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赤竜の伝説  作者: ラト
新たな人生?いや竜生だ!
8/21

第7話 擬人化の秘薬

今回は、擬人化の秘薬を作るのと、健君が使う所まであるので、結構長いです。

人間になる?


それは賢者の魔法でか?(モで始まるアレ?)

それとも緑の巨人が持ってそうなあの杖でか?


でもこの答えは〈YES〉だ!

これが何かのジョークだとしても、赤竜として一生を生きていくのは御免だ。



「答えは決まっている様ですね。それでは人間になれる方法を教えますね」


フリルに返事が届いていた様だ。でもこの答えは決して揺るぐ事はない。人間になれるのであれば何だってするつもりだ!


僕は〈人間になれる〉ってワードに目を惹かれる。


早速フリルは人間になれる方法を教えてくれる。


「まず、人間になると言うのは、本当に人間になる訳ではなく、あくまでも〈擬人化〉すると言う事です。


つまりは仮に貴方が人間になっても、貴方の〈火炎息〉や、

竜の性質を失う訳ではありません」


なんてこった…例え人間になったとしても、くしゃみができないじゃないか!


僕は拗ねてしまった。けどその心配はなかった。


「ですが、ドラゴンやモンスターが〈擬人化〉すると、本来のパワーが出ない場合があります。


これは貴方にとってはメリットと言うべきですね。

だから人間になって、自我を保っている限り、何か壊す事はないでしょう」


さっきから僕の心をことごとく読み取ってくるなぁ〜、これじゃあんまり変な考えが出来ねぇな。


だが、もしその方法で人間になれれば、僕はおっかない赤竜生活とおさらば出来ると言う訳か、しかも赤竜の力も抑えられる。こんなに都合の良いものは無い!


早速フリルに〈僕を人間にしてくれ!〉と伝える。


「貴方を人間の姿に変えさせたいのは山々ですが、生憎その〈材料〉を切らしてしまいました」


材料?それを切らしたって事は消耗品なのか?

僕がイメージしていた物とは、何か違う様だ。


それより足りない材料とやらは一体何なのか?

僕はフリルに伝える。


「はい、貴方を人間にする方法なんですが、それはある秘薬を使って、人間にしようと思っていました。


しかし、この前の研究で、〈マンドラゴラ〉と

〈超・栄養の元〉を切らしてしまいました、そして申し訳無いのですが、それを取ってきて貰えませんか?


私は〈超・栄養の元〉を調達してきます」


何だろう、この材料の組み合わせ、どっかで見た事あるぞ!!いや本当に見た事ある訳じゃなくて、何かのゲームで見た組み合わせだな!



けど肝心の〈マンドラゴラ〉は何処で手に入れるんだ?どんな物なのかは、何故か想像できるが・・・

取り敢えず、何処にあるのかを伝える。


「取りに行ってもらえるのですね、ありがとうございます。場所はこの森を真っ直ぐ行って、その奥深くにあります」


この森の奥深くか、飛んで行けば何か見つかりそうだ

僕は空中から森の奥へ行こうとすると、


「ちょっと待ってください!〈マンドラゴラ〉は危険な猛毒や幻覚作用がある植物です。ですので、仕留める時、キバでかじったりしないでくださいね。


あ、あと植物ですので、炎の攻撃もやめてくださいね。アレ結構燃えやすくて、すぐに黒焦げになってしまうので…」


仕留めるって事は襲って来るのかよ!!

しかも結構シビアな戦い方をしなくちゃならないのか。

こりゃ一筋縄ではいかないな。


フリルの注意事項を聞き、森の奥まで飛んでいく。


さっきの所より豊かに生茂る一帯があったので、そこで降りてみる。


何本か枝を折った気がするが、着地は出来た。

けど植物があちこちにあるせいで、視界が妨げられる。


いっその事全部燃やそうかとも考えたが、火事になったらフリルに作ってもらえなそうなので、やめた。


周りには、植物系のモンスターらしき者がゾロゾロいたが、僕が近づくと、殆ど逃げていった。

余計な戦闘がないから嬉しいけど、今度は何か悲しい気分になる。


しばらく歩いていると、茶色い植物が埋まっていた。

しかも結構広い所へ出たので、割と分かりやすい。


多分これだろうなと、思った僕は、周りの土を掘り下げ、〈マンドラゴラ〉らしき物に触れようとした途端、おぞましい叫び声を浴びせられる。


うぅ、何か苦しい、生命力が奪われてる様な気がする。早くアイツを止めなければ!僕はブレスで燃やそうとするが、それではアイツが燃えカスになってしまう。


身動きが取れない!異世界へ来てからこんなに苦しい思いをするのは初めてだ、けどここでグチグチ言っても現状は変わらない!ブレス以外でアイツを止める!


僕は尻尾を何度かぶん回す。けど苦しみのせいか、集中力が欠け、全然当たらない。


コイツはまずい、状況はどんどん悪化する。

こうなれば、ファイドラをココヘ来てくるんだった。


クソぉ!このままではアイツによってくたばるだけだ!これで終わらせるしか!


