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8-5

「ね、これいつまで続くの?」

「ああ、流石に疲れてきたな」

僕と真咲はまだ同じ場所を彷徨っていた。

「早くあの2人を助けにいかなきゃなのに」

ゴツッ

目の前を歩いていた真咲の背中に顔をぶつける。

「どうしたの?」

そう言って後ろから覗くと、真咲の前にスライムがいた。

……………え?

スライム、だよね?これ。

ここにきて初期モンスターが出てくるの?

プヨプヨ揺れているスライムは、僕たちをジーッと見ている。

「なんか、思ってたより可愛いね」

僕は手を伸ばす。

「おい!」

真咲に手を掴まれる。

「ほんと危機感ないな。弱そうに見えても一応モンスターだぞ。お前が最強なのも分かるが、触るのはちゃんと相手の出方を見てからだ」

「あ、ごめん」

そうだ、また何も考えずやらかすところだった。

僕達はスライムを見つめる。

……………………。

スライムも僕達を見つめている。

……………………………………。

「スライムってこんなに大人しいのかな?」

「さあ、隙を狙ってるのかただそこにいるだけなのか、分かんないのが気持ち悪いな」

すると、急にスライムが動き出した。

!!

僕と真咲は距離を取る。

プルプル体を震わせて近寄ってくる。

真咲が待ってろよと言ってスライムへ近寄る。

すると、スライムが真咲の上を飛んで僕の胸にすっぽり落ちてきた。

僕は思わずキャッチしてしまう。

「えーと、これ、なんだろ?」

「……知らんけどつむぎの事気に入ったんじゃね?」

「なんで?」

「さあ」

まあ、良いか。なんか可愛いからこのまま連れて行こう。

「連れて行って良いかな?」

「まあ、今んとこ大丈夫そうだから良いんじゃね」

そう言って僕達はまた歩き出す。

ズボッ

足が地面から抜けない。

「真咲!」

「くそ!」

真咲も同じようで、体をぐねぐねと動かしている。

「真咲、これ段々下がっていってない?!」

体がズルズルと引き摺り込まれて行く。

「やっと何もない場所で変化が起こったんだ、とりあえずこのままいってみるしか…!」

真咲が叫びながら地面の中へ消えていってしまった。

よし、僕もこのまま受け入れよう。

あ、この子大丈夫かな。

スライムは大人しく僕にくっついている。

これ、この子の仕業かな?

まあいいや、後で重要になるかも知れないからしっかり抱きしめておこう。


ドスンッ!

思い切りお尻から落っこちた。

「いってー!!」

真咲がお尻をさすっている。

ここは、街?

人が1人もいない………。

僕は上を見上げる。

普通の空だ。もしかしたら、ハナ達もここに来ているのかもしれない。

「探しに行くか」

真咲も同じように思ったのか、あたりを見渡す。

「あそこ行ってみようよ」

僕は教会のような建物の横にある、図書館のような場所を指さす。

「おっけ」

入ってみると中は、普通の図書館だ。ただ、本棚が倒れたり壊れたりしているせいで沢山の本が床に落ちて散らばっている。

本を一冊拾ってみる。

結構汚れていてるが読めないわけではない。

「えーと、人間との共存、私たちの在り方?」

これ、モンスターが読んでいたのかな?

まさかモンスターが自分達の在り方を考えていただなんて。

「なんか、面白いな」

真咲が横から覗いていた。

「面白いけど、こんな考え方をするモンスターもいるって事だよね?それってなんだか嬉しくない?」

「嬉しい?」

「うん、だってモンスターが僕たち人間と仲良くしたいって思ってくれてるって事だよ?凄いことだと思うし、僕はこのモンスターとなら友達になれる気がする」

「……なあ」

「それに、友達になれたら旅ももっと楽しくなりそうだよ」

「なあって」

真咲が僕の言葉を止める。

「なに?」

「そいつ、見てみろ」

僕は真咲の言うように、大人しく抱かれているスライムを見る。

!?

スライムが僕に向かって口を大きく開けている。

「なにしてるんだろ?」

パクッ

……目の前が真っ暗になる。

「へ?!なにこれ?真咲!いる!?」

「うわ……」

少し聞こえずらいけど、真咲の声が聞こえる。

何かに引いているような声を出している。

「真咲!これ、僕どうなってるの?」

「頭を食われてるんだよ、スライムに」

頭を?!???

「ちょ、ちょっと!怖いから離して欲しいな〜」

僕はスライムの体をペシペシ叩く。

ボッ!

「…………」

急に辺りが明るくなり、やっと真咲の顔を見れた。

真咲は今までに見たことの無い顔をしている。

多分、驚きとドン引きが混ざった顔だ。

足元を見ると液体が飛び散っている。

「……やっちゃった⭐︎」

僕はてへっと頭に手をコツンと当てる。

ビチビチビチビチッ

「ひえっ!」

床に散らばっていた液体がビチビチと動き出す。

そして、全部がくっついてまたスライムの形に戻る。

「良かった〜!僕完全にやらかしたと思ったよ〜!」

ごめんねと言って僕はスライムを抱きしめる。

「おい、また食われるぞ」

あ、そうだった。

僕は急いで体から話し、スライムに話しかける。

「さっきは何で僕を食べたの?本当は敵なの?」

……………。

スライムは体をプリプリ揺らす。

違うって言いたいのかな?

「早くハナと合流して、翻訳してもらうか」

そうだねと僕は返事をし、スライムを再び抱えて図書館を出る。

「次はどこに行こうか?」

「んー、そうだな。とりあえずこの隣の教会にでも入ってみるか」

「うん!」

僕と真咲は教会へ入る。


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