7-3
ボス熊は僕に何か言っている。
「ハナ、何言ってるか聞ける?」
できるわよ、と言ってハナが僕とボス熊の間に入ってくれる。
「オレたちは、普段は違う島にいるのだけど餌が無くなってきたから食料を求めて海を泳いでいたんだ。そしたらこの島を見つけた。だから、住処をここに変えようと思って先にこの島にいた豚達を捕まえた」
「なるほど、食料を自分たちだけで食べようとしたんだね?先にいたのはこの豚さん達なんだから、君たちはダメな事をしたんだよ?」
僕はボス熊の目をしっかり見て叱る。
熊とこんな至近距離になったのは産まれて初めてだ。
「ごめんなさい、もう島を出て行きます。だから許して下さい」
そう言うとボス熊が振り向き、トボトボと部下達と出て行こうとする。
「待って!」
僕は目の前まで走って行き、止める。
「「つむぎ!?」」
真咲とハナが驚いている。
「良かったらさ、この島でこの豚一家と友達になってあげられないかな?きっとこれからもこんな感じでモンスターがやって来ると思うんだ。その時に守ってくれる存在があの子達には必要だと思うからさ」
ハナが急いでやって来て伝えてくれる。
……………ガバッ!!!
「ぐえっ!!!」
「つむぎ!」
ボス熊が僕に抱きついてきた。
真咲が走って来ているのと、ハナが魔法を出そうとしているのを僕は手を出して止める。
ボス熊は嬉しくて抱きついてきただけだ。
涙を流している。
他の部下達もオヨオヨと泣いている。
モンスターも大変なんだな。
すると、あの子豚が寄ってきてボス熊にスリスリする。
ボス熊と部下達は、泣きながら土下座をし始めた。
うん、解決したみたいだね。
「あ!でも、食料は皆んなで大切に分け合うんだよ?」
僕はボス熊達に伝える。
すると、首を縦にブンブン振ってくれた。
それから、僕たちは皆んなで島中を探検して、中心部に良い感じの更地を見つけたからそこにいくつか家を建てる事にした。
僕は、お腹が空きすぎて途中で倒れそうになったけれど、子豚がシュークリームが沢山ある所へ連れて行ってくれて全回復した。
ボス熊もオレもオレもと、カツ丼を持ってきたので僕は却下した。
流石に暫く豚カツは食べられないや。
家を建てるのに材料が無いと言っていたら、ハナが特別よと言って魔法で建ててくれた。
ついでに海辺にもいくつか建てて貰った。
「うん、これでもう安心だね」
豚一家とモンスター達は、最初からこの島で生きていく事を決めていたみたいで皆んなとても喜んでいる。
全部終わった頃にはもう日が沈んでいたから、僕たちは一晩この島で過ごす事にした。
僕はハナに頼み込んで色々出して貰った。
ライトで辺りを派手に照らして、大きな舞台を設置。
そこを皆んなで囲んで食べ物を頂きながらワチャワチャと楽しむ。
「パーティーだ!!!」
僕は舞台にボス熊と一緒にあがり、漫才をする。
会話が成り立っていないのが面白いのか、真咲以外にはとてもウケた。
豚一家も、賑やかになってとても楽しそうだ。
皆んなで笑い合っているこの時間、とても楽しいな。
そろそろ寝ようと片付けをして、それぞれの家に入って行く。
僕たちも別で出したテントへ目を擦りながら向かう。
真咲とハナが先に戻って、僕も入ろうとしていると、あの子豚がやってきた。
どうやら一緒に寝たいらしい。
ほんと、可愛いなあ。
またあの子の事を思い出す。
中に入って同じ布団に潜り、僕は子豚を抱きしめて眠る。
ああ、なんだか懐かしい。
幸せだな。
そのまま僕は眠りについた。
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