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赤竜の伝説  作者: ラト
新たな人生?いや竜生だ!
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第6話 賢者に会えちゃった

うぅ、なんか気持ち悪い。


どうやらさっき、飛ばされた衝撃みたいなのを食らっちゃった様だ。それより、ここは何処だ?


今僕が見えるのは木々が生い茂っていて、見た事ない植物が並ぶ〈密林〉みたいな所、そしてその目の前にベランダのある、丸太の家が建っていた。


そして、さっきまで雷雲に襲われていた僕達だったが、今空を見上げても雲一つない。もしかしてまた僕・・・


流石に二回目の転生は無いよな?と内面ひやっとしたが、それは無い様だ。


あの時の様に周りを見渡したが、ちゃんと赤い翼と尻尾が生えてるし、何よりも旅の途中で出会った、異世界の生き物もここに生息していた。


そしてちゃんとファイドラも一緒にいる。今はさっきの転送?みたいなのでやられたのか気絶しているが、なんとか無事だ。


とりあえずは気絶したファイドラを起こすか

僕はファイドラの背中を甘噛みして、左右に揺さぶった。


「ギャァァァ!やめてぇぇ!」


ファイドラは悲鳴を上げながら、目覚めた。


「もうちょっと優しく起こしてくれませんか!?手加減してくれたとはいえ、痛かったですよ!」


ファイドラは涙目になりながら僕に訴える。

ごめんね…


ファイドラとそんなやり取りをしていると、嵐の中で出会った人と対面した。


後ろ姿しか見てなかったが、その人は18歳くらいの女性で綺麗な銀髪だ。そして彼女は僕に


「やっと起きましたね、小さき子よ」


誰が小さき子じゃい!ってんん?〈小さき子?〉なんでドラゴンの姿になってる僕を小さき子って言うんだ?しかもこの声、どっかで聞いた事ある声…


もしかして彼女、感覚を失って身動きが取れなかった僕に、声をかけた人なんじゃ!?


僕はそう思ったが、直接彼女と会話する事が出来ない。

ファイドラの様に爪で書こうにも、ここで字を書いたら、周りの木や植物を崩してしまう。


残念ながらその真相を知る事が出来ない、と思っていたら


「何か私に伝えたい事がある様ですね、なら私に伝えたい事を強く念じるのです。それを私が読み取ります」


なんじゃそりゃ?超能力者かよ。ツッコんだが、僕達を転送する人だ。彼女の言う通り、伝えたい事を念じてみよう。


僕は心の中で〈僕の事を知ってるか?〉と念じる。


彼女は


「はい、貴方の事は何でも知っています。ですが、今ここで話すとお友達のドラゴンが混乱するでしょう」


「ん??」


ファイドラは何言ってるか分からないって顔をしてるが、彼女は僕の事を見抜いてる様だ。


そしてファイドラの事を心配する限り、僕が異世界へ転生した人間である事を分かっている筈。


まずはファイドラにここで待つ様に、尻尾を振り払って伝え、ファイドラは


「ここで待ってますと言った」


理解してくれた様だ。


彼女が別の所へ案内するので、僕は付いていき、ファイドラと十分距離を取った所で


「ここで良いでしょう。そしてまだ自己紹介してませんでしたね」


と彼女がいう。


「初めてまして、私は「フリル」〈賢者〉です」


彼女は自分の身分を明かした。そして滅多に会えない筈の〈賢者〉に会っちまった!…けど何だろう?なんか知ってたって感じがする。


魔法をマスターした者って言ってたし、さっきの結界と言い、転送みたいなヤツを使った人だからな。もう何となく察したわ。


賢者「フリル」からの自己紹介も終わったので僕も心の中に念じて、自己紹介する。


〈こちらこそ初めてまして、僕は日本って言う国、いや、地球と言う星に生まれた人間です。名前は「遠野健」です〉

とフリルに向かって念じた。


彼女はちょっと得意げに


「自己紹介ありがとうございます、健さん。ですが、私は貴方の事を知っています」


どうゆう事だ?知っているって言っても僕の何を知っているのだ?


