くびのいたみ
『絵本:くびのいたみ』
(表紙には、首を押さえているお歯黒の女性が描かれている)
著者:ジャイアント墨子。本名、年齢不詳。
顔が地黒でキュートなお歯黒、というキャッチコピーで名が売れる。
フォトエッセイ「本当のお歯黒」では、秘湯に入りたいと書いていたが、
今は恋をしている男性の家族の輪に入りたいと思っている。
『くびのいたみ』
いたい。
あさ、おきたら、くびが、いたい。
(首がある太陽の絵、その首には三日月が大量に刺さっている)
どうして、だろう。
ただ、ねていただけ、なのに。
まるで、だれかが、ねている、あいだに。
(大きく『ねている』という文字が書いてあり、
その隙間に、『首』という漢字が行書体でギッシリ書かれている)
はっ。
(とある男性の頭の上にポッと電球が浮かび、
その電球には首があり、その首には蛍光灯が大量に刺さっている)
まさか。
(その電球の頭にズームインして、その電球は「むしろ、ぼくが、にくむほう」と言っている、絵)
くびのいたみ、ぼうやに、くびを、たたかれたの、かな。
そうだったら、どうしよう、
エスカレート、しないかな。
(上りのエスカレーターに、自分の足の匂いを嗅いでいる坊やが乗っている、絵)
もし、つぎは、おしりを、たたかれたら、
いいおとが、なって、そのおとで、よる、おきてしまう。
よる、おきたら、すごいこわい。
おきたら、ぜったい、おしっこに、いきたくなるから、いかないと、
でも、でも、いや、
もらすよ。
(絵無し)
さて、けついが、かたまったから、ねよう。
(部屋に電球を一個だけつけていて、
ベッドの下に食べ終えたであろうカニの殻をたくさん置いている子供、の絵)
---≪ちょっと、こばなし、のコーナーだよ≫---
1.
マフラーを、おかあさんから、かってもらった、ひに、ころんだので、
その、マフラーは、つちに、うめました。
2.
くびわを、せずに、いぬの、さんぽは、しちゃダメだよ、
と、いわれました。
3.
じぶんの、くびに、ゆせい、マジックで、
めのえを、たくさん、たくさん、かいたら、とても、おこられたよ。
でも、
きみの、いけんも、ききたいなぁ。
ほら、せーの。
だいじょうぶ、ちゃんと、きくよ。
(紙には誰かのキスマークがいっぱいついている)
---≪もうおしまいだよ、おきてね≫---
う~ん、う~ん、なんか、おかしいなぁ。
そうだ、
まくらもとに、くつしたを、おいていないんだ。
これで、ギャランディが、もらえるぞ。
(枕元に靴下がある絵)
(あの坊やが現れて靴下の匂いを嗅いでいる、絵)
(一個だけついている電球にズームインして、「たしかに、つかわれている」と言っている絵)
(梅干しの精巧なデッサン画)
う~ん、よくねた。
あれ、くびが、いたくない。
どこも、いたくない。
よる、おきなかった。
あっ、でも! おねしょ!
うん、これは、ぼくのせい、だね。
ふふ、『うん、これは』のときに、うんこ、って、いっちゃったね、きを、つけようね。
(うんこの精巧なデッサン画)
--ここは保護者の方が読んでお子様に聞かせて下さい--
『うん、これは』、この言葉がつい言ってしまううんこナンバーワンを今もなお誇っています。
もし、この言葉を幼稚園や保育園で言ってしまうとその日、一日、お子様はバカにされてしまいます。
そればかりか、もしかしたらその園にいる間中、続くかもしれません。
少なくても私は三カ月続きました。
確かにそれは、私が既に本格的にもらした経歴があったからだとも思います。
しかしこの世の中、何が起きるか分かりません。
「笑われるよりも笑わせる」
これは私が好きなお笑い芸人様がラジオで言った言葉です。
私もそう思います。
もし、この絵本を笑うような人がいましたら、二度と私の絵本を買わないで下さい。
仕事に関しては、私は常に真剣なのです。
≪真剣と言えば確かにお笑い芸人も人を笑わせることに真剣です。
しかし私の真剣はそういうことではないです≫
(ジャイアント墨子のキスマークが一個ついている、よく見ると、お歯黒が少しついている)