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「ねえ、次はどこに行くの?」
テントをしまいながらハナが聞いてくる。
んー、そうだなあ。
次に行くとしたら力を使える場所が良い。
「久しぶりに、ダンジョンに行きたいな」
「ダンジョンねえ、貴方ビビって逃げるんじゃないの?」
ふふっとイタズラっぽく笑う。
「もう逃げないよ!こんなに凄い力なんだって知れたから、怖がる心配がなくなって余裕だよ」
僕はほっぺを膨らませる。
「ダンジョンって基本どんな所にできるか決まってんのかな」
小さい石を組み立てて遊んでいた真咲が聞いてくる。
「んー、僕の時は山にできた洞窟だったよ」
海辺とも言えるけど、ダンジョン自体は山にあったもんね。
「そうだなあ、あまり似たような所には行きたくねえな。同じようなモンスターしか出なさそうだし」
真咲の言うように、どうせダンジョンに入るのなら、色んなモンスターと戦いたい。
「あ、異世界物だと採掘場跡とか地下施設とか、他に遺跡と海の中とかも出てくるね!」
「流石、詳しいな」
真咲がグッと親指を立てる。
僕も同じように立て返す。
今まで読んできたラノベの知識がここで活かされて、僕は嬉しくなる。
「異世界物ってなんの話?」
ハナの質問に僕たちは笑い合う。
「僕が旅をする理由になった物だよ。物語が完成したら、ハナに1番に読ませてあげるね!」
そう言ったけど、物語を完成させるって事はこの旅が終わるって事だよね、と僕は気づく。
……………。
真咲も黙って寂しそうにしている。
「一応楽しみにしてるわ!」
ハナはニカッと笑顔を見せる。
しゅんとしてる僕達に気づいたのかな。
「うん、約束!待っててね!」
僕も笑い返す。
「じゃあ、次の場所は今つむぎが言った中から選ぶか」
「そうだね、でも結局何処に何があるか分からないよね、どうしよう?」
そうだな、と真咲が腕を組む。
「とりあえず、着いてから似たような場所を片っ端探してみるか」
ハナと僕は賛成と手をあげる。
「じゃあ、完璧にランダムで行くわね。何処に着いても恨みっこなしよ」
「ランダム?」
真咲が頭にハテナを浮かべる。
「ええ、目的地を言わずワープとだけ言えば完全にランダムで飛ばされるの」
なんて危険な旅なんだ。
「それ、大丈夫なのか?急に火の中とかに飛んだりしねえよな?」
その場合僕だけは助かるけど、もしそうなったらトラウマものだ。
「私自身に危険がおよぶような場所には着かないと思うわ。だから、安心して」
……それって僕たちは安心できなくない?
「とにかく!旅って何も知らないのが楽しいんでしょ?ワクワクするじゃない、次はどんな場所に着くのか」
「まあ、それもそうだな」
真咲もハナの意見に同意する。
「じゃあ、もし危険な場所に着いたらどうするのかだけ決めておこうよ」
僕はまだ不安でいっぱいだ。
最強なはずなのに、僕ってハナが言っていたように本当にビビリなんだろうか。
ハナはじゃあ、と考えてくれる。
「もし、危険な場所に着いたらすぐに連続でワープを使う。それを繰り返せば、いつかはお目当ての場所に辿り着けるでしょう?」
そんな事もできるんだ。
てか、凄い脳筋だなあ。
「「了解」」
僕と真咲は声を合わせて返事をする。
ハナは満足気にして目を瞑る。
「じゃあ、行くわよ」
そして手を繋いで大きな声で口にする。
「ワープ!」
そして、僕たちは次の場所へと向かう。




