こしから、ひざ
『絵本:こしから、ひざ』
(表紙には、腰を激しく振るレゲエダンサーが描かれている)
著者:ジャイアント墨子。本名、年齢不詳。
顔が地黒でキュートなお歯黒、というキャッチコピーで名が売れる。
フォトエッセイ「自暴自棄の彼方」では、たくさんの夢と希望を抱きしめたいと語っているが、
今は恋をしている男性を抱きしめたいと思っている。
『こしから、ひざ』
ぼくは、
こしから、ひざが、とてもながい。
(腰から膝までの部分だけが、一本のかいわれ大根になっている子供、の絵)
それが、ぼくは、
とても、きらい。
(便所ブラシの水切りをしている人達に囲まれた一人の子供、の絵)
でんしゃに、のっていると、
ちゃんと、おくまで、すわっているのに、
じゃまがられる。
(お尻の絵が描いてあり、
お尻の割れ目から”フィットしてまっせ”という文字が勢いよく出ている、絵)
こわいひとから、
「えらそうに、すわっているんじゃない」という、めで、みられる。
(顔中に鎖を巻いていてミイラのようになっている人、の絵)
それが、ぼくは、
すごく、こわい。
(まだぬれている便所ブラシを持たされ、バッターボックスに立つ子供、の絵)
ほんとうに。
(顔中に鎖を巻いているキャッチャーと審判に怒られているその子供、の絵)
なんで、ぼくは、
こしから、ひざが、みょうに、ながいのだろう。
(吊るされたてるてる坊主の胴体に”こしから、ひざ”と書かれている、絵)
---≪ちょっと、こばなし、のコーナーだよ≫---
1.
こしから、ひざを、
すごい、スピードで、さすっていたら、
まさつねつで、アチチッ、と、なったよ。
2.
きょうを、さかいに、
かけぶとんを、タオルケットに、したよ。
3.
かがみを、みたら、
よごれていたので、ふいたよ。
---≪もうおしまいだよ、おきてね≫---
もし、かみさまが、ぼくの、こしから、ひざを、のばしたのならば、
ぼくは、かみさまを、こらしめたい。
(便所ブラシと日本刀を持っている二刀流の子供、の絵)
もし、ぼくに、だれかが、こしから、ひざが、のびるクスリを、
のませていたのならば。
(ミニトマトの苗から目薬の実が成っている、絵)
そのクスリのあじが、きになるので、
もう1かい、のみたい。
(腹踊りをし終えた人から目薬をもらった子供、の絵)
どうせ、もうながいのだから、
いっそのこと、ギネスにのるくらい、ながく、ながく。
(三両編成の電車、の絵)
ながく、ながく。
(四両編成の電車、の絵)
ながく。
(キャンドルサービスをする新郎と新婦の背が高すぎて、
ハゲたオッサンが代わりに火を灯している、絵)
いやダメだ。
(そのハゲたオッサンの後ろから、かいわれ大根で首を絞める別のハゲたオッサン、の絵)
もし、
にがかったら、
のみたくない。
(五両編成の電車、の絵)
だから、そんなクスリは、
このよから、きえてしまえば、いいんだ。
(地球をゴミ箱に押し込む子供、の絵)
ぼくは、クスリに、たよらない。
(薬局を鎖で縛り付けた上に、さらにかいわれ大根で縛ろうとしている新婦、の絵)
いや、まあ、クスリをのまないと、なおらないびょうきとか、
すっごくおもい、びょうきとかなら、ぜったい、のむけども。
いまの、ぼくの、せんげんは、
ちょっとした、かぜの、はなしで、
じっさい、じゃっかん、ひとより、けっこう、のむほうだし、
クスリそのものを、ひてい、しているわけでは、もちろん、ないし、
まちがった、かいしゃくで、ぼくを、きみのかんづめのなかに、いれないで、ほしいな。
でもまあ、あまいクスリだったら、だいたい、のむかなぁ。
よくわからないなぁ、みらいのことは、じぶんでも、わからないんだよね。
だから、なにがおこるか、わからない、というところで、ここは1つ、おねがいします。
(絵無し)
--ここは保護者の方が読んでお子様に聞かせて下さい--
たとえば風邪薬の消費期限が過ぎているとしましょう。
そんな風邪薬をわざわざ飲む必要はありません。
しかし新品の風邪薬を買ってきているのならば、飲んだほうが良いでしょう。
……ということを伝えたかったわけです。
もしそれを感じて頂ければ非常に有り難いです。
ちなみに、私の腰から膝は常人の八割ほどの長さです。
俗に言う、胴長短足というやつです(笑)
……この胴長短足のくだりはお子様に言わないで下さい。
もしかしたら
貴方のお子様が私の未来の結婚相手になるかもしれませんので、
変な先入観を与えることはお止め下さい。