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五分の一

「まさか、話が(こじ)れて……殺されてるってことないよな?」


 団長の消息が途絶えて五日が過ぎ、いよいよ心許(こころもと)なくなったメセナの口からは、最悪の憶測が飛び出した。


「不穏なことを、その口切り落とされたいか!」


 ハーマンの殺気が憶測に真実味を加える……それだけ事態は切迫していた。


 現状、この事実を知る団員は五人。ハーマン、メセナ、オットー、キグナス……ホギ村一行と当日馬番をしていた濁声(だみごえ)のロイド。


「あんな軽装で行かせなきゃ……クソ!」


 ロイドは団長を急かしたことを責めた。


 事態をハッキリさせる為にも、ホギ村に探りを入れるのが一番なのだが……。


 ハーマンは決断に憂慮した。


 仮に団長が捕えられているとして、少人数での救出作戦は奪還に時間が掛かると、(かえ)って人質を危険に晒す。


 だからと言って、団員に真相を伝えることも躊躇(ためら)われた。向こうのスパイが紛れ込んでいる可能性を完全に否定しないことには、類が及ぶ。


 五日間の葛藤の果てに、ハーマンが得たもの……。


 それは全身に(まと)わりついた殺気だけ……。


 だが、事態はもっと最悪かも知れない。


 周囲が殺気に気付き始めた。


「今日の副団長に逆らったら首が飛ぶかも知れない……」


 ハーマンの恐怖支配は、本人が思ってる以上に傭兵団に浸透してきているのだ。


 そんな折、事態は急変する。

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