僕は今ある力でマンドラゴラらしき植物に向かい、顎を下す。


「ギシャアァァ!……」


叫び声は聞こえなくなった。そして原型は無事だ。


危なかった、もしあの攻撃があたらなかったら本当マズい事になってた。


やっぱりどの世界でも、簡単に物事は進まんし、なんでも楽勝って訳にはいかないなぁ〜


僕はヘトヘトになりながらも、マンドラゴラを潰さない様に持ち、空を飛び、フリルが居た所へ帰る。


何とか空を飛ぶ体力を残しながらも、フリルの元へ着くとその場で倒れてしまう。


その際にかすれた声が聞こえる


「大丈夫ですか?でも、よくマンドラゴラを調達出来ましたね。私は秘薬を作ってくるので目が覚めたら、私の家に来なさい」


ー数時間後ー


目がパッチリと開いた。

んん、よく寝たなぁ、何時間くらい寝てたんだろう?


でも体力が回復してきたな、取り敢えず言われた通り、フリルの家へ行こう。



僕はフリルの元へ行くと、青く輝く球体が5〜6個、外に用意されていた。


「出来ましたよ、ドラゴンやモンスターを〈擬人化〉させる事が出来る秘薬、名付けて〈ヒューマオクスリ〉です」


ヒューマオクスリ!?

人間になれるお薬だからヒューマオクスリ?


なんで人間をヒューマにしたの?賢者様って英語分かるの?

ってかどんなネーミングセンスをしているんだよ…


秘薬の名前は酷いセンスだが、今僕が求めるのに間違いはない。


フリルは秘薬ヒューマオクスリを手に取り、僕の口に入れさせる。


「はい、あ〜ん」


子供か!!


でも実際にフリルのおかげで楽に飲む事が出来た。

そして味だが、なんか塩っぱい。塩飴を飲み込んだ感じだ。


秘薬ヒューマオクスリを飲んで1分くらい経ち、僕の体が光り始めた。なんとも神々しいんだ!そしてだんだん体が縮んでくる。


しばらくして光が消えていき、フリルとの目線が対等になった。


「無事に人間になれましたね、健さん。

これで貴方は自由に、人間の生活を送る事が出来るでしょう」


「やった、、人間になったんだ!!」


僕はこの世界で初めて声を出した。

自分の声が出せる事が素晴らしいと思うなんて。


「おめでとうございます。健さん………あと、服は私が用意しますね・・・」


フリルは顔を赤らめながら、家の中へ入る。


僕は自分の体を見回した。


………僕は女性にありのままの姿を見せていた。


「人間の姿を手に入れたって言うのに……」


小声でそう、呟いた


しばらくするとフリルが着替えを用意してくれた。


「と、取り敢えずこれを着てください……」


着替えを投げつけ、家の中へ隠れる。

心が痛すぎる。


僕は用意してもらった服やズボンを履き、ある程度の荷物が入る布袋に銀色の鞘に納められた剣も一緒にあったので、それを身につけた。


「着替えましたよー!」


フリルがジロジロしながら、家から出て行く。


「サイズとかはどうですか?

あ、あとその剣は〈ホワイトソード〉と言う剣で、魔力を宿らせる事が出来る、代物ですよ。

白だけに・・・


まぁ、私からのプレゼントです。大事に使ってくださいね」


なんて手厚いプレゼントだ、しかも用意してもらった服も、ピッタリで、動きやすい。


「ありがとうございます。そして雷雲の時も僕とあの火竜を守っていただいたり、秘薬を作っていただいたり、服などを用意してもらったりと、色々お世話になりました)


僕はフリル、いや〈賢者〉様に心から感謝した。


「フフ、どういたしまして」


早速僕は人間の街へ行こうとするが、ここら辺で待機させていたファイドラの姿が見当たらない!

何処に行ったの?


「あの、フリルさん!、ファイドラは、いやここら辺にいた火竜が何処へ行ったか知りませんか?」


「貴方のお友達なら、〈秘薬ヒューマオクスリ〉を飲んで、狩りへ行きましたよ。そろそろ帰ってくると思うのですが」


ファイドラも飲んだのか?

擬人化の秘薬を!?


「何故あの火竜に、秘薬を飲ませたのですか?

もしかして、間違えて飲み込んでしまったとか!?」


「そ、その通りです!あの火竜、完成させた〈秘薬ヒューマオクスリ〉を外に置いていたら、一つだけ飲み込んでしまったのです!!」


嘘だろ!図星かよ!!

アイツ気になった物を何でも口に入れる奴だったのかよ。


僕は今後のファイドラが心配になった。


「あの、大丈夫なんですか?あの火竜、人間になってしまったんですよね?どうにかして元の姿に戻せませんか?」


「それでしたら大丈夫ですよ。元の姿に戻りたいと、自分の意思で念じれば、ちゃんと戻れますよ。勿論本来の力も取り戻します。」


良かった。って事は僕も自分の意思で、また赤竜になれるって事か。出来ればもう赤竜にはなりたくはないが…


「あ、帰って来ましたよ。貴方のお友達が」


周りの草がカサカサ鳴る。そして僕達の元へ飛び出す。


「ただ今戻りました。ん?貴方は?」


「ふぁ、ファイドラ?」


ファイドラ、まさかの誤飲・・・


でも火竜の擬人化ってなんかカッコ良さそう

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