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「いやあーーーー!あ?」
波が頭上から迫ってくる中、私たちは宙を舞っていた。
はずだけど、何故か浮いたまま止まっている。
「ふぐぅーーーー!!!」
つむぎがトマトみたいに顔を赤くして私たちの腕を掴んでいる。
あ、そうか、つむぎ浮けるんだった。
でも。
「降り方分かんないよ〜!てか、もう限界〜!」
「諦めないでよ〜!!!!」
落下が始まり私は叫ぶ。
「手!離すなよ!」
そう言って真咲がキョロキョロする。
そして、真咲が何かを睨む。
バサッ!!!!!
ハッと目を開けると、私とつむぎは大きな鷲に掴まれていた。
「真咲!?」
「かっこいいーーーー!!!!」
この現状の原因を起こしたつむぎは、呑気に感動している。
真咲が、1番最初に来た所へ降ろしてくれる。
変身を解いてその場に腰を下ろす。
私とつむぎもありがとう〜、と涙目になりながら同じように座る。
3人とも疲れて言葉が出ない。
なんだか色々大変だった……。
ふふっ。
私は何だかおかしくなって笑ってしまう。
すると、2人も顔を合わせて笑い出す。
「なあ、あれなんだったんだよ?」
真咲がつむぎに気になってた事を聞く。
「いやあ、実は色々ありまして。最初はテンポよくモンスター達を倒せていたんだけど、途中ですんごくお腹が空いちゃってね、それで何かお腹に入れられる物が無いかなって探していたら大きな樽が置いてあってさ。で、思わず喜んで口を付けようとしたんだ」
不用心ね。
「すると、アルコールの匂いがして僕は咄嗟に顔を離したんだ。そしたら樽がいきなり揺れ始めて、なんだ!?って思ったら中身がブワッと溢れてきて、それから逃げるのにずっと壁とか地面を殴って逃げていたら2人に会えたって訳」
なんでつむぎはいつも可笑しな事になるのかしら。
「てか、お前あそこで飛ぶのは危なすぎるだろ」
真咲が注意をする。
「いやあ、何とかなるさ!って感じだったんだけど、やっぱ真咲が何とかしてくれたでしょ?」
流石だね、ありがとうと笑顔で真咲にお礼を言うつむぎ。
真咲は勢いが消えておう…とだけ返事をしている。
あ、そうだ。
「ね、つむぎ。私と真咲同じ場所に繋がってて、こんな物をゲットしたんだけど」
私は真咲のポケットを指差す。
真咲がそこからあの黒くてゴツゴツした石を取り出して見せる。
「報酬じゃない?!え、僕あれだけモンスターと戦ったのにハズレだったって事?」
「逆だったんだろうな。ハズレが1箇所で、残りが当たりだった。つむぎお前、運悪いな」
つむぎはショックを受けてメソメソし始める。
「あんなに頑張ったのに……あんなに勇気を出せたのに……」
ああ、面倒くさい事になってる。
「でも!今までだったら貴方怖がって何もできなかったんでしょ?成長できたって事で、それが報酬なのよ!」
私は仕方なく励ましてあげる。
「ハナ……!」
つむぎが私に抱きつこうとする。
私は華麗に避ける。
「あ、でも約束は約束ね。私可愛い服とかっこいい装備!」
「じゃあ、俺うどん食いたい。1年分」
そんなあ〜とつむぎは悲しそうにする。
「で、その石どうするの?」
「割ってみるか?」
「いや、なんか呪われちゃいそうじゃない?」
3人で石を囲んで悩む。
「食べてみるとか?」
「いや、喉詰まって死ぬぞ」
「じゃあ、燃やしてみるとか、どう?」
私は指から火を出して少し炙ってみる。
が、何も起こらない。
「アルコール……とか?」
つむぎが言う。
!!!!!
「「あり得そう!」」
私と真咲の声が被る。
私たちはさっきのアルコールが溜まってできた大きな湖へと近づく。
真咲が黒い石を持ってその中へ入れる。
ブオン
石が光った。
その途端、私たちは紫色の光に包まれる。




