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I need you...  作者: まっく
5/10

5.Like a Snow Flake

「すっごい雪ですねー」


わざと道の端っこの新雪の上を歩いていた春陽が、ふと目をあげて言う。

サクサクと言う音が心地よかったのか、上気した笑顔だった。


「ああ、ほんとにな。久しぶりだよな、こんなのも」


「ふふ、うんざりした声だね、ズイブン」


「うん?まあ、イロイロとめんどくさいからな」


「あたし、雪好き。」

「・・・さっきの、神様イジワル発言は何よ?って感じなんだけど」

「あはは、でも、好きなんですよ」

キラキラした目でそんな事言うから、僕は少し照れくさくなった。


「私の実家の方って雪あまり降らないですから。」

「ええっと。ああ、九州の方だっけ」

「うん福岡。降っても、たまぁに。だから降るって言われるといつもワクワクしてたな」

「そっかあ、そういや子供の頃は俺もはしゃいでたっけな。こっちだって毎年降るってわけでもないしさ」

「そうだよね。・・・まああたしは今でも楽しいんだけど」

「そりゃあ、やっぱり、春陽はまだまだお子ちゃまだもの」

「もー、絶対言うと思った」


ホワイトクリスマス・・・雪が大好きな女の子。

どうしてこんな時間まで、働いていたのか。

暗いオフィスの中で、一人残っていたのか。


そのコタエを僕は知っている。

だからその笑顔を見るたびに、胸が痛んだ。

そしてその反面にある自分の中の喜びを、今はただ見ないように僕は目を瞑った。



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