8-6
あれから私とササカベさんは戦い続けていた。
頑張ってはいるけれど、敵も私たちも全く怪我していないし攻撃力も互角だから全く終わる気配がない。
相手の方が強いなんて事がなくて安心したけれど、このままじゃ埒があかない。
ササカベさんも少し疲れてきている。
煙も少し消えかけている気がするし、これはだいぶまずい。
…………一か八か!!
私は、ササカベさんに下がって!と伝えると、攻撃力と防御力を上げていた魔法を解除する。
煙が消えていく。
「ハナさん!」
ササカベさんが察したのか、大丈夫なのかという顔で見てくる。
分からないけど、やってみるしかないじゃない。
私は魔法で長く丈夫な綱を出す。
その綱を魔法で敵達の足元へグルグル巻きつける。
そして勢いよく引っ張る。
ドドドンッ!!!
敵は全員まとまって倒れた。
やった?と思ったのも束の間、3体とも綱を刀で切ってしまった。
ググッと立ち上がる敵。
「……ササカベさん、ごめんなさい」
私はもう無理だと察してササカベさんに謝る。
「あれー?こんな所にいたー!」
突然、聞き覚えのある声がした。振り向くとつむぎと真咲が立っていた。
いつのまに?
てか、あれなに?
つむぎの胸にはどう見てもスライムらしき生物が抱きしめられている。
「……とにかく無事で良かったわ!それよりこれどうにかして!」
つむぎに助けを求める。
「え……怖いなあ、できるかなあ」
つむぎはメソメソ弱音を吐いている。
「危ない!!」
真咲が叫ぶ。
後ろを見ると、敵は私に向かって思い切り刀を振り下ろしていた。
間に合わない!!!!!
ドゴンッ!!!
ゴロゴロゴロと崩れていく3体の敵。
どうやら、つむぎが前に出て敵にパンチをしたみたいだ。
「はー!!ほんと怖かった、倒せて良かった〜!」
最強なくせに何言ってるんだか。
へなちょこ勇者ね。
「ありがとう」
「い〜え!」
怖かったくせに、少し楽しそうじゃん。
「つむぎ君、君は一体……?」
ササカベさんが驚いている。
後で説明してあげよう……。
すると、つむぎの抱いていたスライムが急に飛んで、さっきまで敵だった石の破片の前へ行く。
スライムの色が真っ赤になる。
そして、頭から湯気のようなものが出始める。
これ、やばいんじゃないの?
「スライム?」
つむぎが近寄る。
!?
スライムの湯気が破片を覆う。
すると、破片が浮いてガチャガチャとくっついて元に戻ってしまった。
「ちょっと!何するのよ!」
私は急いで構える。
が、3体の敵は私たちなんか気にせずスライムの前へ跪いた。
一体、どういうこと?
スライムを見ると目が赤く光っていた。
「もしかして、その子ここのボスなんじゃない?」
「え、スライムが?」
つむぎは不思議そうにスライムを見る。
スライムが赤い目をパチパチさせる。
すると、像達が立ち上がりシュッと消えてしまった。
「その子何者なの?」
私が少し警戒していると、突然スライムが口を大きく開けた。
!!!
そして、そのままグングン大きく開いた口は私たち全員をゴクンと飲み込んでしまう。




