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1人ご飯  作者: WAIai
7/9

【7】

皆と別れた後、あかりは1人で居酒屋に入った。

「いらっしゃい」

「1人なんですけど…」

少し飲みたりなかったので、1人でここまでやってきた。初めて入る店だが、座席は1席だけ空いていた。

「何する?」 

「それじゃ、日本酒の冷やを。八海山で」

「あいよ」

店主は元気よく答え、コップに日本酒を並々と注ぐ。それを貰ったあかりは1口入れて、くぅと満足そうに顔を歪める。

「後は何する?」

「焼き鳥の軟骨とももとつくねを」

「分かった」

店主というよりも大将とあだ名をつけたほうが似合う人だった。タレの匂いが美味しそうに漂ってくる。皆酔っていて、自分たちの世界に入っているようだった。

「おいしい」

冷酒を一気に煽って、続きの注文をする。

「今度も日本酒の冷やで」

「ねぇちゃん、酒に強いんだな」

「おかげ様で」

大将に答えると、彼は嬉しそうに笑った。女1人で入ってきたのに、不満はなさそうだった。

「はい、もも」 

「ありがとうございます」

差し出された串を持って、口に頬張る。タレが絶妙で甘辛く、子どもでも美味しく食べれる1品だった。

「大将、美味しい」

つい口が滑ると、彼はニヤリと口の端を上げる。

「はい、冷酒」

「どうも」

受け取る時に少し溢れたので、手を舐める。勿体ないと思った行動だったが、誰も汚いとは言わなかった。

ー焼き鳥、最高!!

広人と千代の料理でお腹がいっぱいだったが、ここの料理はまた別腹だった。更に注文して、出来上がるのを待つ。

ー気兼ねしなくていいから、今日は飲むぞ。

日本酒をグビグビと飲むと、プハーと息を吐き出す。おやじ化している気がしたが、特に気にしなかった。

ーやっぱり、私には1人ご飯が合うかも。

またつくねを頬張り、美味しそうに咀嚼する。

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