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勝負の◯✖ゲーム 其の參

 さて、最後の脱落者ポーズである。

 ……これ、する必要ある? 早くどこの科が柏餅を貰えるか、結果を知りたいんですけど、私は! そうこうしているうちに最後のお題のポーズが出された。


 脱落者たちは全員で30秒間、GG立ちポーズの静止が課せられた。

 

 GG立ちとは、とある漫画のキャラクターたちの独特な立ちポーズを指すのだ。そのポーズは様々で多数 存在する。真似するのが難しいものもあるが、格好良くて、綺麗でお洒落で、とにかく素敵なポーズが多い!

 

 生徒会メンバーの中にファンがいるな、これ(笑)そこを最後にチョイスしてくるところが何ともコアなファンのような気がするんだけど……誰なんだろう〜。

 

 周りの人たちもGG立ちの意味が分かっていて、大体、正解のいろんなポーズを決め始めていた。


 でも奏介だけ……。早々にビシッ! と決めて立っていたのだけれど……それ、メガちゃんのカッペッペポーズだよね⁈ 違うし! 奏介がメガちゃん大好きで大ファンなのは、よく知ってるけど、今はGG立ちがお題なんですけど! でもスタイル良くて筋骨隆々だから、無駄にカッコいい‼︎ しかも、めっちゃ真面目な素の顔して、自信満々に立って止まってるのが、何ともまた……。

 その意外な姿を見て、アネやんと吉乃が爆笑しとる……。奏介、ご愁傷様です、ハイ……。

 

 30秒経って、ポーズの時間が終了してからすぐに奏介の元へ行った。まだ笑いの止まらないアネやんと吉乃を引き連れて。そんな笑わないであげてよ。多分、奏介は……。


「奏介〜! 何でさっきのポーズしたん⁈ お題はGG立ちだよ?」


「おぉ、絲! 何か悪かったか? 変だったか⁇ 俺さー、GG立ちポーズとか知らんて! 分からんて! だからさ、俺にとっての最高でメガちゃん最古のポーズをチョイスしたんだよ。何気に溶け込んでたくね? カッコよかったくね⁇」


「アホかー! ひとり全然違うがな‼︎」

 

 やっぱり知らなかったんだな、GG立ちを。

 

「いや、絲は知っとるから そう思うんさ。見物できんのは勝ち残ったヤツだけだから、周りは分かってないって!」

 

「アネやんも、そして吉乃までも笑ってますけど? ついでに先生方もお笑いになってましたけども⁈」


「だって、見物できたんは勝者と先生方やから、そら見て笑うさ」


「いや、そこを言ってるんではなくてね。奏介のポーズが何を指してるのかを分かって、みんな笑ってるんよ」


「そうかっ! 似てたか⁈  笑ってくれたんやったら、俺は嬉しいなぁー」

 

 奏介さんよ、あなたはお笑い芸人さんですか⁈ 笑ってくれて嬉しいって何よ? すると吉乃が、

 

「奏介くん! さっ、最高だよ。もう涙、出てきちゃった」


「そうかっ、最高か♪ ありがとうな、吉乃っち!」

 

 お礼言ってるよ、この人。アネやん、またもや爆笑し始めたよ……。奏介は2人が心から笑ってくれている状況に満足してニコニコしてる。抜けてるんだか、何なんだか……。


 奏介はとにかく陸上の練習、練習ばかりだから、テレビを見たりとか、流行りのものを知るとか、そんな時間はほぼない。家に帰っても食べて、寝るだけ。朝は明け方5時から学校へ行って朝練、そのまま授業を受けて、夕方から夜までまた練習するというスーパーハードな生活を送ってる。そんな生活の中で、唯一ずっと心の支えとして大好きなのがメガちゃんなのだ。

 

 大会に出ても勝てず、走りもうまくいかず、怪我や故障も重なったりして、ドン底のスランプ状態にある時に、直接的ではないけれど、メガちゃんに心を救われたのがきっかけらしい。そこからメガちゃんのことを調べまくって、芸に対するストイックさや考え方、そして行動を学んで、それらを練習に置き換えて頑張ってきたらしい。……置き換えれるものなん、それ⁇ でも、それで昨年の夏、全国大会で優勝することができたのは紛れもない事実だ。


 いつか陸上で有名になって、本物のメガちゃんに会って、褒めてもらいたい! と。それまでは弱い自分自身と戦いながら勝っていき、常に上を目指して進んでいきたい、それが彼の夢であると聞いた。


 ピュアなんだけど、世間とは少ーしズレているから、時々さっきのような珍回答をすることがある。それが奏介らしいと言えばそうなんだけど、幼馴染の私としては心配です、ハイ……。

 

 そうしているうちに表彰式が始まった。

 残った7人には優秀賞として、校長先生からZOBULA(ゾブラ)のボールペンが配られた。知ってる、これ! 持ちやすい、書きやすい、インク長持ち! の、超優れもののボールペンなのだ。愛用しているボールペンだから嬉しい! ありがとう、校長先生‼︎ 分かってらっしゃる!

 

 いよいよ結果発表だ! 残った人数の多い科が優勝になる。残っている他の4人は学年も分からないけど、サンデの人たちではなさそうだ。どこの科の人たちなんだろう……。あっちは4人で一緒に立ってるから、同じ科なのかなぁ。


「では、発表します! 優勝は……」


 でたよ、ドラムロール(笑)

 

 ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルードゥルドゥルドゥルドゥルドゥルードゥルドゥルドゥルドゥルドゥルー

 

 長いよ、長いww

 ……バン♬

 っっお願い! 神様‼︎

 

「優勝は、3名残った産業デザイン科です! おめでとうございますっ」


「うそっ⁈ 優勝だって! アネやん、吉乃! 私らが優勝だって! 柏餅、ゲットだよぉ〜。ヤッタァー」

 

 2人とも一瞬呆けたのち、現実世界に戻ってきて喜びを爆発させた。

 

「やったわー♫ 3人で頑張って良かったわぁー」


「うんうん! 嬉しい、嬉しいぃ〜!」

 

 奏介も近くでジャンプしながら、喜んでる⁈ いや、あーたは優勝してないし、柏餅は貰えませんけど? なして喜んでるんだ⁇

 

「絲っ! 良かったなぁー、3人とも頑張ったなぁーすげぇよ‼︎ ヒャッホー♪」

 

 あぁ、そうだった……。奏介は誰かに良い出来事が起こったとき、必ず自分のことのように喜んで、健闘を讃えてくれる人だった。でもさ、今どきヒャッホー♪ は言わんなっ(笑)……ありがとう、奏介!

 

 表彰には代表でアネやんに前へ出てもらって、賞状と柏餅一式を受け取った。それから各科に分かれて、またみんなの前に立たされて、大きな拍手と先輩方からの感謝の言葉を貰った。3人で顔を見合わせて、ともに喜びを噛み締め合った。

 

 お弁当の時、柏餅を半分にして、こっそり奏介にも持って行ってあげた。凄い喜んでくれたのに、ひと口で食べちゃったよ……。もぉおおー、もっと噛みしめてよー!!

 でも、楽しく嬉しい思い出が上書きされた気分だった。

読んで下さり、ありがとうございます!

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