僕はいきなりそんな事を言われて頭がこんがらがった。

フリルは慌てている僕に


「ああ、ごめんなさい。急にその様な事を言われたら、この人何言ってんのって思ってしまいますよね」


と僕を宥める。


でも、僕の事をどれくらい知っているのか?

彼女に聞いてみる。


〈フリルさん、僕の事を知ってるって、何処らへんを知ってるんですか?〉


この後、耳を疑う様な返事が返ってくる。


「そうですね、一応貴方の身分やどうして死んでしまったのか?も知っています。


そして貴方が何故、〈赤竜〉と呼ばれるドラゴンに転生したのかも、私には分かります」


僕がドラゴンになった訳を知っている人が居たの!?

賢者って一体何者なの?


ひとまず聞いておかなくては、僕がこの赤い竜になった訳を。(あと僕、赤竜って言うドラゴンだったんだ・・・)


彼女は僕が今、一番知りたい事を察したのか、先に赤竜へ転生した理由を語ってくれた。



「では、何故貴方が赤竜になってしまったのか話しますね。

まず貴方はこの世界へ転生する前、お友達とキャンプへ行くとなって、着火器具に触れましたね?」


まさかそこまで知られているとは・・・

個人情報筒抜けじゃないか、なんかある意味この人怖い。ってかなんで知ってるの!!?


けど、これは事実だ。

僕はフリルに〈はい〉と念じた。


「間違いないですね、そしてその時、貴方は試しに火を付けようとした。そこで火をつけた瞬間、貴方は凄まじい爆炎と共にこの世をさった。そうですね」


そうだ、それで僕は死んだ。そして今僕は、赤竜と呼ばれるドラゴンへ生まれ変わった。


「そして貴方は何処かの洞窟で、意識を取り戻しましたね?


その時私は、限られた時間で貴方を目覚めさせる様に声をかけながら、貴方の感覚を覚醒させる魔法をかけました」


そうゆう事だったのか!だからあの時、急に感覚がドンドン覚醒していったのか!


まさかあの時から賢者様に助けられいたとは、感謝、感謝よ。


けど肝心の僕が赤竜になった事は話していないな。


「あら、私ったら論点をずらして話しちゃったようですね…」


フリルは顔を赤らめた。


気を取り直し、フリルは赤竜へ転生した理由を語る。


「それでは貴方が赤竜に転生した訳を率直に言いますね。


それは〈偶然です!〉



は?偶然?

それだけで僕は赤竜に転生したの?


フリルにそう尋ねる。


「偶然です!実は私達が居る世界では、貴方の様な人間が転生する人は稀に居て、

獣人アニマル〉や〈妖精エルフ〉〈魔女ウィッチ〉などに転生する方も見ましたが、貴方の様な〈赤竜〉に転生するのは本当に稀です。


こればかりは法則性が無いので、正直に言えば、ただ単に〈赤竜〉として生まれ変わっただけです!」


なんじゃそりゃ…さっきは「私には分かります」って

アで始まる地域を作ったどっかの精霊様みたいな事をいったのに対し、なんちゅう暴論なんだか・・・

呆れた感が半端ない。


でもフリルの話に、〈アニマル〉とか〈フェアリー〉とか言ってたな。何かの種族っぽいなぁ〜

けど僕は〈赤竜〉、火竜と賢者以外にこの姿を表す事ができない…とっくの前に知っている筈だ。


するとフリルは僕を見て、哀れな者を見るかの様な顔をする。


もしかして、さっきの事、伝わっちゃった?

けどフリルは急にニコニコして、僕に聞いてくる。


「人間の姿に、なりたいですか?」






賢者フリルは、ドラゴンを人間にする手がかりがある様ですね。

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