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目を開けると......
そこには広大な海が広がっていた。
今まで見たことのないようなとても透き通った綺麗な海。
「ここは?」
辺りを見回すと真っ白な砂浜の上に僕は居て、少し遠くには古く見えるログハウスみたいなのが一軒。
後ろにはどこまでも続く大きな森林。
「どこだろここ、僕部室にいたよね?てか、ゲームは??」
いつまでも座り込んでいても仕方がないので立ち上がって歩き回ってみる。
ゴミがひとつも落ちていない砂浜。
海の音だけが静かに聞こえる無人島みたいな雰囲気のある場所。
「お〜い、真咲〜!」
隣にいた筈の真咲もいないから、探しながら探索をする。
僕はさっき目に止まった一軒の家に行ってみる事にした。
キュッキュッ
歩くと変わった音がする。
そういえば、ゴミが少なく綺麗な浜ではそんな音がすると昔聞いた事がある。
「......ん!??」
足元を見ながら歩いていた僕は顔を上げて驚く。
近づこうとしていた家に誰かが入ろうとしている。
その【誰か】が人ではない事が明らかに見て分かる。
小さく緑色の体で耳はとんがっている。
僕は急いで森林の方へと身を隠す。
(え、あれってあれだよね?あれ?モンスターってやつ?)
僕は混乱したまま家の方をまた覗いてみる。
やっぱり、さっきの生き物ゲームとかでよく見るモンスターと似たような格好をしている。
僕は茂みの中で手を組んで考えてみる。
......これってもしかして異世界に飛んじゃった感じ!?
いやでもそんな事あるのか?!
僕はそばにある葉っぱを恐る恐る舐めてみる。
「うえっ!!!!!」
まずい、とてもまずい。
これ、夢じゃない!
現実なんだ!
そうなると僕はこの後どうすれば良いのだろう。
ゲームとかラノベとかだと武器を手に入れたり、装備を付けたりするんだけど。
てか、真咲は大丈夫なのかな?
いや、今は誰かの心配をしている場合じゃない。
僕は自分自身を守らなくちゃ。
まず装備と武器を探す事にしよう。
少しずつ落ち着いてきた僕は、立ち上がって先ほどの家とは反対の森林の方へと歩いてみる。
暫く歩いていると、奥の方にトンネルのようなものが見えてきた。
いや、トンネルっていうか、山を掘った感じかな?
大きな穴がぽっかり空いている。
モンスターたちが掘ったんだろうか。
だとしたらこの先はモンスターの巣???
でもそれだとさっきの家は一体?
ポタッ
「......!!なに!?」
入ろうか悩んでいる僕の頭に何かが落ちて来た。
頭の上に手を乗せるとヌチャッと嫌な音がした。
手を見ると透明な液体が手にまとわりついている。
「うわ、気持ち悪い!」
僕は驚いて上を見る。
「…………」
木の上にはさっき見た緑色のモンスターがいて、僕を見ながらよだれを垂らしている。
…………。
「うわあーーーー!!!!!!!」
一瞬、フリーズしてしまった僕はパニックになって穴の中へと走って入って行く。
すると、目の前からも緑のモンスター達がゾロゾロとやってくる。
そのうちの1匹が僕目掛けて飛び込んでくる。
「いやあーーーーーーー!!!!!」
僕は思わず右手で殴る。
バキィ!!!!
ドサッ
「え、え!!?」
モンスターは凄い音を立てて倒れる。
自分の右手と倒れたモンスターを交互に見る僕。
僕が殴ったほっぺは腫れ上がって、口から紫色の血がドバドバ流れている。
他のモンスター達が僕の方を見て睨む。
「いやいやいや!僕じゃないです!僕じゃないですからあー!!!!」
モンスター達は容赦なく僕に襲いかかってくる。
「来ないでえーー!!!」
ドカッバキッボゴッ
次々倒れて行くモンスター。
「え!もしかして僕強い!???強いの?!」
イライラし始めたモンスター達は何やら集まって話し合い始めた。
「え、なになに!怖いから仲間はずれやめてえ!」
頷き合ったモンスター達は溶け始め、緑色の液体となる。
「ひえええ!!気持ち悪いー!!!」
僕の足はもう恐怖と気持ち悪さに襲われガクガクで動けない。
そんな僕の目の前で液体となったモンスター達は、合体して巨大なモンスターへと変化した。
………いや、もう無理でしょ。
流石に無理だと判断した僕は、その場でうずくまり頭を抱える。
うう、僕なんでこんな目にあってるんだ?
せっかく人生面白そうな感じになってきてたのに!
あ、小説もまだまだ書ききれてないし、未練がありまくりだよ〜!!
巨大なモンスターは大きな腕を振り上げ僕へと思い切り振り落とす。
その時、足元で何かが動く音がした。
カサッ
「?」
僕は片目だけ開けて見てみる。
「ゴギブリーーーー!!!?!!!?」
僕は思わず立ち上がる。
「あっ!」
しまった!と思った瞬間。
グシャッ!!!!パンッ!!!!
立ち上がった僕の頭に当たったモンスターの腕が、思い切り潰れて飛び散った。
ドスン!!!!
そのまま巨大モンスターは大きな音を立てて倒れてしまう。
「……え、どゆこと?」
「ーーーーー!!!!!!」
「うわっ!」
後ろからあいつらの叫び声?が聞こえてくる。
僕は目の前で起きた事に理解が追いつかないまま、とりあえず穴の奥へと走っていく。
とにかく、次の敵が出てくるまでに装備と武器を手に入れなきゃ!




