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1人ご飯  作者: WAIai
4/9

【4】

あかりの仕事はOLだった。お茶くみをしたり、男性職員に頼まれた仕事をパソコンに打ち込むのが、主な仕事だった。

「木田さん」

「はい。課長、何でしょう?」

席から立つと、課長の前に移動する。課長は50代で白髪のある男性だった。

「今度新人が入るから、歓迎会の場所を考えてくれないか?」

「私が決めて良いんですか?」

「ああ、頼んだ。君なら美味しいお店を知っていそうだし」

チラリと体型を見られて、恥ずかしくなる。そんなに太っているつもりはないのだが、体重計にはのらないようにしていた。

「和風と洋風と中華、どれが良いですか?」

「皆に聞いてみてくれ」

「はい。分かりました」

あかりは課長の前から下がると、デスクに居る皆に聞いてみる。

「どこが良い?」

「俺、洋風」

「俺も」

「俺は和風が良い」

「あたしも和風が良い」

様々な意見が出て、あかりは困りはてた。全部統一して、出してくれる店なんて、あるわけがなかった。ただ、一つだけ手があった。幼馴染の広人に頼めば良いのだ。

「じゃあ、ここは?」

パソコンで皆に店を紹介する。すると、皆の顔が明るくなる。

「ここなら良さそう。オシャレだし、皆?」

「ここなら雰囲気も落ち着いていそう。値段は高いの?」

「普通かなあ。味は保証するわよ」 

今度全員一致で決定して、あかりも肩の荷をおろす。広人には怒られるかもしれないが、手先が器用な彼なら何でも作ってくれそうだった。

「ちょっと値段ははるかもしれないけど…」

「構わない。そこで良い」

男性職員の言葉に全員頷く。自分が褒められた気がし、あかりは満足そうに頷く。

「じゃあ、早速、予約しますね」

受話器を持つと、広人の店に電話をかけたのだった。

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