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五分の四
「だが、そうなると……そっちで長男との接触が必要になるぞ。俺はもう次男坊に声掛けられてるから」
「ご心配なく。それより、団員の振り分けはどうします?」
「そっちに戦力を優先して、こっちは、まぁ五人ほど連れて行ければ十分だ」
「では、残りの二十五人を連れて、私が長男に付けば宜しいですね?」
「人選は任せる。俺はちょっと、疲れたんで休ませてもらうよ」
「団員への説明はどうしましょう?」
「ああ、それで頼む! じゃ、お休み」
そう言うと、ヴィクトールは去ってしまった。
「ああ、それでって……」
(丸投げじゃないですか)
「良いとこ見せるじゃないですか、団長も」
「何?」
ロイドの発言がハーマンを苛立たせた。だが、発言には続きがある。
「副団長が全然、眠れて無いの気遣って、ご自分が休みに行ったんですよ」
「そうなのか?」
「そうでもしないと、副団長が休めないの、ご承知なんですよ」
ヴィクトールの真意は判らずともハーマンには充分だった。
腹の奥底からやる気が漲ってくる!