第1話 死んだのか?
ん?ここは?
僕は急に意識を取り戻した。
全ての感覚が全く無く、虚無の空間に居座ってる感じだ。
一体ここはどこなんだろう?何も見えない、何も感じられない、本当に今僕はどうなってるんだ?
あやふやな状態で僕は混乱した。この混乱が解けるまで少し時間が掛かってしまったが時間が経つにつれて少しづつ心が落ち着つ。
そしてもう一度冷静になって考え、今までの事態を思い返した。
そうだ、僕は爆発に巻き込まれて死んだんだ、あのガスバーナーで火を付けた瞬間に家全体が炎で丸焼きになってしまったんだ!
けどどうしてあんな大爆発が?僕はちょっとガスバーナーで火をつけただけだ、それなのにあんなに燃え広がるなんて…
まさか、〈ガス爆発!?〉いやそんなある筈がない。
家はそうゆうのにはちゃんと気をつけてるしそもそも僕の父親は喫煙者、勿論火を扱うからそうゆうのにも
目配りはできてる。
ガスの元栓を閉め忘れて全部引火したって事はない。
じゃあなんでだ?
真相は分からなかった。僕が何故、火によって死んでしまったのか、謎に包まれたまま考えるのをやめてしまった。
そしてこの虚無の空間に来てどれくらいの時間がたったのだろう?なんか少しづつ気が病んできそう。って言うか僕、本当に死んだんだよね?なんでずっとここに居るんだろう?
あの世へ行ったら天国か地獄へ行くと聞くがあれは嘘だったのだろうか?もしかして、審判待ちかな、それとも…死んだ人は生まれ変わるまで、虚無を味わう事になっちゃうのか?前世の記憶を持ちながらも…
なんか本当に段々病んできそうだ、このまま一人ぼっちでずっと居なきゃいけないとなると、どんどん辛いと思ってしまう。
けど次の瞬間、僕の何処かから、綺麗な声が聞こえる
「起きなさい」 「起きなさい」
何処から聞こえてるかは分からないが何故か僕に伝わってくる。不思議だが綺麗な声は更に声をかえる
「さぁ、目覚めなさい、小さき子よ」
誰が小さい子じゃ!!いきなり僕に声をかけて何が小さい子だよ怒るぞ!!
僕は虚無の空間で初めて声を掛けてくれた事もあったのか興奮気味だったが、実は素直に嬉しかったのだ。
そしてさっきの声が「目覚めなさい」と僕に語りかけてきたが、どうやって目覚めるの?意識はあっても体の感覚が無いんだぞ、どうすればいいんだよ
誰かに無茶振りを言われた様に捉えた僕だが、あの声の言う通りであるならば僕は〈目覚める〉っていう概念があるらしい。ならどうにか感覚を覚さなきゃ!
僕はどうにか力が入る所や何かしらの感覚を得れるか
頭の中で考えた。そしてその信号が神経に伝わって何かしらの器官に伝わってくれるのを初めは何からに祈るだけだったが時間が経つにつれて何かしらの感覚が覚醒した。
それは真上の方に感覚が掴めた、多分僕の頭ら辺だろうな。僕はようやくと思う位だが、何とか体の感覚を
一部だが取り戻す。
って事は僕にはまだ肉体が存在するって事か!?でもあの爆炎だ、奇跡的にも肉体が残って、今も頭ら辺の感覚が有ったとしてもあの爆炎だ…多分今の姿は醜い人間の様なものだろう。
そして、意識も感覚もあるって事はまだ僕は生きていて、何処かに運ばれた?まぁそんな所になるだろうなぁ…
最悪だな、痛みも熱全く感じないって事は痛覚も体温調整機能も壊れたって事だよな…そもそも僕はもう、
普通の人間として生きていける事も出来ないのかも…
もうネガティブになってきた。
僕は放心しようとすると、頭ら辺の右側に「ゴッ!」と音をしながら〈痛み〉を感じた。
ぶつかったのはゴツゴツしていたモノだった。
岩?でも何故だ?今僕が居る所が何処なのか?でも少なくともあの世では無さそうだな、その証拠にさっきの衝撃で頭ら辺にしか感覚がなかったが段々他の感覚も掴める様になった。
やった!感覚が戻ってきた!僕は急にテンションが上がった。
よし、これなら目を覚ます事もできる筈だ。僕は咄嗟あの声の言う通りにここから目を覚まし、起き上がる。すると僕の前に写っていたのは…
初めから結構グタグタな展開ですが、何故?健君は感覚を時間経過で取り戻したのかだろうか?
実はあの「謎の声」のおかげです。
そして近い内に「謎の声」の人に会えます。