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光が落ち着く。
あれ、ここって。
「2人とも、大丈夫?」
「なんとかね」
「おう」
2人も辺りを見渡す。
広い海に白く綺麗な砂浜。
「あれ、ここあそこじゃない」
「どこだ?」
真咲が知らないのも無理はない。
ここは、僕が1番最初にいた島だ。
真咲に説明をする。
「なるほどな……元々誰でも辿り着ける場所じゃないんだよな。それなのにつむぎは2回も来られた。この石って、ここにワープできるアイテムって事か?」
うん、僕も真咲の意見と一緒だ。
「本当ならこの石でここのダンジョンを訪れる設定だったのかもね」
僕はそう言いながら海へ目を向ける。
「ね、せっかく来れたんだしさ、遊ぼうよ!」
二人の手を掴んで連れて行く。
「おい、ここモンスターいるんじゃなかったのか?」
「いや、ここは1度クリアしたらモンスター達が消えるようになっていたと思うわ」
ハナが曖昧に答える。
「大丈夫なのか?」
真咲が不安そうだ。
「大丈夫!!何か出て来ても僕の2人の友達は最強だからね!」
「それはお前だろ」
「それは貴方よ」
2人に同じ事を言われる。
あれ?2人とも喧嘩していたのに、むしろ仲良くなってない?
バチャッ!
「冷た〜い!!!」
キャッキャッと僕たちは遊び始める。
________暫く遊んだ後。
もう辺りは夕暮れ、夜になる前には寝床を探さなきゃいけない。
お腹も空いたしね。
「ねえ、お腹空いたしそろそろ寝床探そうよ」
まだ海に入っている2人に声をかける、が。
「おい、ゴミがないとはいえ裸足なんだからあんま適当に歩くなよ」
「うるさいわね、子ども扱いしないで」
真咲に心配されて顔を赤くするハナ。
……え、なになに?僕がいない間に2人の仲に何があったの?異世界いったら最強な主人公がモテるんじゃないの?真咲と僕立ち位置違くない?
ぽつん、と完全に取り残されている僕。
嫌だよ?応援とかしないからね?別に嫉妬とかじゃないし、なんならどうぞご自由にって感じだけどね?
ほんと、泣いてなんかないよ?
僕は大きく腕を振って2人の間へ無理やり入る。
「ね!ご飯食べたいな!うどん!真咲、うどん1年分食べるんでしょ?」
僕は真咲の目の前へ顔を持っていき、ハナを視界から消す。
「おお、うどんな。こっち来てから食べてないからなあ。そう言われたらなんか腹減って来たわ。早く食べに行こうぜ」
真咲がさっさと海から上がっていく。
僕はハナをチラッと見る。
「うどん……」
うどんに負けたのが悔しいのか、下を向いてしゅんとしている。
知らないよ?僕ご飯食べに行こって誘っただけだし?
「ハナも疲れてるでしょ?早く行くよ!」
ハナの背中を押して僕も海を出る。
「で、どこに行くの?」
ハナが聞いてくる。
「もう、さっきと同じようにランダムで良いよ〜」
「俺も同意見」
もう色々考えるのが面倒になってきた。
とりあえず早くご飯が食べたい。
「分かった、じゃあ手出して」
3人で手を繋ぐ。
気のせいか、ハナが少し真咲を意識している気がする。
今までだってこうやってワープしていたじゃないか!
僕は心の声を押し殺す。
「……僕、わかめうどんで」
「お!じゃあ、俺肉うどん」
「私よく分かんないから肉うどんで」
……ぐぅ!!!!!!!!!
僕はもう何も見ないように目を瞑る。
「じゃあ、行くわよ」




