうしようと悩んでいると、
「これで良いだろ」
そう言って真咲が拾ってきた棒を渡してくる。
先がとんがっていてとても痛そうだ。
僕はうへぇ……と思わず顔に出る。
「任せて良いんでしょ?」
ハナが僕の背中をポンと押す。
「……うん」
「よし、じゃあ始めるぞ。真咲は俺と手を繋いでいろ」
先輩が差し出した手を真咲はスルーして、僕とハナの側に来る。
「これでも良いんですよね?」
すると、真咲は僕が握っていた棒を手でそっと支える。
「真咲……」
「お前1人だけに背負わせるつもりはない」
本当に真咲が親友で良かった。
「あー、まあそれでも良いぞ」
「じゃ、いくね?」
「ええ、いつでもおいで」
ハナは手を広げ待ち構える。
残り1話となりました。
最後の最後まで、3人は一緒です。




