くちもとのホクロ
『絵本:くちもとのホクロ』
(表紙には、元気に飛び跳ね回る白い犬達の絵が描かれている)
著者:ジャイアント墨子。本名、年齢不詳。
顔が地黒でキュートなお歯黒、というキャッチコピーで名が売れる。
フォトエッセイ「おはよう、おはぐろう」では、天才と言われたいと書いていたが、
今は恋をしている男性に好きだと言われたいと思っている。
『くちもとのホクロ』
ぼくの、くちもとには、
ホクロがある。
(口元にホクロのある子供へ、大人の女性が泣きながらナイフで刺そうとしている、の絵)
よく、ともだちから、
「チョコレートがついているよ」、と、いわれてしまう。
(その大人の女性に子供がナイフでお腹を刺され、口から溶けたチョコレートを吐いている、絵)
いまは、まだ、いいものの、
もし、
チョコレートと、かんちがいした、ありが、よってきたら、どうしよう。
(刺されて倒れたその子供がアリに、幕張駅へ運ばれている、絵)
たべたほうが、いいのかな。
(”中華ショップ”と書かれた看板、の絵)
それとも、やいてから、
たべたほうが、いいのかな。
(”火力中華ショップ”と書かれた看板に、オシッコをかけている酔っぱらったサラリーマン、の絵)
じゃあ、くちから、
ひを、ふけるように、していたほうが、べんりだ。
(電柱に手を掛け、口から火を吐いている酔っぱらったサラリーマン、の絵)
でもそんなこと、インドじん、じゃないんだから。
にほんじんの、ぼくが、できるだろうか。
(”インドショップ”と書かれた看板が宙に浮いている、絵)
もし、しっぱいして、
くちから、つめたい、いきを、ふいてしまう、にんげんに、なったら、どうなるのかな。
クーラーボックス、として、やとわれて、しまうのかな。
もし、クーラーボックス、として、やとわれたら、
じょしこうの、しょくいんしつに、せっちしてある、
クーラーボックスに、なりたい。
(絵無し)
---≪ちょっと、こばなし、の、コーナーだよ≫---
1.
くちもとが、だらしない、ひとは、
よく、よだれを、たらすよ。
2.
くちに、セロハンテープを、はって、あそぶと、
おかあさんに、おこられるよ。
3.
くちもとの、いえもとに、なりたいと、
くちにだして、いうと、そのひは、
よく、ねむれる、という、ジンクス。
---≪もうおしまいだよ、おきてね≫---
ぼくの、おとうさんは、じょしこうで、せんせいを、しているので、
いつでも、おとうさんと、いっしょに、いたいなぁ。
(大人の男性が、女子高生にラリアットをしている、絵)
ぼくは、おとうさんが、だいすき。
げすな、そうぞうを、するひと、だいきらい。
(ピラミッド型に積まれた犬の頭蓋骨の上から、酢味噌を掛けるホスト、の絵)
あっ、でも、
いくら、つめたい、いきを、ふけても、ホクロは、なくならないわけで。
じょせいは、チョコレートのような、あまいものが、すきで、
ぼくの、ホクロを、みて、チョコレートに、おもいを、はせ、
みんな、じょしこうから、いなくなって、
コンビニへ、チョコレートを、かいに、いったら、
ぼくの、せきにんを、
おとうさんが、とらないと、いけなくなるかな。
そして、おとうさんが、じひょうを、ていしゅつして、
ぼくの、いえの、しゅうにゅうげんが、ぼく、だけに、なってしまったら……。
(大人の男性が、公園のブランコに対してラリアットをしている、絵)
ぼくが、だいこくばしらだ。
(劇画調に描かれた大黒様、の絵)
いやだ、
くちもとが、ちょっと、くろいだけでも、いやなのに、
だいこくばしらに、なんて、なったら、
もうまっくろだ。
(劇画調に描かれた大黒様に、アニメチックでかわいいアリが群がっている、絵)
ぼくは、
ありを、そのまま、たべる。
(”ありのままの僕”と書かれた看板の下のほうに、犬の頭蓋骨の絵が描かれている)
--ここは保護者の方が読んで下さい--
子供はなんと言ってもお父さんのことが大好きなんです。
なので、子供との思い出をたくさん作って下さい。
子供は特にチョコフォンデュを喜びます。
だからチョコフォンデュをたくさん作って下さい。
アリのような食べ物を食べさせたいと思えば、煎った黒豆をたくさん作って下さい。