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一体、何処まで行ってしまったんだろう。
僕は村を走りながら探すが、ササカベ君の姿は見当たらない。
村の外まで行っちゃったのかな?
僕は外まで出てみる。
すると、
「待て!!!」
「待つ訳がないだろ!」
2人ですぐそこを走っていた。
「ササカベ君!」
僕はササカベ君の元へ行く。
「つむぎ君!君、強いんだよね?あいつを捕まえられないか?」
任せて!
と言い、僕は思い切り走る。
一瞬で男に追いつき、足を引っ掛ける。
ベチャ!と地面に顔から転がる男。
すると、ササカベ君が倒れている男の首元を掴む。
「なぜサーヤを狙った?」
「……頼まれたんだよ」
「誰に!」
「ここからそう遠くない街にいる悪党どもだよ。あの子を弱らせてから拉致ってこいって言われてて。そんなにでかい組織ではない。それで、俺はただ金を貰ったからやってただけだ」
そんな……。
ササカベ君は分かったと言うと、杖を男に向ける。
「待て待て!悪かったって!もう村から出て行くから許してくれ!」
男は手を挙げて降参ポーズをする。
「ササカベ君、とりあえずサーヤさんは助かったんだし、もう放っとこうよ」
そうだなと渋々納得してくれたササカベ君と、その場を離れようとしたその時。
「はははは!!!バカめ!こんな嘘に騙されて!」
男は立ち上がるなり、ポケットナイフを持ち僕たちに襲いかかってくる。
危ない!!
僕がササカベ君を守ろうとしたその時。
パクッ
……男が消えた。いや、食われた。スライムに。
スライムは嬉しそうにプヨプヨ動いている。
「なんでここにいるの!?」
「寂しくて、追いかけてきちゃった」
えへへと笑うスライム。
「今、あの人を食べたよね?」
「んーん、あのダンジョンに送ったんだよ。暫くはあの中で大人しくして貰おう」
……少しだけあの悪党が可哀想に思える。
「ありがとう、助かったよ」
ササカベ君がスライムにお礼を言う。
「ね、もし良かったら一緒に村に帰らないかい?」
え?
「これから先、またあいつのような悪者がサーヤを狙ってくるかもしれない。その時、側にいてくれると安心なんだけど」
スライムの瞳がみるみる輝く。
「良いの?行く!!」
……僕も連れて行きたかったけれど、サーヤさんとササカベ君の為にも諦めよう。
スライムはササカベ君の胸に飛び込み、とても満足そうだ。




