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五分の一
「団を二つに分ける?」
ハーマンを除く、四人の声が揃った。
「まぁ、そうなるでしょうね」
それが用意された答えだったかのように、淡々と受け入れたハーマンにメセナが食ってかかる。
「何でだ? 何で副団長のアンタが、そんな平然としてるんだよ!」
「そうでもしねぇと、あっという間に決着がつくだろ?」
ヴィクトールの一言で、メセナを除く三人の理解が一致した。
「そうか! 当分、食いっぱぐれの心配がねぇのか!」
ロイドの濁声が響いた。
「久々に二人で、らしい仕事が出来るなぁ、オットー!」
「判んないぜ? 別々に分かれるかも知れないし、俺達」
「何だ? お前ら一体、どう言うんだ、これ……」
周囲の動向に一人、置いてけぼりにされた不安がメセナに広がる。
「で? お前は何方につく? 俺か? ハーマンか?」
「はぁ? 何でそういう話になるんだよ!」
「別に、本気で団を二つに分ける訳じゃないですよ」
察しの悪いメセナを見かねたハーマンが導く。