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1-3

走りながら僕は自分の右手を見つめる。

僕ってあんな力があったの?

でもここに来る前までは絶対なかったよね?

小説を書いてばかりいた僕の右手は一体どうなっちゃったんだろう。

そもそも、僕は元の世界に戻れるのかな?

また小説書けるのかな?

「……いや、このまま帰らないってのも?」

ゴゴゴゴゴッ!!!!

「おわ!」

急に地面が揺れ出す。

「あれ?」

目の前を見ると僕は狭く暗めの道から、明るく開けた場所へと来ていた。

地面がずっと揺れている。

真ん中の方に光が差し込んでいる場所がある。

僕は近くの物に捕まりながらそこへと向かう。

石碑(せきひ)?」

四角い石に見たことのない文字が並んでいる。

「こういうのって、なんとなく読めちゃったりするんだけどなあ」

その時。

「グアアーーーーー!!!!!」

とても大きな声が響いて僕が立っている地面にヒビが入る。

「んやあーーーーー!!!!!」

僕は急いでその場から後ろへ下がる。

ヒビ割れた地面がどんどん崩れていき、そこから火のようなものがチラチラと見える。

「何あれ!火山!!?噴火!?」

僕は訳が分からず近くにあった柱へ体を預ける。

ドンッ!!!!!

地面から急に現れたのは___

「龍!!!?」

しかも本とかアニメで見る普通の龍じゃない。

メラメラと燃えて今にも火を吹きそうな化け物。

しかも首が3つもある。

「グアーーー!!!」

龍はその長い首をそれぞれ動かして叫んでいる。

「ひえーーー!!!」

僕は短い首を横に振りながら叫んでいる。

「え、僕何かした?石碑の文字読んでないよね?復活の呪文とか言ってないよね?」

龍の首がこちらへと伸びてくる。

「ごめんなさい!ごめんなさい!僕ただのつむぎですう!!!」

下手な自己紹介しかできない僕。

そんな僕を気にせず龍は僕の前まで首を持ってきて、止まる。

あ、これ喋れるやつかな?お願い事聞いてくれるとか?

「あ、あいあむつむぎ〜」

僕がそう言って手を伸ばすと。

「ひっ!!!!」

龍は口を思い切り開け、その中では真っ赤な火が燃え盛っている。

その瞬間。

ボンッ!!!!

思い切り火を吹く龍。

「ーーー!!」

僕は思い切り火に襲われる。

「ーーー??」

けど、熱くない。

不思議な感覚だ。

目だって開けられるし、なんなら声も出せそうだ。

「あのお〜、これって僕襲われているんでしょうか

そう言って龍の方へと近づく。

龍は驚いたように僕から距離を取る。

「えっと、僕別にここを荒らそうとかお宝を盗んでやろうとか企んでいる訳じゃないんです」

「簡単な装備とか武器をひとつずつだけでも頂けるとありがたいのですが」

僕は物凄く気をつけながら、さらに近づく。

「お前は勇者なのか?」

龍が唐突に喋り出す。

「いや、多分違います。異世界に来ちゃって、少し強くなってるみたいな感じではあると思うのですが」

「……、お前には悪いがここで死んでもらわねばならん」

「え!何故ですか?僕何かしちゃいましたか?」

「そうじゃない、わしには勇者に倒されて宝と力を渡すという役目がある。その前に勇者でもないお前に邪魔される訳にはいかんのじゃ」

「僕邪魔なんてしないです!もう出ていきますので!」

そう言って僕は後ろへ振り返る。

「あれ!来た道が無い!」

僕が通ってきた道が綺麗になくなって壁になってしまっていた。

「そう、勇者以外のやつが入ってくるとそうなるのじゃ。そして、閉じられた壁は邪魔者が消えたらまた開く。で、わしは勇者が来るのを待っておる。意味、分かるかの?」

僕は顔が真っ青になる。

「帰らせてえ!!」

龍は3つの顔をグルグルと絡め始める。

ゴゴゴゴゴッ

すると、3つだった顔が1つになって今度は地面から体まで出てきた。

「恨むならお前の運命を恨め!」

そう言って口を大きく開けて向かってくる。

僕は必死に走って逃げる。

「はあはあ、どうしたら良いんだ?」

広場を大きく周ってさっきあった石碑の近くまで逃げる。

「これ、絶対何かあるよな」

ガンッ!!ガラガラッ!!

柱にぶつかりながら僕の方へと龍はまだ向かってきている。

その時僕はふと気づいた。

「ん?」

石碑の裏に目ん玉みたいな石が付いている。

「これだあ!」

僕は急いで石を無理矢理取って龍へ見せ付ける。

「これ大事な物だろ!壊しちゃうぞ!」

バクッ

急に目の前が真っ暗になる。

あ、これ食われたやつだ。

何も見えない。

この石関係なかったの?!

ボチャン

僕はどうやら丸()みされたらしく、胃液のような物がある場所へと落ちた。

「よし、まだ動ける!てか、僕多分強いんだよな?」

今更ながらそんな事を思い出す。

「一か八か……」

僕は胃液の中を進んで壁?まで行く。

そして思い切りそこ目掛(めが)けて殴る。

「うおりゃあーーーー!!!!」

手の甲が少し触れた瞬間、ブオン!と音がして目の前が明るくなる。

さっきの場所だった。

龍の体から出ると、龍は倒れていて息もしていなかった。

「本当に最強じゃん、僕」

助かったのにそんな不思議な力に若干(じゃっかん)引きながら、僕は辺りを見渡す。

特に何もなさそうだ。

「あれ、ここ開きそうだ」

石碑があった側の地面には、さっきは気づかなかったが取っ手みたいな物が付いている。

僕はそれを引き開ける。

「地下?」

下に行ける階段が付いていて、(あか)りも付いている。

「行ってみるしかないよね」

僕はいそいそと降りる。

道は真っ直ぐどこかへ続いているみたいだ。

そのまま僕は進んでいく____。



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