しってるのに
『絵本/しってるのに』
(表紙には、味噌汁が床にこぼれている、絵)
著者:ジャイアント墨子。本名、年齢不詳。
顔が地黒でキュートなお歯黒、というキャッチコピーで名が売れる。
エッセイ『ともだち100人できるはず』では、
友達が1人しかいないことが自分へプラスになっていると語っていたが、
今はメル友の中に、気になっている人がいると周囲に話している。
しってるのに、また、おなじことを、いわれてしまった。
ぼくは、なんでも、しってるのに。
(うつ伏せの状態になっているビール腹が顕著に現れている全裸の男性、の絵)
ぼくの、さいのうを、おかあさんは、あまくみてる。
はたして、おかあさんは、さいだいげんに、ぼくを、いかせるのかな。
(あぐらをかきながら、蒸しパンをちぎってはちぎってを繰り返している男性、の絵)
ふあんだ。
(ちぎり終えた蒸しパンを、お尻に敷き、やや満足げな表情の男性、の絵)
さて、きょうは、どうやって、おかあさんを、こまらせてらろう。
ぼくの、しかえしは、こわいことを、おしえて、やる。
(お尻を前後左右に動かし、「これはいい、マッサージだぁ」と言っている男性、の絵)
(お尻を前後左右に動かしている男性、の絵)
(お尻を前後左右に動かしている男性、の絵)
(お尻を前後左右に動かし、「だまってすると、しんけんになる」と言っている男性、の絵)
(お尻を前後左右に動かしている男性、の絵)
(やや満足げな表情の男性、の絵)
そうだ。
おかあさんの、コーヒーに、
なまの、ぎゅうにくを、いれてやる。
(立ち上がり、お尻をお札で払う男性、の絵)
さっそく、れいぞうこへ、ちょっこうだ。
つめたくて、かたい、はこの、ところへ、いくんだぞ。
かたくて、しかくい。そして、うすい、いろ、で。シャープな、デザイン。
だからこそ、かたいんだ。
ぼくは、なんでも、しってるんだ。
すごい。
(絵無し)
れいぞうこの、ばしょに、ついたぞ。
う~ん、かたそうだ。
(いつの間にか履いていたブリーフの中に砂糖を少々ふりかける男性、の絵)
でも、ここを、もって、ひけば、あくんだ。
こんなやつ、らくしょうだ。
(「おなさけだぞ」と言いながら、扉の開いた冷蔵庫にブリーフの中を少しだけ見せる男性、の絵)
わー、おいしそうな、ケーキがたくさん。
ぜんぶ、ぼくの、おなかの、なかに、はいるんだよ。
うらやましいだろう。
(読者目線になり、ブリーフの中を少しだけ見せるが、大事な部分は見えていない、絵)
これが、ぎゅうにく、だな。
これを、コーヒーの、ふんまつが、はいってる、かんに、いれて、と。
これで、だいじょうぶだ。
(ブリーフをより上げて、やや満足げな表情の男性)
---≪さぁ、こばなしの、コーナーだよ≫---
1.
ブリーフの、なかに、
キムチを、いれると、あかくなったよ。
2.
コーヒーの、ふんまつを、いえの、まえに、まいたら、
きんじょの、ひとに、ふまれて、しまいました。
---≪ねぇ、おきて、ほんぺんに、もどるよ≫---
おかあさん、コーヒーを、のんで、みないか。
おいしいよ、あれ、おかあさん、なんだい、そのひょうじょう。
おかあさん、なに、おこっているの。
おかあさん、おかあさん、おかあさん、そ、そんなぁ。
おかあさん、ひどいよ、おかあさん。
(エプロンをした女性が泣きながら男性の鼻をつまんでいる、絵)
してはいけないこと、だと、しってるのに。
だからこその、こと、なのに。
(泣きながら2階へ上がる男性の足の裏には大量のコーヒーの粉末がついている、絵)
あとがき≪親御さんがお読み下さい≫
この物語は、お子さんに聞かせるのではなく、お子さん自身に読んで頂きたいです。
そしてこの物語を読み、お子さんに母親の気持ちを少しでも理解して欲しいです。
そのためには読み聞かせるのではなく、是非自ら読むという行動をさせて欲しいです。